麻雀戦略調査室

麻雀戦略をデータや計算で考えます。毎週土曜更新。一部のカテゴリーについては、冒頭の目次をご利用下さい。

ペンチャンvs浮き牌 その2

2005年10月22日 23時38分00秒 | 麻雀戦略
1.序論
     ドラ
                      図1-1 トイツ3つの手牌

 
 さて、何を切りますか?
 図1-1には、7索、1筒、西(客風)の3種類のトイツがあります。
聴牌まで突き進む際、2トイツは実質4枚の受け入れが残ります。
しかし、3トイツになると6枚の受け入れで1面子、その後の4枚の受け入れで2面子となり、
これはカンチャン2つより効率が悪いです。[1]
よって、面前で手を進めるなら3つ目のトイツをほぐすことを考えたほうが良さそうです。
そう考えると、図1-1ではシュンツにならない「西」を切るのが最善な気がしてきます。
 ところが、例えば残り巡目があと2巡しかないなら、6筒を切らなければあがれません。
次巡の受け入れ枚数を考えるなら、6筒が一番多いのです。

 ここで、2つの選択肢が出てきます。
1.西切り  西2枚分の受け入れは減るけど、最終的には一番早くあがれそう。
2.6筒切り 目の前の西2枚分の受け入れは大事。
       「ペンチャンvs浮き牌 その1」で見たように、浮き牌が面子になるのは意外と遅い。

 そこで、次のようなプログラムを組んでまたシミュレートしてみましょう。
また、1からプログラムを組むのはめんどくさい?大丈夫です。
実はこれ、「ペンチャンvs浮き牌 その1」で使ったプログラムを1文字変えるだけで、できてしまうのです。


2.方法
図1-1で西切りと6筒切りのどちらが早く1面子を作れるかを考える。
鳴きや七対子は考えない。
あがり点数は考えない。
他家のあがりは考えない。

1.西切り すなわち、浮き牌残し
 「ペンチャンvs浮き牌 その1」のBの結果と同じ
2.6筒切り
 西2枚の受け入れの速さを考える。
 「ペンチャンvs浮き牌 その1」のAでは、ペンチャンの三万待ちをシミュレートした。
これは、受け入れ4枚を何巡目までにツモるかというプログラムであった。
今回は「ペンチャンvs浮き牌 その1」のAのプログラムの受け入れを2枚と変えて、シミュレートを行う。

つまり、以下のプログラムによるシミュレーションをそれぞれ5万回行った。

A'.受け入れ数2枚(西2枚待ち)
18巡ツモって何巡目までに西をツモったかを、1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間にツモれなかった場合は、流局として記録する。

B.浮き牌(「ペンチャンvs浮き牌 その1」のBと同一) 
 18巡ツモって何巡目までに6筒から面子になったかを、1回のシミュレーションにつき1回記録した。
18巡の間に面子にならなかった場合は、流局として記録する。
手変わりは考慮する。
(4筒をツモったあとに3筒をツモり両面待ちになり、2筒をツモった場合なども考える。)
暗刻になる可能性は考慮しない。
また、他家のあがりは考えないものとする。


3.結果
図3-1はA'、Bそれぞれで何順目までに面子ができたのかをグラフ化したものです。

図3-1 西2枚待ちと浮き牌の巡目ごとの面子ができている確率
1巡目に上の線(黒)が西2枚待ち 1巡目に下の線(赤)が浮き牌

詳しい数値を表にしたものが、下の図3-2です。


図3-2 西2枚待ちと浮き牌の巡目ごとの面子ができている確率詳細

 7巡目までは西2枚待ちが有利ですが、8巡目で逆転します。
「7巡目まで西2枚待ち、8巡目以降は浮き牌」という結果を実戦でどう生かせばよいのかは、
今後調査していかなければいけません。
ただとりあえず確実に言えるのは、残りツモ回数があと7回以内なら
西を残して6筒を切ったほうがよいということです。

4.まとめ
7巡目以内なら2枚待ちの方が面子になりやすい。
8巡目以降なら浮き牌の方が面子になりやすい。

参照
[1]とつげき東北 「科学する麻雀」 講談社 2004年

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