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Paris, Texas: パリ、テキサス

2011-01-15 | 映画
パリ、テキサス デジタルニューマスター版 [DVD]

東北新社

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 放心したように砂漠を放浪する男トラヴィス。やがて弟に引き取られ、4年前に別れ弟の下で育てられていた息子と再会する。ぎこちないやり取りの中からやがて親子の絆を取り戻し、息子と二人で別れた妻を探す旅に出る。
 物語、映像、音楽が絶妙の調和を見せる傑作。主人公が言葉を取り戻すまでの前半は物語的にはスローテンポなものの、映像の美しさに魅入られている内に後半に入り、物語が大きく展開して行く。登場人物それぞれの関係を繊細に描く物語が、絵葉書のように美しい映像で映し出されていき、背景にRy Cooderの哀愁漂うギターがこれ以上ないタイミングで流れる。絶頂期のナスターシャ・キンスキー美しさや、7歳の少年の愛らしさ、主人公のいかにも不器用な雰囲気も見るものを効果的に物語に引き込んでいく。愛情に溢れつつも甘すぎないラストも本作の登場人物に相応しい。映像の美しさも相俟っていつも手元に置いておきたいと思える作品。

コバルトブルーのパンフレット / 赤川次郎

2011-01-09 | 
コバルトブルーのパンフレット―杉原爽香三十七歳の夏 (光文社文庫)
赤川次郎
光文社


 杉原爽香シリーズ、今年の新作。中高生の頃に読み漁っていた著者の作品も最近は縁遠くなっているが、本作は連作というころもあり何となく今でも読んでいる。著者のサービス精神なのか、過去の登場人物がちょこちょこと再登場するので、最近は群像劇風になってきており、物語の中心になる事件が薄くなっている感じもある。それでも、登場人物のそれぞれはキャラが立っているし、時事に合わせたテーマを少しずつ取り込んで行く巧さはあり、軽く読めることもあって年1回の再会を楽しむ分には差し支えない。

Short Stories for Dreamers / Jesper Bodilsen

2011-01-04 | 音楽
Short Stories for Dreamers
クリエーター情報なし
Stunt


 今年初めて購入した作品。ジャケ写の雰囲気と方々のBlogでの紹介をで試聴もせず直感で手に入れてみたが、大正解。ジャケットの雰囲気そのままの夕暮れのような淡いトーンながら心に沁みる佳曲揃いである。リーダーがベーシストでサポートがギター、トランペット、ビブラフォンという珍しい編成も、独特の世界を醸し出すのに一役かっている。ギターがお気に入りのUlf Wakenius というのも大きい。思えば、Jesper Bodilsenというベーシスト、Stefano Bollani のトリオで数枚聞いたことがあり、その時も結構気に入っていた気がするが、名前までは覚えていなかった。不明を恥じるばかりであるが、直感に導かれて本作を手に入れるに至って良かった。哀愁を感じさせつつも暖かいこの雰囲気、暫くは愛聴盤になりそうである。

Jesper Bodilsen (b)
Ulf Wakenius (g)
Peter Asplund (tp, flh)
Severi Pyysalo (vib, melodica)

1. Caetano
2. One Of A Kind
3. Song For Her Being Here
4. Barcelona
5. Moon River
6. Marie
7. Estate
8. Pigen Der Floj (The Girl That Used To Fly)
9. A New Day