虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

釧路の街で~黄昏のモノローグ~「嫌なことを伝える」~

2018-02-23 16:37:35 | 小説
*このお話はフィクションです。

 遅刻はする、仕事はしない、言い訳ばかり・・・。

 こんな年上の社員がいる。


 係長・課長レベルで指導しても言うことを聞かないとのことだった。


 とうとう部長である私が登板した。


 「このままいくと来年度は退職してもらうことになります」

 私は笑顔で言った。

 相手はまだ家のローンがあること、親を介護しなければいけないことを私に訴えかけてきた。


 しかし、私は冷静に彼の勤務評価を伝えた。


 連絡・報告が全くないこと、すぐに表情に出して暴言を吐くこと、年下の社員を自分の部下のように扱うことなどを伝えた。

 彼の根底には、俺は年下に使われたくないという思いがあることがわかった。




 「年下でもあなたの上司です。その上司に従えないのであれば辞めてください」と言った。


 彼の表情は悔しさで震えていた。


 「お金をもらうということをあなたは甘く見ている。みんな必死になって頭を下げて、時には傷つきながら仕事をしているのです。もうあなたの居場所はこの会社にはないことを伝えた」


 どうしてもやめたくないのなら、田舎の営業所への転勤を命じた。

 月曜日までに返事をすることになっている。



 伝えたくないことを伝えることも役目だ。



 今日も一日が終わる。


 働くとは、我慢することだ。

 みんなそうやって必死になって生きている。

3 コメント

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所感 (あやか)
2018-02-24 11:40:37
このお話しは、フィクションということですが、、、、、、

 仮に事実と解釈して、この『部長さん』は、ブログ執筆者の『昭和42年生まれ様』だと言う事を前提として、申し上げますが、、、、

 結論的には、部長さんの、この年長社員におっしゃった行為は、全く正しいと思います。!
嫌なことを伝えるにしても、こういう事は、はっきりおっしゃって良いと思います。
私は、この年上の部下のひとが、なぜ、うだつの上がらない人であるかは、容易に想像がつきます。
実力も実績も人望もないのに、変に空威張りしている人は、よくいますが、この人もそういうタイプなのでしょう。
私は、こういう人には、強く戒めてもいいと思いますし、また、お互いに他山の石にしなければならないと思います。

 ★ただし、もちろんのこと、会社の人事評価や昇進制度が公正であるとはかぎりません。
まじめに、長年、お勤めしているにもかかわらず、『出世コ-ス』から取り残されているかたもいます。
それでも、不平不満を言わず律義に働き、定年退職間際にやっと『係長待遇』になって、勇退されるかたもおられます。
私は、そういうかたに対しては、心から敬意をかんじます。
本当に涙を浮かべながら『長い間、お疲れさまでした。ありがとうございました。!』といいながら、退官の花束を、お渡しいたします。

話しは、もどりますが、先述の、態度の悪い?年長社員のかたは、もう一度、御自分の立場や本分を考えていただきたいですね。
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追加 (あやか)
2018-02-24 11:47:18
【☆働くとは、我慢すること☆】!!!!!
まったく、おっしゃるとおりです。!
私も、それを座右の銘のひとつにしたいと思います。
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あやかさんへ (虚構の世界)
2018-02-26 09:44:10
長年、お勤めしているにもかかわらず、『出世コ-ス』から取り残されているかたもいます。
それでも、不平不満を言わず律義に働き、定年退職間際にやっと『係長待遇』になって、勇退されるかたもおられます。

その通りです。最前線の現場で最後まで働いて定年を迎えられる人もいます。生涯現場主義を貫く方もいます。尊敬する引き際を何度も見ました。

反対に嫌われるだけ嫌われて去っていく人もいます。

どんなに出世してもそんな人もいます。

引き際の難しさを痛感しています。
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