麻雀戦略調査室

麻雀戦略をデータや計算で考えます。毎週土曜更新。一部のカテゴリーについては、冒頭の目次をご利用下さい。

戦績公開

2005年12月24日 01時20分18秒 | 戦績公開
総試合数 1000半荘 (時期:2005年3月21日~9月30日、麻雀格闘倶楽部4にて) 
  1位 290回
  2位 265回  
  3位 249回  
  4位 196回
平均順位 2.351位
あがり率 23.8886% 振込み率 12.0967%
 試合内訳
半荘A1リーグ      912試合
黄龍闘技場AAA半荘  88試合

1000試合では平均順位は真の値から
95%の確率で±0.058位以内に収まります。[1]
よって、僕の実力は95%の確率で
平均順位2.293~2.409位の中にあると言えます。
最強レベルはA1中心に打った場合、2.30位を切るくらいなので
僕が最強レベルである可能性は極めて低いです。

さて、とある大黄龍(全国上位)は
麻雀格闘倶楽部(以下、MFC)シリーズ2の時点で
平均順位2.36位でした。
僕の実力も2.350位付近である可能性があるので、
時間さえかければ大黄龍になれる程度の実力だと
言えると思います。

残念ながら僕は全国最強レベルには、なれませんでした。
ただ、準最強くらいなら名乗れるかな?
僕の打ち方はこのブログに従って打っています。
なので、このブログに書く戦略は
少なくとも準最強程度は保証されていると思います。

感想
ブログに戦術を書くからには、無様な成績は残せないと
プレッシャーを感じつつ打っていました。
不調の時は、通常よりもイラつきました。
結果的に、平均順位2.30位を切れなかったのは残念ですが
2.351位だったことには満足しています。
あと、一番嬉しいのはラス率2割り切りです。
「負けない打ち手」に憧れていたので。
多分、素直なベタオリが効いたと思います。

今後は平均順位2.30位を切るくらいかつ
トップ率3割オーバーの実力を
目指したいです。


 100戦レベルでの戦績
合計1000試合の中から、約100戦ごとに区切った戦績を
示したのが下の図1、図2、図3、図4です。

    図1 約100戦ごとの戦績


  図2 約100戦ごとの各順位率のグラフ


  図3 約100戦ごとの平均順位のグラフ


  図4 約100戦ごとのあがり率と振込み率のグラフ

平均順位は100戦単位だと調子の良し悪しで
2.351位から±0.18位くらい変動しています。
これは統計学的な計算に一致します。[1]
よって、他の100戦ごとのデータも
普遍的な推移なんだと思います。

参考文献
[1]とつげき東北 「科学する麻雀」 2004年 講談社

目標設定

2005年12月17日 07時49分00秒 | 戦績公開
ここで、ブロガーの戦績を公開したいと思います。
ただ、その前に…

1.麻雀を打つ動機
最強の戦略を知りたいから

この一点です。
僕が麻雀を打つのはこれのためです。
(賭け事としての麻雀には興味ありません。)


2.目的設定
では、「最強」かどうか試すには何が必要でしょうか?
僕は以下の三点だと考えています。

・一般的なルールの下で打つ
・強い相手と対戦する
・「最強」の定義とは何か、はっきりさせる

2.1. 一般的なルールの下で打つ
古いルールやマイナーなルールの下で
勝っても仕方ありません。
今風でメジャーなルールで打てるところを
選ぶ必要があります。
そこで、食いタンあり赤ありで
登録会員が多い(その分強い人が多くなる)
麻雀格闘倶楽部(以下、MFC)を選びました。

2.2. 強い相手と対戦する
MFCには、東風戦、半荘戦、トーナメントなど
いくつかのゲームモードがあります。
では、MFCの中で最もレベルの高いモードは
一体どこでしょうか?

それは黄龍が一番多いところです。
黄龍というのは、MFCで最上位の段位です。
とはいえ、理論的には平均順位が2.50位よりよければ
誰でも黄龍になれるので、「黄龍=最強レベル」とは言えません。
(実際、ヘボ黄龍はいます。かつての僕もそうでした。)
しかし、

黄龍全体の平均レベル>黄龍未満の段位全体の平均レベル

であることは確実なので、
黄龍が一番多いゲームモードを選ぶ必要があります。
そこで、黄龍との対戦確率が最も高いと思われる
半荘A1リーグと黄龍闘技場AAAのみで闘牌しました。


 <MFCを知らない人への補足>
MFCの詳細についてはこちらをご覧下さい。
MFC公式HP
また、細かいルールや段位システム、
ゲームモードの説明についてはこちらをご覧下さい。
MFC公式HP・ゲーム説明

 <半A1のレベルについて補足>
半A1が「MFCの中では」最も高いレベルにあることは
確かだと思いますが、麻雀を打つ場としてのレベルが
どれくらいなのかは、はっきりわかりません。
リーグは7段階の階層に分かれていて、A1はその最上位ですが
弱くても金と時間をかければ、A1まで来られるシステムになっているので
たまーに初心者と同卓することもあります。
なので、多分東風荘の超ランなんかよりは
対戦者集団のレベルが落ちるのではないかと考えています。
(東風荘をやったことがないので、わかりませんが。)

2.3. 「最強」の定義とは何か
次にどのような成績ならば、最強レベルと呼べるか
はっきりさせたいと思います。

去年、MFC上位の人たちがオフ会で集まったことがあるそうです。
そこで、成績の見せ合いをしたそうです。
MFC上位である大黄龍たちは、普段A1リーグを中心に打っています。
このようなそれなりの質の対戦者を相手に打って、
平均順位2.3位以上が普通だったようです。
ところが、全国1位の黄龍神だけは
平均順位2.28か2.29くらいで、
たった一人2.30位を切っていたそうです。

黄龍神は2位以下にぶっちぎりで差をつけていますので
恐らく全国最強レベルにあると思われます。

このことから、最強レベルを次のように定義し
これを目標としました。

「MFCの半A1と黄龍闘技場AAAのみで打ったとき
 平均順位2.30位を切るレベルのこと」


 <MFCを知らない人への補足>
MFCでは一戦ごとに勝つと(負けると)
オーブを規定数得る(失う)という
システムになっています。
MFCのランキングは「何個オーブを持っているか」で決まるので、
試合数に左右されます。
なので、MFC上位に入れるかは
単に強いだけでなく、試合数にも大きく依ります。
よって、MFC上位だからといって
最強レベルだとは限らないし、
MFCでのランキングの低い人が弱いとも
限らないわけです。
もっとも、全国100位以内の大黄龍に食い込むくらいの人たちは
ある程度実力者だろうとは思いますけど。


次回は戦績公開です。

ツモ山読みの効果 その3

2005年12月10日 21時07分32秒 | 麻雀戦略
「第一打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」
というセオリーについて検証してきました。
しかし、実際にはこのセオリーが単独で使われるのではなく
他のセオリーと複合して使われるようです。

ケース1
「2(8)を河に出している人は5を持っている可能性が高い」というセオリーと複合

他家3人が二萬を1枚ずつ捨てている。
一方、他家3人が「第一打が9筒でしばらく字牌切りが続いていて、8筒を持っていない」。
つまり、山には二-五萬が薄く、8筒が残っている。
よって、
 を残し、   を嫌う

ケース2
「手出し5の後に手出し1は、2を固めて持っている」というセオリーとの複合

他家一人が手出し五萬の後に手出し一萬だった。
一方、他家3人が「第一打が9筒でしばらく字牌切りが続いていて、8筒を持っていない」。
つまり、山には二-五萬が薄く、8筒が残っている。
よって、
 を残し、   を嫌う


まず、各ケースで使われたせセオリーの根拠を書きますと、
 「2(8)を河に出している人は5を持っている可能性が高い」というセオリー 
 と持っているときにを引いた場合、
 を手牌に入れて  を捨てるから。
(五萬を捨ててしまうと、リーチ時に八萬を勝負されてしまうため。)

 「手出し5の後に手出し1は、2を固めて持っている」というセオリーとの複合
 と持っている場合、
まず手出しで を捨て、その後が雀頭や暗刻になるなどして  が捨てられるから。

でも、上記に書いた根拠は100%じゃありませんよね。
「2(8)を河に出している人は5を持っている可能性が高い」というセオリーも、
5を持っていなくても、2が浮いていたら切ることはあります。
「手出し5の後に手出し1は、2を固めて持っている」というセオリーにしても
 という形なら、 を固めて持っているとは言えませんし、
5が1より先に切られたのは、5より1の方が安全だからなのかもしれません。

ケース1やケース2のように主張するには、
「2(8)を河に出している人は5を持っている可能性が高い」
「手出し5の後に手出し1は、2を固めて持っている」
といったことを定量化しなければいけません。
例えば、「2を河に出している人は、5を平均1.3枚持っている」とわかれば
「第一打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」の
計算結果と照らし合わせて、比較することができます。
「2を河に出している人は、平均して何枚5を持っているか?」や
「手出し5の後に手出し1の場合は、平均して何枚2を持っているか?」は
ネット上に落ちている東風荘の牌譜を、
CPUで検索してやればわかる可能性があります。
僕個人としても、有効なコード記述を思いつけば
やってみたいと考えています。

とにかく、現時点ではケース1やケース2が正しいかを
判別することができません。
問題なのは、定量化しないとわからないことを
さもわかっているかのように言う麻雀界です。

定量化の進んでない分野では
魑魅魍魎な世界になり、でたらめが飛び交うのが常ですが、
麻雀界は特にひどいと思います。
「有名な人が言うから正しいのだろう。」という
態度は改めなければいけません。
自分で検証する習慣が大切だと思います。


まとめ
「第一打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」というセオリーと
他のセオリーを複合するならば、
他のセオリーも完全に定量化されなければいけない。



最後に
今まで、「他家3人が持っていない」という場合に関して議論してきましたが
「他家2人が持っていない(もう1人は持っているか不明)」
「他家1人が持っていない(もう2人は持っているか不明)」
の場合についての計算結果を、図1-1に示します。

 図1-1 ツモる確率の「持っていない他家の人数」依存性

枚数が多いほど、何人の他家が持っていないかが効いてきます。
また、1人不持程度では、たいして確率が変動しないのがわかります。
やはり、ツモ山を気にするくらいなら
自分の手牌を見て、三色などを見逃さないよう注意した方がよいでしょう。


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ツモ山読みの効果 その2

2005年12月03日 13時17分04秒 | 麻雀戦略
1.序論
前回は

 普通の両面、8枚待ち
  >確実に山に残っているカンチャン、4枚待ち

という結論を導きました。
それでは、「確実に山に残っている」というのは
「他家が持っているかも」というのに対して
どの程度有利なんでしょうか?
例えば「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」より
「山に残ってる5枚待ち」の方が有利?
それとも、「山に残ってる6枚待ち」や「山に残ってる7枚待ち」でさえ
「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」には勝てない?

計算してみましょう。


2.方法
「他家が持っているかもしれないn枚待ち」と
「確実に山に残っているn枚待ち」で
残り16巡以内に、少なくとも1枚はツモる確率を計算する。
但し、1≦n≦8


3.結果
「他家が持っているかもしれないn枚待ち」と
「確実に山に残っているn枚待ち」の
残り16巡以内に、少なくとも1枚はツモる確率を
計算した結果が図3-1です。
計算するときの考え方は「ツモ山読みの効果 その1」と同じです。


 図3-1 それぞれの場合での16巡内にツモる確率

図3-1から、例えば
「他家が持ってるかもしれない8枚待ち」(71.41%)は
「確実に山に残っている5枚待ち」(70.99%)よりは有利ですが、
「確実に山に残っている6枚待ち」(77.62%)には負けることが
わかります。
同様にして図3-1を見ていくと、以下のことがいえます。

(1)n=6、7、8
 「山にあるn-2枚待ち」
>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」
>「山にあるn-3枚待ち」

(2)n=1、2、3、4、5
 「山にあるn-1枚待ち」
>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」
>「山にあるn-2枚待ち」

(1)、(2)から
「ツモ山に確実に残っている」というのは
「他家が持っているかもしれない」ときに比べて、
待ち牌1、2枚分の効果しかないということがわかります。
しかも、待ち牌1、2枚差では
その効果でさえきわめて微小です。

また、現実には「ツモ山に残っている」と
100%正確に読むことはできません。
例えば、「第1打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」
という読みも100%当たるわけではありません。
極端な話、図3-2の配牌なら八万を持っていても
第1打に九万を選ぶ人は多いと思います。

  ドラ
  図3-2 北より九万を切り得る配牌

本来、今回のお話は
「第1打が9で以降字牌切りが続くとき、8を持っていない」が
成り立つ確率を考慮したうえで、考察しなければいけないのです。
この確率を考慮すると、少なくとも
「他家が持ってるかもしれない6枚待ち」(60.53%)と
「確実に山にある4枚待ち」(62.55%)の関係あたりは
逆転するんじゃないでしょうか?

このように「ツモ山にある確実に山にある」という効果は
大きくないうえに、
「ツモ山にある」という読みの精度が
きちんとわかっていないので、
牌効率上、ツモ山を気にするのは意味がないと思います。
その分のエネルギーを
しっかり自分の手牌を把握して打つ方に費やす方が
よいと思います。


4.まとめ
(1)n=6、7、8
 「山にあるn-2枚待ち」
>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」
>「山にあるn-3枚待ち」

(2)n=1、2、3、4、5
 「山にあるn-1枚待ち」
>「他家が持っているかもしれないn枚待ち」
>「山にあるn-2枚待ち」

ただし、効果は微小

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