なくもの哲学と歴史ブログ

哲学と歴史のブログです。
フォロバはします。気軽にフォローしてください。
西洋、東洋哲学
世界史、日本史
西洋神話

ブランディングとは何か?

2024-05-01 22:40:00 | インターネット関連

【ブランディング】 

 ブランドを形作るための様々な活動を「ブランディング」と言います。ブランディングとは、ブランドを「作る」「構築」するという意味です。ブランドとは、何も高級品ことだけではありません。ある商品を別の類似商品から、違うものとして区別されたものがブランドです。ブランドは、様々な要素が組み合わさって、形作られています。その要素とは、独自の商品「デザイン」「商標」「名称」「シンボルマーク」「キャッチフレーズ」などです。それらによって、その商品に対するイメージが、特定のブランドとして、ターゲットの頭の中に形作られます。

 【イメージ】

 ブランディングをするには、まずは、自分の商品がどう思われたいのかを決めておかなくていけません。その上で、ターゲット市場の現状を認識し、自分の商品がどう思われるべきかを分析する必要があります。売り込みたい商品が、ターゲット市場において、どういうイメージがあった方がよいか、知っておく必要があるからです。いくら自分の理想を押し付けても、それを顧客が必要としなければ、意味がありません。

 ブランドとは〇〇と言えばあの商品、この商品なら〇〇というイメージのことです。ブランディングによって、そのイメージを、ターゲット市場に認知させ、広く浸透させることが出来ます。その際、自社の商品の価値を分かりやすく、正しく伝えなくてはなりません。例えば、自分の商品が、高級品嗜好の商品だったとします。その場合、広告やキャッチフレーズに、激安というを言葉を使うべきではありません。 

 【ポジショニング】 

 ブランディングをすることによって、ターゲット市場において、独自の地位が築かれ、宣伝をしなくても、知名度が上がります。知名度があった方が良いのは、取引などで優位に立つことが出来るからです。ブランディングに成功すれば、集客活動などにおいても、有利に進めることが出来ます。通常、集客には、宣伝費などがかかるものです。ブランディングが確立されていれば、多額の広告費を投入したり、営業によって集客活動を行う負担が減ります。それらを行わなくても、顧客を獲得することが出来きるからです。その分、コストが削減され、商品開発などに投資が出来きます。 

 また、ブランドが確立されていれば、価格競争に参加する必要がなくなります。逆に、ブランディングされていなければ、商品の値下げをすることでしか、顧客を確保することができません。しかも、ターゲット市場において、すでに強力なブランドが確立している場合、それを覆すのは難しいとされます。そのため、他者との競争に生き残るためにも、ブランディングは、必要不可欠なものです。 

 【選ぶ理由】 

 そもそも、顧客は、なにを基準に商品を選ぶでしょうか?ブランドというものが確立されていれば、選ばれやすくなるとされています。選ぶ理由は、このブランドだから安心、信用出来るなどです。例えば、〇〇の商品だから購入するなど、その顧客にとっての価値を基準にしています。なにも世間一般から評価が高いものだけが、選ばれているわけではありません。長年選ばれ続けることによって、その商品に対する愛着が生まれ、リピーターになってくれるとされています。



ネットリンチについて

2023-12-07 21:12:00 | インターネット関連

【私刑】 

 私刑「リンチ」とは、国家の刑罰ではなく、私人や私的団体が自力で行う制裁のことです。日本では、たとえ誰であれ、法律の定める手続きによらなければ、刑罰は科せられません。海外では、私刑行為が許される国もありますが、日本では、私的な制裁は禁止されています。日本は、法治国家です。そのため、法で定められた手続きによらなければ、例え相手が犯罪者でも、私人が制裁を加えることは出来ません。もしそれが許されるなら、裁判所は不要になってしまいます。また、犯罪者かどうかを判断するのも裁判所です。犯人に対して暴力をふるうと、暴行罪「刑法208条」、脅すと、恐喝罪「刑法249条」に問われる可能性があります。 

 【プライバシーの問題】 

 何か事件があると「ワイドショー」「週刊誌」「ニュース」などのメディアで取り上げられ、被害者や加害者のプライバシーが、一方的に流されることがあります。そうした報道が「プライバシー侵害」や「名誉毀損」になったりするのは、メディアが犯人の増悪を煽るような見せ方をするからです。それを正義感からか、それをネットで拡散しようとする人たちがいます。しかし、犯罪者にも基本的人権があることを忘れてはいけません。例え相手が悪くても、自分自身がペナルティをうけることもあります。

 ネット上で行われるリンチが、ネットリンチです。道徳に反した悪者を懲らしめるため、個人をターゲットにして、つい怒りの感情のままに書き込みをしてしまうこともあります。そこには、犯罪行為を行ったのだから仕方がないという気持ちがあるのかもしれません。しかし、過剰な正義感から、行き過ぎた誹謗中傷した場合、名誉毀損になることもあります。そのため、批判をする場合でも、誹謗中傷にならないような書き方にしなければなりません。 

 【特定班】 

 特定の人物の個人情報を調べ上げ、ネット上に晒すネットユーザーを「特定班」と言います。個人情報とは「顔写真」「家族写真」「住所」「職業」などです。特定班は、わずかな個人情報の断片を組み合わせ、ある特定の人物を推測します。ただし、その特定された人物は、特定班がターゲットにしてた人間とは限りません。間違えている場合もあるからです。また特定班と、ネットリンチ加害者は、同一人物だとは限りません。特定班の中には、誰かに頼まれたり、趣味でやっている人もいるからです。加害者は、特定された人物に対して、さまざまな手段で攻撃をしかけます。攻撃手段は、自宅への「リア凸」「ストーカー行為」「いたずら電話」「迷惑メール」「虚偽通報」「吊し上げ」「なりすまし」などです。 

 【リンチの構造】

 加害者は、ネットの匿名性を過信しており、自分は安全な立場にいると思い込んでいます。また、顔が見えないインターネットでは、相手の気持ちが分かりにくいものです。そのため、罪悪感が低いのかもしれません。ネットリンチには、誰かと一緒になって盛り上がるという一体感があるとされています。それが、リンチがエスカレートする一つの要因です。加害者たちは、群れることを好む傾向にあり、集団内で特定の対象者へネットリンチをすることによって、その連携が強くなるとされています。

 【理由】 


許せなかったという正義感は、建前かもしれません。加害者は、リアルでは認められないので、承認欲求のためにネットリンチを繰り返している可能性があるからです。または、面白半分で攻撃している愉快犯なのかもしれません。ネットリンチを無視し、放置しておくと、個人情報を好き放題に悪用される可能性があります。そのため、サイト管理者などへの削除請求の対応が必要です。サイト管理者には、法的責任があり、被害者の削除請求を無視すると「名誉毀損幇助」とみなされる場合があります。



発信者情報開示請求とは何か?

2023-12-04 20:02:00 | インターネット関連

【発信者情報開示請求】 

 発信者情報開示請求とは、プロバイダーに対して、発信者の情報開示を求める制度のことです。プロバイダー責任制限法第4条には、請求できる「人」と、請求できる「条件」が定められています。発信者情報とは「氏名」「住所」「電話番号」「IPアドレス」「メールアドレス」など総務省で定められた情報のことです。被害者は、条件を満たせば、発信者「加害者」に対して「損害賠償」を請求することが出来きます。損害賠償とは、民法上の「不法行為」に基づく責任のことです。 

 【損害賠償と名誉毀損】 

 運営によって問題のある書き込みを削除されても、同じような内容が書き込まれ続ける場合があります。その場合、発信者に対して、民事上の「差止請求」をしなければなりません。書き込みだけが削除されても、書いてる人間がやめなければ、加害行為が止まらないからです。発生するのは、民事上の「損害賠償」だけではありません。誹謗中傷をする書き込みの場合、内容によっては「名誉毀損」などの刑事上の犯罪が成立することも あるからです。

 【相手の特定】 

 匿名の高いネット上では、相手がどこの誰だか分かりません。損害賠償を請求するためには、加害者の人物を特定する必要があります。それを可能にするのが「発信者情報開示請求」です。発信者情報開示請求をするには、専門的な知識が必要とされるため、通常は弁護士に依頼します。ちなみに民事上の請求権は、裁判所手続きによらなくとも請求することは可能です。

 その場合「弁護士会照会」による「任意開示」が出来ます。弁護士会照会とは、弁護士が、職務活動を行うために、官公庁や企業などに対して、証拠などの必要事項を調査するために設けられた法律上の制度のことです。ただし、弁護士会照会には、強制力がありません。そのため、プロバイダーが応じるケースは稀です。だいたい「警察からの照会が先です」「調査に3ケ月くらいかかります」などの返答が返ってきます。そのため裁判上の請求が一般的です。 

 2段階】 

一度の請求で、発信者が特定されるわけではありません。発信者情報開示請求には、二つのステップがあります。

⑴まずは、サイト管理者に対して、通信履歴ログ情報をもとに、プロバイダーの特定につながるIPアドレスを開示させることです。サイト管理者とは、SNSYouTubeなどをさします。IPアドレスとは、通信の相手先を識別する番号のことです。

⑵プロバイダーが特定されたら、次にプロバイダーに対する開示請求が行われます。 発信者情報開示請求が、認められるためには、次の7つの要件が必要です。

 ①「不特定の者」 誰もが閲覧可能な情報発信であること。

 ②「自己の権利を侵害されたとする者」 

自己とは「法人」「社団法人」も含みます。誰でも行えるわけではなく、第三者は含みません。 

 ③「権利侵害の明白性」

 権利が侵害された事実が明らかでなくてはいけません。権利侵害は、発信者側の「プライバシー」や「表現の自由」が考慮されるため請求者側が立証することになります。ただし、公益性があるなど「違法性阻却事由」が存在する場合は、発信者情報開示請求が認められません。違法性阻却事由とは、通常なら、違法性がある場合でも、特別な理由があれば、正当化されることです。

 ④「正当な理由」 

 発信者側の不利益が考慮されるので、取得するには「合理的」な理由が必要です。「損害賠償請求」や「刑事告発」するために必要であるなら、認められる傾向にあります。ただし、相手を脅すなど「私的制裁」が目的のためなら認められません。すでに賠償金が支払い済みの場合も同様です。もしプロバイダーが、正当な理由がなく情報を開示した場合「通信の秘密侵害罪」により、発信者から責任追及を受けることになります

 ⑤「開示関係役務提供者に該当すること」 

 開示関係役務提供者とは、サーバーの提供者である企業や個人のプロバイダーや、掲示板サイトの管理者などのことです。 該当するとは、つまり開示請求の相手方にあたるかのどうかです。その場合、営利性は要求されません。

 ⑥発信者情報に該当することです。 

 ⑦「保有の要件」 

 保有とは、法律上又は、事実上、自己の支配下に置いている状態をさします。つまり、開示関係役務提供者が、開示対象の情報を開示できる権限を有していることです。第三者でも、開示が実行可能であれば、保有にあたります。