エンパワーメント・カウンセリング＆コーチングの７つのステップ

エンパワーメント・カウンセリング＆コーチング
　　　　　　　　　　　　　　　
１．カウンセリングとコーチング
　カウンセリングといえば一般的に人間の負の部分にスポットを当てた治療や心の悩みが重視されていますが、エンパワーメント・カウンセリング＆コーチングは治療ではなく教育・開発的なカウンセリングを目的としています。
またコーチングは目標達成に視点がいきがちですが、本来は、「個人が持つ潜在能力や可能性を最大限に引き出すための手法」でした。教育・開発的カウンセリングと目指すところは同じといえます。ここではカウンセリングとコーチングの相違点を人間の「内面（パーソナリティーや感情など）」それとも「行動面」どちらに重きを置いているか等、下図のような違いがあるとらえています。
　しかし「内なる力を引き出し、自己を実現しようとする力」すなわち人間力を育てるためには人間の内面や行動面のどちらかではなく両方が大切であるとの考え方に立っています。

カウンセリングとコーチングの違い
１）支援の視点
【カウンセリング】
主に感情やパーソナリティー　支援の内容は来談者の気持ちや感情ならびにパーソナリティー等を共感的に理解したり受容していきます。
【コーチング】
主に行動　支援の内容は来談者の行動面で目標達成行動や問題発見、問題解決行動等があります。
２）時間的視点
【カウンセリング】
過去から現在（将来）　過去に経験した感情やとらわれているパーソナリティーから現在の感情やパーソナリティーに視点を当てます。自己成長を目的とした場合は将来まで時間的視点を伸ばします。
【コーチング】
将来から現在　将来何の目標を達成したいかそのためには何をしなければならないのか。　また現在どのような潜在的な問題があるのかそのためには何をしなければならないのかといった将来から現在、現在から将来に向けた時間軸に視点を当てます。
３）支援スキル
【カウンセリング】
主に傾聴スキル　カウンセリングは来談者の気持ちや感情そして気になるパーソナリティーに触れますのです支援者としては傾聴スキルが特に求められます。
【コーチング】
主に質問スキル　コーチングは来談者の行動に触れますが、行動するに当たっての考え方や思考への支援が大きな課題になってきます。よって来談者の考えか方や思考を整理していくための質問スキルが特に求められます。
４）支援モデル
【カウンセリング】
主体性を高めるプロセスモデルはイタリアのロベルト・アサジオリのサイコ・シンセシスの自己実現のプロセスにベースに支援していきます。　
【コーチング】
目標達成行動モデル　一般的にはＧＲＯＷ（Ｇｏａｌ，Ｒｅａｌｉｔｙ，Ｏｐｔｉｏｎ，Ｗｈａｔ／Ｗｉｌｌ）や問題解決モデルをベースに支援してきます。


２．エンパワーメント・カウンセリング＆コーチングの進め方
エンパワーメント・カウンセリング＆コーチングは下記のように７つのステップで展開していきます。
ステップ１　目標の設定（エンパワーメント・カウンセリング＆コーチングの目的）
　一般的にはライフサイクル上の課題や所属している組織の期待が人間力を高める課題となる場合が多いようです。
ステップ２　自分の内面（パーソナリティー）を知る
　SPトランプによる自己理解。自分にピッタリするSPトランプを１０枚選んだりピッタリくるように配置することにより内面を理解する。
ステップ３　他者から見た印象を知る
　個別セッションの場合はカウンセラーからのフィードバック、グループセッションの場合は他のメンバーから見た印象をＳＰトランプを使ってフィードバックします。
ステップ４　行動特性を知る
　SPのマークや数字の傾向から行動特性を知る。行動特性には強み・弱み、人間関係、仕事の進め方、コミュニケーションなどがあります。
ステップ５　目標に影響を与えるＳＰを知る
　ステップ１の課題にプラス・マイナスに働くSPの理解と受容。
ステップ６　活用・育成したいＳＰを知る
　ステップ５の活用したいＳＰと今後育成したい望ましいＳＰを知る
ステップ７　SPの実践活用と育成
　ステップ６の活用したい育成したいＳＰの育成計画と具体的活用の実践。