歳時記

考えない、これ最凶

幻想

2010年05月09日 | Weblog
うちの父親は典型的な日本人の父親である。

どういうことかというと
仕事&趣味一筋、家庭を一切顧みないタイプである。
要するにやりたい放題やってきたタイプというわけだ。

妹が結婚相談所で紹介された男性とお付き合いをして
結婚する流れになっている。
それで今度、我が家に挨拶に来たいという申し出があった。

それでこの週末もめた。

妹が日にちを指定して、この日に彼が挨拶に来たいんだけど、どう?と
父親に聞いた。
父親はこう答えた。
「その日はソフトが午後に入っている。来るのは何時だ?」

父親の趣味はソフトボールである。
それこそ30年以上の実績だ。
それにしてもこの返答は異常を通り越して人としてどうかと思う。

その答えをする時点で
その日は午後にソフトが入ってるので午後になったら嫌だなぁ。
         ↓
娘の彼氏の挨拶よりもソフトの方が大切
ということが頭にあるからである。

この発言に家族は大いに憤慨した。
それはそうだ。娘の結婚より自分の趣味が大切な親がどこにいるのだろうか。

そのことを問い詰めると
「それは考え方の違い」「そこまで大切なことだと思わなかった」と
もう鳩山並みの言い訳をしきりにするだけ。

しかしそんな詭弁を言っても
娘より自分のことが大切と言って、妹を傷つけたことには変わりない。

しかしそのことを言っても
「俺が悪いのか?謝ればいいんだろ」と逆上する始末。

男親は娘が彼氏を連れてくると聞いた時、動揺するという話を聞いたことがある。
しかしうちの親は全くそういうのとは違っていた。

そもそもその話を聞いた時点で、私だったら
「何だと!!、おい、どこの馬の骨だ、何やってるんだ、何者なんだ」となるだろう。

しかしその後の話会いの中でも
父親からは一切その質問はなかった。
妹が誰と結婚しようと、気にならなかったのだろう。

ああ、この人は本当に子供に対する愛情というものが形成されてこなかったんだなと
改めて実感した。


そういえば前にも質問したことを思い出した。
「俺のことを他の人に説明するとしたら、父親ならなんて言う?」

「夜遅くまでゲームをやっている」

父親の私に対する認識はそれだけだった。


よくドラマで離婚したり、家庭を顧みない親が
子供の事をずっと思っていた、なんて描写があるが
そんなものは幻想だとわかった。