あ/た/ま

聴く読む観る買うの備忘録

夜の桃/ 石田衣良

2009-01-18 | 
夜の桃
石田衣良
新潮社

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著者はIWGPシリーズに代表されるいつもの作風を超えて、新しい表現手法に取り組もうとしているのだろう。本作では官能の世界を描くことをテーマとしているのか、大半が行為そのものの描写に費やされている。相対的に、ストーリーとしてのプロットや登場人物の心象風景の描写は薄くなっている。それでも読み手を最後まで引っ張り、物語としての落ちをつけるのは流石ではあるが、ページを捲る手がもどかしい感じはいつも程ではない。こうした取り組みを繰り返す中で手法として消化され、いつか物語の中で生かされて行くことを期待したい。

Norwegian Song / Dag Arnesen

2009-01-18 | 音楽

Norwegian Song / Dag Arnesen

ノルウェイに伝わる伝統音楽をJazzアレンジにしたアルバム。シンプルで郷愁を誘うような優しいメロディが心地よい。Dag Arnesenの演奏も柔らかなタッチの落ち着いたもので、曲の雰囲気にぴったり。あまりの心地よさにただ座って聴いているとウトウトしてしまう。一日の最後にのんびりと耳を傾けるのに最適。かといって単調で退屈かというとそうでもなく、繰り返し聞いても飽きが来ないのが素晴らしいところ。一聴すると、優しいピアノのタッチが印象的だが、何気なく存在を感じさせるベース/ドラムが効いている。特にベースは気に入った。

Dag Arnesen (piano), Terje Gewelt (bass), Pal Thowsen (drums)

1 By The Rondane Mountains
2 Oh,Ole,Ole,I Loved You Dearly
3 Margit Hjukse
4 Arietta
5 I See Your Shadow Yonder
6 Aagot's Mountain Song
7 Havar Hedde
8 Gjendine's Lullaby
9 Norergian Valley Song
10 Falkvor Lamansson
11 The Chalet Girl's Sunday


Awake/ Miguel Zenon

2009-01-17 | 音楽
Awake

Marsalis Music

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ジャケットの雰囲気になんとなく惹かれて購入。音数が多くなっても熱くなりすぎない感じが好印象。音色には艶があり、聞き込んでも飽きが来ない。本人のアルトサックスが常に全面に出ており、終始その美しい音色は楽しめるが、ややバラエティには欠けるか。

Miguel Zenon (as),
Luis Perdomo (p,rhodes),
Hans Glawischnig (b),
Henry Cole (ds),
Judith Insell (vla on #1,8),
Orlando Wells (vln on #1,8),
Marlene Rice (vln on #1,8),
Nioka Worman (cello on #1,8)
Tony Malaby (ts on #6)
Michael Rodriguez (tp on #6)
Ben Gerstein (tb on #6)

01. Awakening Prelude
02. camaron
03. Penta
04. Missing piece
05. Ulysses in Slow Motion
06. Awakening Interlude
07. Santo
08. Lamamilla
09. Third Dimension
10. Awakening Postlude

Pasodoble/ Lars Danielsson & Leszek Mozdzer

2009-01-12 | 音楽
Pasodoble

Act

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ピアノとベースのデュオ。ピアニストのLeszek Mozdzer は Pat Metheny & Anna Maria Jopek の Upojenie を聴いた時から気になっていた。今回はデュオということもあり、あの冷たくも艶のあるピアノの音色が存分に楽しめる。ソロやデュオはやりようによっては冗長になりかねないところだが、美しいメロディと全体に漂う緊張感のおかげで全く飽きずに楽しめる。この二人にドラムを加えてたトリオ構成で何枚かアルバムを出しているようだが、手に入りにくいのが残念(現在予約入荷待×2)。また、iTunes Music Store で彼らのライブ音源が配信されており、こちらも素晴らしい。

Lars Danielsson (b, cello),
Leszek Mozdzer (p, celesta, harmonium)

01. Praying
02. Fellow
03. Entrance
04. Prado
05. Pasodoble
06. Daughter's Joy
07. It's Easy With You
08. Hydrospeed
09. Reminder
10. Innocence 91
11. Follow My Backlights
12. Eja Mitt Hjarta
13. Berlin
14. Distances

To All of You/ Malene Mortensen

2009-01-12 | 音楽
Malene to All of You

Ilk

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前作"Malene"を気に入って結構繰り返し聞いていたし、彼女の甘すぎない声が好きだったので、あの声でクリスマス・ソング歌うとどんな雰囲気かな?と購入。クリスマスアルバムは制約があるせいか、オリジナリティを出すのが難しいが、本作の場合は彼女の声のおかげで甘さ控えめなのが特徴か。アレンジもHoliday感抑え目で良く合っている。#12"Last Christmas"をクールな感じに歌っているのが印象的。

01. I've Got My Love to Keep Me Warm
02. Driving Home For Christmas
03. Once upon a Christmas song
04. Silent Night
05. Winter Wonderland
06. Christmas Waltz
07. Jingle Bells Rock
08. This Christmas
09. We've Only Just Begun
10. Santa Claus Is Coming To Town
11. Christmas Song
12. Last Christmas
13. Warm December
14. Let It Snow
15. Maria gennem torne gar

Season of Changes/ Brian Blade & The Fellowship

2009-01-11 | 音楽
Season of Changes

Verve

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年末まとめ買いの1枚。HMVのセールお買い得リストを眺めていたら昨年木になりつつも見送った本盤を発見して即購入。私も非常に気に入っているこのジャケットがアルバムの雰囲気を良く表している。音数もそれなりに多いのに穏やかな雰囲気があり、聞き流すこともできるがしみじみと心に残る。一聴きでビビっと来るというのとは違うが、聴くごとに味わいを増しており、いずれ愛聴盤になる予感がする。特に今のような冬枯れの季節にぴったりの1枚。

Brian Blade (ds),
Jon Cowherd (p),
Kurt Rosenwinkel (g),
Myron Walden (as, bcl),
Melvin Butler (ts),
Chris Thomas (b)

1.Rubylou's Lullaby
2.Return Of The Prodigal Son
3.Stoner Hill
4.Season Of Changes
5.Most Precious One
6.Most Precious One (Prodigy)
7.Improvisation
8.Alpha And Omega
9.Omn

Akiko/ 矢野顕子

2009-01-11 | 音楽
akiko-Complete Box-(初回限定盤DVD付)

ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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良さそうだなと思いつつタイミングを逃して手に入れてなかったが、年末にまとめて購入。Disc1のみのバージョンとどちらにするか迷ったが、後で欲しくなるのは目に見えていたのでフルセットのこちら(↑)を購入。結果としては正解であった。彼女の作品は日本語/英語どちらもいいのだが、今回は比較的英語の方がしっくりいってる気がするし、どちらが好きでも2度楽しめる。彼女の歌声を生かしたシンプルなアレンジで力強い音作りで、プロデューサーとの相性もいい感じだ。弾き語りからファンになった私としてはもう少し彼女のピアノも聴きたかった気もするがこれもまた良し。

1-01. When I Die
1-02. Evacuation Plan
1-03. The Long Time Now
1-04. Song For The Sun
1-05. Whole Lotta Love
1-06. しまった
1-07. いい子だね
1-08. People Are Strange
1-09. The Wall
1-10. 変わるし

2-01. When I Die
2-02. Evacuation Plan -English version-
2-03. The Long Time Now
2-04. Song For The Sun -English version-
2-05. Whole Lotta Love
2-06. Missing And Dropping
2-07. Good Girl
2-08. People Are Strange
2-09. The Wall -English version-
2-10. Nothing Ever Stays The Same


Disc1のみの別バージョン(こっちが通常か)もある。

akiko

ヤマハミュージックコミュニケーションズ

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NOWADAYS/ 吉田美奈子 & 渡辺香津美

2009-01-11 | 音楽
nowadays
渡辺香津美
ewe records

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年末に紅白を見ながら、昨年買い逃していたアルバムを何枚か注文した内の1枚。邦版なのでレンタルされるかとしばらく様子を見ていたのだが結局TUTAYAに並ぶことなく聞けないままになっていた。いざ手に入れて聞いてみると早く買っておけば良かったと思わずいられない。歌とギターのみのシンプルな構成だが、ベテラン二人の競演だけに十分過ぎるほど濃密である。録音が良いこともあり、シンプル故に鮮烈な印象を残す。日本にもこうした仕事のできるベテランアーティストががいて良かったと思える1枚。

吉田美奈子 (vo),
渡辺香津美 (g)

01. Light My Fire
02. Sophisticated Lady
03. Opus de Funkオパス・デ・ファンク
04. Eleanor Rigby
05. Both Sides Now
06. El Noi De La Mare
07. Come Sunday
08. I Wish You Love
09. Mood Indigo
10. Goodbye Pork Pie Hat
11. Lush Life

号泣する準備はできていた / 江國香織

2009-01-10 | 
号泣する準備はできていた
江國香織
新潮社

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彼女は、思い通りにいかないことや、複雑な感情など、コンフリクトを抱えながらも、それを受け入れて日常を過ごしていく人々を美しい文章で丁寧に描くのが本当に上手い。本書もそうした生活を切り取った短編集である。手に取れば、いつもの「江國香織的空間」に身を置くことが出来る。彼女が直木賞に値する作家であることは私も全く異論がないし、受賞が遅すぎる位だと思うが、他にも素晴らしい作品が沢山ある中で本作が受賞作になったことは少々意外な気がした。

最近は文庫にもなっているようだ。

号泣する準備はできていた (新潮文庫)
江國香織
新潮社

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[Lust]/ Rei Harakami

2009-01-10 | 音楽
Lust
Rei Harakami
ミュージックマイン

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矢野顕子目当てに聞いたyanokamiで存在を知り、「天然コケッコー」を観た時もサントラが耳に残っていた。マイナーなアーティストなのかな、と思ったいたら、TUTAYAで3枚程置いてあるのを発見してレンタル。電子音なのに癒される独特の感じは相変わらず。一度聞くと癖になり、ふとした時にボーっと聞いていたくなる。