発達障害・知的障害の生徒様の個性と可能性を伸ばす

264.ひとりでお留守番

264.ひとりでお留守番
「知的障害児者、発達障害児者 個性と可能性を伸ばす!」: 造形リトミック教育研究所 

 母子分離との関連で、「お留守番もできないのですが・・・」というご相談が時折あります。母子分離が課題となる年齢であるならば、まず小さなお留守番から練習していきましょう。

1)はじめは、誰かと一緒にお留守番
 お父さんや、おじいちゃん・おばあちゃん、ご兄弟など、誰かと一緒のお留守番から試みましょう。そのとき、遊びに夢中になっているときにこっそり出かけてしまうのではなく、行き先と目的を話して、しっかり留守番を頼んでから出かけましょう。

 はじめのうちは、ごみ出しにいく、回覧板を回しにいくなどの短時間で戻れる用事にしましょう。そして戻ったら、「お留守番できたね。えらかったね。お母さん、助かった!」とほめましょう。「これが留守番なんだ」ということと「できた!」ということを意識化させるためです。

 無理なく誰かと一緒にお留守番できるようになったら、ひとりでのお留守番に挑戦させましょう。やはり、はじめは短時間のお留守番からです。

2)留守番中の不安に対する問題解決をあらかじめ一緒に確認しておきましょう。
 たとえば、電話は留守電設定。「ドアフォーンがなっても出なくていいよ」ということを教えておくのもひとつです。

 また、留守番中に何をしていればよいのかを決めておきましょう。好きな遊びでもいいし、ビデオを見ることでもいいでしょう。手持ち無沙汰は、お子さんを不安にさせます。
   
3)留守番中の失敗に対しては、叱らないのはもちろん、小言も言わないようにしましょう。
 「こんなに散らかして。おもちゃぐらい、片付けといて!」・・・とにかく留守番できたことをほめましょう。
 「おやつ、みんな食べちゃったの?!」・・・少しくらい、留守番得のある方が次回につながります。
 「おとなりのおばちゃんなら、ドア、開けてあげたらよかったのに」・・・臨機応変の要求は子どもを迷わせます。
     
4)母子分離もお留守番も、日頃が大切です。日頃赤ちゃん扱いをしていて、その場に及んで「もう、お兄ちゃんなんだから・・・」では、お子さんは対応しにくいものです。

 年齢に応じてできることをお手伝いとして設定し、日常的に、生活への意識を育てていきましょう。たとえば、日頃から、電話やドアフォーンへの対応の仕方を教えておきましょう。留守電設定や戸締りは、親御さんが立ち会いながらも毎日のお手伝いのひとつにしておくといいでしょう。

 生活に積極的に関わる態勢を育てておくことが、小さな自立と自信につながります。自己意識を成長させることができます。

5)しかし、いずれにしても、あせらないことです。
 時間の感覚がまだ育っていない段階のお子さんには、「ちょっとだけ」「すぐ、戻るから」「15分くらい」「お昼までには」と言っても理解できません。また、お母さんが「どこに行って、何をしてくる」ということが言葉で言われてもイメージできない段階もあります。
   
 さらに、心情的に不安の強いお子さんもいれば、環境的に不安が強くなっているケースもあります。 

 教室でも、母子分離での学習態勢にはじめ入れない生徒さんがいますが、毎回「今日は一人でできる?」と迫らずに、むしろ「お母さんと一緒でいいよ!」という態度でこちらが臨んであげる方が母子分離を早く実現することができます。
  
 まずはじめに安心感があってこその、母子分離であり、お留守番です。



造形リトミック教育研究所
>>ホームページ http://www.zoukei-rythmique.jp/
>>お問い合せメール info@zoukei-rythmique.jp

なかのひと
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