三平の酒飲み日記

「酒は純米、燗ならなお良し」をモットーに毎日燗酒を飲む酒屋の店主の酒飲み日記

ハイエナの遠吠え

2008-02-29 22:43:14 | Weblog
酒井順子さんのベストセラー「負け犬の遠吠え」によれば、30歳過ぎて独身の女性は「負け犬」なのだそうだが、あたしは、タオ君によれば「ハイエナ1号」なのだそうだ。

その、命名してくれたタオ君からメールが届いていた。
「5ケース(つまり30本)までにしてください」
・・・Oh,my,God!
とは言わないさ。あたしゃクリスチャンじゃないし。

と思っていた時だった。
「お荷物届いてま~す」
と、いつも元気の良いドライバーさんが荷物を持って来てくれた。
送り主は、と見たら・・・タオ君の蔵じゃないか。
さっそく梱包を解いてみたら、なんと!
ハイエナが思わずガルルル!!!
と言いたくなるような、「天穏 純米にごり」のサンプルじゃ、あ~りませんか!

え~、さっそく味見させていただきました。
もちろん、仕事を終えて、風呂に入って、さっぱりしてからですが。
天穏のおやっさんだから、まず間違いないとは思うけど、でも、どうなっているんだろ
シャープな切れ味になっているのかな?
それとも、まったりとした旨味のあるタイプかな?
予想としては、切れ味鋭く、でも、今の時点では、まだまだ味は乗り切っていないけど、夏の土曜が過ぎた頃には、ん~マンダム! と良いたくなるような予感を感じさせる味わい。
ということは、今、このタイミングで出荷しちゃ、いかんぜよ!
ってな味わいなか?
との予想。

が、半分は外れ。半分は当たり。だと思います。
初日だからと、とりあえずはお猪口一杯を冷やのまま。
えっ? なんか、とってもまろやかなんですが、これ。
と思ったら、うっ、シッブ~・・・な味わいを舌に感じる。
で、試しに上澄みだけを飲んでみたら、見事にシブイっす。

常温放置すれば、一週間前後で冷やもお燗も楽しめるようになるかな、これは。

だから・・・

もうちょっと欲しいんすけど!

VIVA! 鳥取 その5 (その他の写真はこちらまで)

2008-02-25 20:27:05 | Weblog
Flickrという米Yahooがやっている、写真投稿サイトのようなもの。
ブログ機能もあるし、他の人のコメントももらえるようだけど、全部英語なので、とりあえず写真だけアップしてあります。
今回の鳥取行の写真を見たい方はこちらをご覧下さい。

      ↓

http://www.flickr.com/photos/24098770@N06/

VIVA! 鳥取 その4 (リベンジ賀露港)

2008-02-25 19:51:26 | Weblog
さて、二日目は山根酒造さんへ。
朝、山根社長が駅前のホテルまで迎えに来てくれた。
青谷まで迎えに来ていただけばイイっすよ、と言ったら、いや今、市内に住んでいて、蔵まで出勤しますから、ホテルまで行きますよ、ということでお言葉に甘えてしまった。

今年は、例の内田農園さんの強力で生もとを造ったらしいが、残念ながらまだ搾られていなかった。
が、他の強力の純米や山田錦、玉栄の純米吟醸を試飲させていただくが、はっきり言って、どれもこれもシッブ~ッ!!
特に温度が低い時には味は出てこないけれど、それでもシッブ~
こりゃ、熟成を待つしかないかな。
でも、こういうのが、熟成してきた時の、特にお燗にした時の旨さは抜群だからね。

じゃ、お昼でも、ってことで山根社長の知っている、賀露港にある食堂に入る。
ここは前回、飛行機が飛ばずに予定を延ばして一泊した翌朝、みんなで行ったことがあるが、その時は、な~んにもなかった。
というか、知らずに行ったのがいけないんだろうけど、月曜日の朝っぱらじゃ、そりゃ何も無いわな。
時化の後で、船も出なかっただろうし・・・

で、今回の食堂。前回あたしらが行ったすぐそば。ここに、こんなお店があったなんて・・・
「ここは、地元の人間しか来ないですから。」
そういうところを期待していたんです~!
「けっこうボリュームありますから」との山根社長の言葉通り、1500円の定食には、
カレイの煮付け、酢の物、刺身、魚の半身の唐揚げ、野菜の煮付け,蟹の足の入ったみそ汁。さらにはうどん。
見ただけでお腹いっぱいになりそうなボリューム。

みんなでお腹いっぱいになった後は、これまた山根社長の後輩がやっているという魚屋さんへ。
ここも、前回、すぐそばまで行っていたすぐ隣。こんなところがあったなんて・・・

ハマチが一匹400円。モサエビざる一杯1000円等々、とても関東では信じられない値段に驚く。
蟹は値段もまちまちだが、一匹3000円の蟹を山根社長の顔で、三匹5000円でゲット!

この後、上原先生のお墓参りも無事に済ませた。は~、やっと来られましたよ、先生。
ちゃんと「酒は純米、燗ならなお良し」を広めてますからね。
あっ、お菓子はお供えしたけど、お酒を忘れちゃったよ。次回来る時はお酒持ってきますから。
今回はお菓子で我慢してくださいな。先生、お菓子も好きでしたよね。

フライトまで、まだ多少時間があるからと次に山根社長が連れていってくれたのは、鳥取市内の「わらべ館」
子供だけでなく、大人でも面白い。昔遊んだおもちゃなどもあり、昔の木造の小学校が再現されていたり。

いや~、今回の鳥取は盛り沢山だったな~
さて、来月は九州かな? それとも東北方面も行ってみたいところもあるし・・・

しかし、鳥取が雨なのに、なんで羽田が雪なんだ?
御陰で30分くらい空港で待たされました。まぁ、前回みたいに飛ばないよりはいいけどね。


M爺とそばきりさいとう

2008-02-21 13:36:03 | Weblog
だいたい年に一度いらっしゃる、福岡のM爺さん。
昨年も、ちょうど新しい店を準備していた今頃にご来店。会長も誘って浦和で飲んだ。

じゃあ、今年はさいとうさんでも行くかね。まだこのお店はM爺さんは知らないはずだし。
ということで、独楽蔵を一本、さいとうさんへのお土産兼今夜のお酒、ってことで持ち込んだ。

大宮駅からモノレールで約30分。
伊奈中央駅からは歩いて3分ほど。
外から覗いてみると、相変わらずお客さんが大勢入っている。
中に入ると、座敷も二人掛けの席もいっぱいなので、中央の大きなテーブルに腰掛ける。
が、隣を見ると、うちのお客さんのSさんがいらっしゃるじゃ、あ~りませんか。
この方、しばらく来られないからと、昨日5本ばかり買いだめしていったはず。

「Sさん、ご一緒して良い?」と聞いたら、
「どうぞどうぞ」ということで一緒に飲むことに。

と、店主も出てきてご挨拶。
「三平さん、今日は隠密行動は出来ないね」
と言われたが、M爺さんを店主に紹介し、ついでにSさんも紹介する。
と、M爺さんが店主に、
「お店、何時まで?」
「8時までです」
「ん、じゃあ、蕎麦屋さんは8時までってことね。じゃあ、これ、お燗して。45度ね」と持参した独楽蔵を差し出す。
「一応、さいとうさんへのお土産ですから」とあたしは一言付け加える。

で、先に来ていたSさんの飲んでいた開春と独楽蔵をみんなで飲み始める。
アテは、穴子の煮こごり、焼き味噌、鳥皮の煮込み、酒粕とチーズを和えたの、このわた等々。
お燗の温度もちょうどよく、またアテもお酒に合ってんまいわ~
こうやって、少量でいろんなアテがあるってのがいいよね。
自宅でもやるけど、準備するまでが面倒なんだよね、これは。
さいとうさんだと、うちから30分前後見ておけば辿り着けるし、良いね。
お酒も安心して飲める銘柄ばかりだし。

仕事を終えた(終わらせた?)さいとうさんも加わり、4人でわいわいとお話。
学生時代の思い出からお酒の話まで、いろんな話題が出て、話は尽きない。
そこへ、またさいとうさんの隠れメニュー(?)のサーモンの粕漬け。
これは久保本家さんでもらった塩粕に漬けたものを炙ったらしい。
ん~マンダム。

結局、さいとうさんへのお土産のはずだった独楽蔵は一升空になり、秘蔵の竹鶴生もと16BYまで出してもらった。
「あちゃ~、後で独楽蔵楽しもうと思ったのに~」とさいとうさん。
「じゃあ、これ。さいとうさんへのお土産」と、あたしは日置桜の携帯ストラップを一つ差し上げた。

楽しい時間は経つのも早く、そろそろモノレールの時間が・・・
ご一緒させてしまったSさんもさいたま市内だから、帰りがタクシーということは無いけれど、お店にも邪魔になるし、そろそろ行きますか。
Sさん、次回は上乃宮会に誘うかね。もう、完全に泥沼に両足突っ込んでるからね、この人は。

ハイエナ1号

2008-02-14 00:20:37 | Weblog
今日、タオ君と話していた。
で、あたしは彼に「ハイエナ1号」と命名された。

H.N変えようかな・・・
名前の御陰で、みなさんに「師匠」なんぞと言われるが、とても師匠になんぞなれるような器でも無いし・・・

だって~!!
やっぱり、今年も少ないんだもん、天穏さんのお酒!

「純米にごりを火当てしました。五百万石の65%なんですが、粕歩合が××%でした・・・」
「ん~(その粕歩合じゃ、味がこなれるまでに、また時間がかかりそうだね~)、じゃあ、時間がかかりそうだね。それで、本数はどのくらい?(と、優しく)」
「200本ちょっとです。これくらいしか無いから、また皆さん、ハイエナのように群がるんですかね~?」
「う~ん、そうかもしれないね~。でも、長崎杜氏の造ったお酒だからね。安心出来るよね。だから、とりあえず60本確保してね
「で、出た~っ! ハイエナ1号!! 60本っつったら、4分の1じゃないですか!?」
「え~っ、いいじゃん。それくらいちょうだいよ・・・
「う~ん・・・ちょ、ちょっとここでは即答出来ませんが・・・」
「ん~しょうがないけど、お願いね」
「あっ、すいません。これから米を洗わなくちゃいけないんで、そろそろ・・・」
「はいは~い、頑張ってね~」(うちの分を確保するのも頑張ってね~)

はぁ~・・・ハイエナも(って、自分で言ってるし)大変っすよ。疲れますよ、ったく・・・

ちなみに写真は、今回のお酒とは関係ありません。天穏さんのお酒ですが、まだ狙っているお酒のサンプルも届いていないので、とりあえず昨年の写真を載せてあります。




VIVA! 鳥取 その3

2008-02-09 13:48:25 | Weblog
弁天娘、鷹勇とこの日の日程を終了し、次は倉吉で煮酒どんやとんび君達と一緒に呑む。
ブログでお馴染みの「進」さんと「からり」さんのどちらにするか、煮酒どんに聞かれたけど、そこはお任せ。
で、「からり」さんになった。予約した時間には、まだちょっと早いけど店に入る。
お酒のメニューも充実していて、グッ、チョイス!
煮酒どんはちょっと遅れるらしいけど、米子からはりょうさん。もしかしてお目にかかるのは初めてかな?
若桜のお父さんがお土産にくれた槽汲もお燗にしてもらい、日置桜、竹鶴、鷹勇等々も、全てお燗。
と、はるばる三原からたくさんご一行様も到着。
なんと、このたくさんと一緒に来られた方は、つい先日、ネットからお酒を注文してくださった方でした。
こうなったら、弾む話はやっぱりお酒のこと。
酒蔵に来て、酒飲みながら酒の話をする。う~ん濃いぃメンバーだ。

そして料理もどんどん出てくる。
写真は、初めてお目にかかる「もさえび」
煮酒どんのブログではたびたび目にしていたが、食べるのは初めてだ。
確かに、色はちょっと黒っぽいけど、モチモチとした食感で味はとってもおいしい。
色がすぐ悪くなるんで、地元でしか流通していないらしいけど、そんなこと気にしないから関東方面でも食べたいな~、これ。
どうせ、うちの近くのスーパーじゃ、ぜ~ったいにお目にかかれないとは思うけど・・・

お店の方が気を利かしてくれたのか、煮酒どんがあらかじめ言っておいてくれたのかは知らないが、チェイサーのお水も出してもらったので、けっこう呑んだ割には飲み過ぎずに気持ち良い酔い心地。

りょうさんもそろそろ電車が無くなるとかで、10時頃にお開き。
さ~、明日は日置桜さんと、師匠のお墓参りだ~

VIVA! 鳥取 その2

2008-02-06 12:22:47 | Weblog
また若桜鉄道を鳥取まで戻って、次は浦安。
TDLのある浦安じゃなくて、鳥取県東伯郡の浦安。
今年は坂本杜氏が引退されて、新しい曽田杜氏に変わったとは聞いていたけれど、新酒を飲んだ限りでは無問題!
曽田さんも、坂本杜氏の下で鷹勇で酒造りをされていた経験があるし、同じ出雲杜氏だし、やっぱり味も似てくるんだな~、と思っていた。
が・・・

蔵に入っていくと、懐かしい坂本杜氏の顔。満面の笑みで迎えてくれた。
「ようこそ、いらっしゃいました」

十数年定期的に通ってはいても、やはり杜氏の顔を見ると安心する。
で、さきほどの新酒の感想を坂本杜氏(正確には、現在の肩書きは「顧問」)に伝えると、
「あぁ、そらそうでしょ。今年は僕が見とるけん。」
へっ!?
「今はまだ、教えにゃならんこともあるし、今年は生もとも山廃もやっとるし、池田屋さんの山田錦も僕が見ましたけん」
え~っ!!  やったぜ~!!!
また、来年もあの酒が飲める~、嬉しい~

と、とんび君が顔を見せる。おっ、頑張っとるね、若人よ。
で、とんび君と坂本杜氏に連れられて蔵内を見せてもらう。
あたしは、もう何回も来ているからいいんだけど、一緒にきたご夫婦は酒蔵は、ほとんど初めて。

酒母室に案内されると、元気の良い酒母が幾つか発酵している。
写真でしか目にしたことがなかった木製の泡笠をつけた壷台もある。

その後、別棟にある生もと、山廃の酒母も見せてもらうが、これを使うのはまだまだ先らしい。
でも、楽しみだな~、鷹勇の生もとは。

と、そろそろ時間になりまして・・・
この後は倉吉で煮酒どん達と一杯飲もうということになっている。
若桜鉄道ほどではないにしても、あまり列車の本数も無いから、余裕を持っていかんとね。

今夜の宴会にはとんび君も参加するから、彼も一緒に蔵を出る。
駅まで社長と部長が送ってくれて、また来年も来られるといいな~

VIVA! 鳥取 その1

2008-02-06 00:22:42 | Weblog
朝一のフライトで鳥取に向かって、まずは「ピカリンの里」の異名を持つ若桜町へ。
鳥取駅からは若桜鉄道に乗って、約一時間。
第三セクターのせいか、本数も少ないために、鳥取駅で一時間近く待機することになったけど、久しぶりの鳥取駅。
あ~懐かしいな~、全然、何も変わってないな~(良いのか悪いのか分からないけど)
3年前もあった駅構内の本屋さんで時間をつぶしてから若桜鉄道に乗った。

そして若桜。そう、ここがピカリンの里。ここも全然変わらないな~。時間が止まっているようだけど・・・
3年前に来たときは、けっこう雪が積もっていたのに、今年は全然無い。山のてっぺんの辺りは白くなっているけど、ピカリンの里には雪が無い。
迎えに来てくれていたリアル娘。も、今年は珍しく雪が無いとのこと。

蔵に着くと、若桜のお父さん(ピカリン)とお母さんが歓待してくれて、
「まぁ、遠いところをようおいで下さいました」
あら? オータロー君もいるじゃん。
「ついさっき帰ってきたんですよ」とはお母さん。

しばし事務所で話したが、まずは蔵内を見せてもらう。
蔵の中に入ると、ちょうど蒸米。
(他の蔵に比べると)とっても小さい甑から勢い良く蒸気が上がっている。
香りを嗅いでみると・・・
う~んマンダム
そろそろエエ具合に蒸せて来てるんじゃないでしょうかね、中島杜氏。
小さいから操作しやすいかもしれないけど、そこはやはり上原先生の薫陶を受けた杜氏。
しっかりとした蒸米を造ってるわ。こら、今年も期待出来そうっす。

新しくした酒母室も見せていただき、オータロー君の案内で初めて足を踏み入れる蔵の二階にある昔の酒造道具なども見せてもらう。
お~珍しい、キツネ桶だ。おっ、これは木で作った暖気樽。珍しい酒造道具の数々。現在のような設備の無い時代に考えられた遥かなる先人達の知恵が凝縮した道具達。

と、お母さんが、
「さぁさぁ、電車の時間が無いから急いで食べて下さい」と用意してくれたのは・・・
子持ちカレイの煮付け、ピーナッツ豆腐、おばあちゃんの自家製の漬け物等々・・・
ご自宅の二階の座敷に用意していただいた御馳走は、まさに御馳走。文字の通りの御馳走。
これ全ておばあちゃんとお母さんの手作りだそうな。
これがどれもンマイ~!

「子持ちカレイは上原先生のお気に入りで・・・」
若桜の魚屋さんに頼んでいただいたそうだが、こんなにおいしいカレイは、正直初めて食べた。
あたしの住む地域を含めた首都圏は、お金さえ出せばそれなりのものは手に入るけれど、それでも、こんなに味の豊かな魚が食べられるだろうか。
リアル娘。の気だての良さも、この三世代の家族とこの土地に育まれたからこそなのだろうか。

でも・・・時間が無い~!
なにせ第三セクターだから電車があまり無い。だから、一本逃すと次の電車までの時間が長いんです。
となると、予定が・・・泣く泣く、御馳走を諦めて若桜駅へ向かうのでした。
(あの子持ちカレイとピーナッツ豆腐が、もう一度食べたい!)
そして、若桜駅まで送ってくれたお母さん。
電車が見えなくなるまで見送ってくれて・・・なんか涙腺がゆるんじゃうじゃ、あ~りませんか!