今回の内容は麻雀戦略としては、大して役に立たないでしょう。
ただ「へぇ、そうなんだ。」という感じです。
前回はペンチャン待ちシミュレーションプログラムをちょこっといじって、2枚待ちシミュレーションプログラムにしました。
今回はペンチャン待ちシミュレーションを何回もいじって、1枚待ちから国士13面待ちまでをシミュレートしてみました。その結果を紹介しようと思います。
1.1枚待ちから8枚待ち、三面張
1~8枚待ちのそれぞれと三面待ち(つまり11枚待ち)について
18巡ツモって何巡目までに待っている牌をツモったかを、
1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間にツモれなかった場合は、流局として記録する。
シミュレーション回数は5万回。
あがったときの点数や他家のあがりは考慮しない。
その結果をグラフにしたものが図1-1です。
参考のために浮き牌が面子になっている確率も載せました。
図1-1 各待ち数での待ち牌を引いている確率と巡目の関係
ちょっと色が見にくいと思いますが、一番上の線が三面張で、0%から出発して最後の巡目に4枚待ちと同じになるのが浮き牌です。
浮き牌以外は、巡目が少ない内は直線ですが確率が増えるほど曲線になっていきます。
図1-2は各待ち数についての詳しい数字を載せた表です。
図1-2 各待ち数での待ち牌を引いている確率と巡目の関係の詳細
・待ち牌の数とツモっている確率
図1-2をよく見るとわかるのですが、待ち牌が2倍になっているからといって、待っている牌をツモる確率は2倍になっていません。
[例えば18巡目の4枚待ちと(47.622%)8枚待ち(73.448%)]
3~8枚待ちあたりだと
巡目の浅い内は、「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」と言ってもいいでしょうが
巡目が深くなると、段々「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」が成り立たなくなります。
また、1枚待ちや2枚待ちだと巡目の浅い内でさえ成り立っていません。
このことは別にシミュレートなんかしなくても、簡単な麻雀の確率計算をやったことがある人ならすぐにわかることです。
ただ、未だに「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」と思っている人がいるので触れておきました。
・なぜこのデータが役に立たないのか
例えば両面待ち(8枚待ち)のときに、既に他家の河に2枚待ち牌が見えているからといって、
今回のデータを使ってこれからツモれる確率を6枚待ちで計算するのは正しくありません。
なぜなら、河には牌がランダムに捨てられるのではなく、人為的に牌が捨てられているからです。
字牌、端牌は多く切られ、中張牌は少なく切られるのです。
よって、正しく牌をツモっている確率を計算するには、他家の河と山に残っている牌の関係を事前に調べておかなければいけません。
他家の河について全体的に調べた結果は報告されているのですが、[1]
http://www.ix3.jp/hiii/02mahken/2-04paikouritsu.htm
現実には巡目依存性が高いと思うので、(序盤は字牌ばかり捨てられる、終盤は中張牌もそこそこ出てくるようになる)序盤、中盤、終盤での河の研究が必要です。
河の研究が途上である現在のところ、下手に河を見るより全く河を見ない方が、むしろ牌効率は良いようです。[2]
よって現時点では多くの場合、2枚待ち、4枚待ち(ペンチャン、カンチャン、シャボなど),6枚待ち(両面と単騎の複合待ち、図1-3)
7枚待ち(変則待ち、図1-4)、8枚待ち(両面)、11枚待ち(三面張)のデータくらいしか役立たないと思います。
待ち牌
図1-3 両面と単騎待ちの複合
待ち牌
図1-4 変則7枚待ち
2.国士13面待ちの威力
麻雀において最強の待ち数を誇るのは、国士13面の39枚待ちです。
余興で国士13面待ちの場合を調べてみましょう。
国士13面待ち(39枚待ち)に関して同様に
18巡ツモって何巡目までに待っている牌をツモったかを、
1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間にツモれなかった場合は、流局として記録する。
シミュレーション回数は5万回。
あがったときの点数や他家のあがりは考慮しない。
その結果をグラフにしたのが図2-1です。参考のために三面張(11枚待ち)の場合も載せておきました。
図2-1 国士13面待ちをツモっている確率と巡目の関係
国士13面が三面張を圧倒しているのがわかります。
図2-2は詳細な数字です。
図2-2 国士13面待ちと巡目の関係の詳細
配牌時に国士13面を聴牌していた場合、ツモ専でも流局率は0.05%です。
こんなので流局したら、河でタンピン三色ができてそうです。
まあ、実際に国士13面のダブリーがあったら一発で出るとは思いますが。
参照
[1]ひいい 「ひいいの麻雀研究HP」
[2]とつげき東北 「科学する麻雀」 講談社 2004年
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ただ「へぇ、そうなんだ。」という感じです。
前回はペンチャン待ちシミュレーションプログラムをちょこっといじって、2枚待ちシミュレーションプログラムにしました。
今回はペンチャン待ちシミュレーションを何回もいじって、1枚待ちから国士13面待ちまでをシミュレートしてみました。その結果を紹介しようと思います。
1.1枚待ちから8枚待ち、三面張
1~8枚待ちのそれぞれと三面待ち(つまり11枚待ち)について
18巡ツモって何巡目までに待っている牌をツモったかを、
1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間にツモれなかった場合は、流局として記録する。
シミュレーション回数は5万回。
あがったときの点数や他家のあがりは考慮しない。
その結果をグラフにしたものが図1-1です。
参考のために浮き牌が面子になっている確率も載せました。
図1-1 各待ち数での待ち牌を引いている確率と巡目の関係
ちょっと色が見にくいと思いますが、一番上の線が三面張で、0%から出発して最後の巡目に4枚待ちと同じになるのが浮き牌です。
浮き牌以外は、巡目が少ない内は直線ですが確率が増えるほど曲線になっていきます。
図1-2は各待ち数についての詳しい数字を載せた表です。
図1-2 各待ち数での待ち牌を引いている確率と巡目の関係の詳細
・待ち牌の数とツモっている確率
図1-2をよく見るとわかるのですが、待ち牌が2倍になっているからといって、待っている牌をツモる確率は2倍になっていません。
[例えば18巡目の4枚待ちと(47.622%)8枚待ち(73.448%)]
3~8枚待ちあたりだと
巡目の浅い内は、「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」と言ってもいいでしょうが
巡目が深くなると、段々「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」が成り立たなくなります。
また、1枚待ちや2枚待ちだと巡目の浅い内でさえ成り立っていません。
このことは別にシミュレートなんかしなくても、簡単な麻雀の確率計算をやったことがある人ならすぐにわかることです。
ただ、未だに「待ち牌2倍だとツモっている確率2倍」と思っている人がいるので触れておきました。
・なぜこのデータが役に立たないのか
例えば両面待ち(8枚待ち)のときに、既に他家の河に2枚待ち牌が見えているからといって、
今回のデータを使ってこれからツモれる確率を6枚待ちで計算するのは正しくありません。
なぜなら、河には牌がランダムに捨てられるのではなく、人為的に牌が捨てられているからです。
字牌、端牌は多く切られ、中張牌は少なく切られるのです。
よって、正しく牌をツモっている確率を計算するには、他家の河と山に残っている牌の関係を事前に調べておかなければいけません。
他家の河について全体的に調べた結果は報告されているのですが、[1]
http://www.ix3.jp/hiii/02mahken/2-04paikouritsu.htm
現実には巡目依存性が高いと思うので、(序盤は字牌ばかり捨てられる、終盤は中張牌もそこそこ出てくるようになる)序盤、中盤、終盤での河の研究が必要です。
河の研究が途上である現在のところ、下手に河を見るより全く河を見ない方が、むしろ牌効率は良いようです。[2]
よって現時点では多くの場合、2枚待ち、4枚待ち(ペンチャン、カンチャン、シャボなど),6枚待ち(両面と単騎の複合待ち、図1-3)
7枚待ち(変則待ち、図1-4)、8枚待ち(両面)、11枚待ち(三面張)のデータくらいしか役立たないと思います。
待ち牌
図1-3 両面と単騎待ちの複合
待ち牌
図1-4 変則7枚待ち
2.国士13面待ちの威力
麻雀において最強の待ち数を誇るのは、国士13面の39枚待ちです。
余興で国士13面待ちの場合を調べてみましょう。
国士13面待ち(39枚待ち)に関して同様に
18巡ツモって何巡目までに待っている牌をツモったかを、
1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間にツモれなかった場合は、流局として記録する。
シミュレーション回数は5万回。
あがったときの点数や他家のあがりは考慮しない。
その結果をグラフにしたのが図2-1です。参考のために三面張(11枚待ち)の場合も載せておきました。
図2-1 国士13面待ちをツモっている確率と巡目の関係
国士13面が三面張を圧倒しているのがわかります。
図2-2は詳細な数字です。
図2-2 国士13面待ちと巡目の関係の詳細
配牌時に国士13面を聴牌していた場合、ツモ専でも流局率は0.05%です。
こんなので流局したら、河でタンピン三色ができてそうです。
まあ、実際に国士13面のダブリーがあったら一発で出るとは思いますが。
参照
[1]ひいい 「ひいいの麻雀研究HP」
[2]とつげき東北 「科学する麻雀」 講談社 2004年
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