無題

おじさんの悟り
おばさんの悟り
自分だけは特別という経験

矛盾
お互い様
罪悪感

そしていつか旅に出よう
自家用ジェットで
外国に行くように

汚いのか綺麗なのか
わからなかったものがわかる瞬間を
ゆっくりと過ごすリゾート

不公平な現実というカクテルが
細長いグラスに注がれて
悪酔いするまで

今を生きるという地獄の底で
灰色の空を眺めて
人生は不思議と呟く

無題

暗い気持ちが
もっと暗い気持ちに
重い体が
もっと重い体に

救いのない時間
早く
早く
早く

一瞬で
飛び散りたい
あなたの目には
見えなくていい

誰の目にも
見えなくていい

はじめからいないみたいにいる

私の目には
私が見えるのに

こんなにはっきりと
望みのなさがわかる

すごく細かく

無題

時間を
巻き戻して
罪の無い
時代に
返して欲しい
この世で
息もしない
細胞もない
私のまま
すべてを知っていたら
一度も息をしないまま
光も影も無く
ひとつの気持ちで
息を止めるまで
存在しないものに
なれるはず
在るはずもない
痛みが
覆い尽くす
今を
どうか早く
消し去って

滅びよう みんなで

滅びよう みんなで
そんな感じで 今 ここで
君を待って
お茶を待って
終わる為の
何かを 待ってる

無料のまま
いることもできなかった

犠牲を払った

犠牲を払ったのに
この程度だった

見下されて
不安のまま
意識が完全に消えるまで
悪夢のまま 存在しよう

みんなで

無能

能力の高さを
幼少時に
生き延びることだけに
使い果たした
抜け殻
今はもう疲れはてて
動けない
社会に適応できないまま
もう一回起き上がらないと
死ぬこともできない
そのためのエネルギーが
どこに在るんだか
神も薬も原始時代で