*このお話はフィクションです。
今日は昨日の寒さから何となく雨が降っているので暖かい。
午前中、ある会社を訪れるためにシッピングモールを歩いていた。
自分の視界にかつての上司が飛び込んできた。
年は私より10ぐらい上だったので60歳ぐらいになっているだろうか。
彼は車に乗り込むところだった。
しかし、私は声を掛けるのをためらい、そして素通りした。
私と先輩はどちらかといえば仲がよく、よく一緒に飲みに行ったものだ。
私が25歳、先輩が35歳ぐらいの頃だ。
しかし、先輩は途中で会社を辞めて転職した。
その後の先輩の人生の状況は何となく人づて入ってきていた。
自分で起業したらしいがうまくいかなかったようだ。
莫大な借金を背負ったことも聞いた。
久しぶりに見る先輩は、年老いたというよりも、覇気がなかった。
いや、私が先輩に声をかけなかった理由は、乗り込もうとしていた車だった。
25年前と同じ車を乗っていた。
外見が錆びており、前のバンパーなどは穴があいていた。
昔の人気車種はあまりに無残な姿をさらしていた。
それでなくても25年間一度も会っていないのに、そこで25年ぶりに声を掛ける勇気は私は持ち合わせていなかった。
いろいろな思いが脳裏を横切った。
生きるということは戦場なんだと思った。
今日は昨日の寒さから何となく雨が降っているので暖かい。
午前中、ある会社を訪れるためにシッピングモールを歩いていた。
自分の視界にかつての上司が飛び込んできた。
年は私より10ぐらい上だったので60歳ぐらいになっているだろうか。
彼は車に乗り込むところだった。
しかし、私は声を掛けるのをためらい、そして素通りした。
私と先輩はどちらかといえば仲がよく、よく一緒に飲みに行ったものだ。
私が25歳、先輩が35歳ぐらいの頃だ。
しかし、先輩は途中で会社を辞めて転職した。
その後の先輩の人生の状況は何となく人づて入ってきていた。
自分で起業したらしいがうまくいかなかったようだ。
莫大な借金を背負ったことも聞いた。
久しぶりに見る先輩は、年老いたというよりも、覇気がなかった。
いや、私が先輩に声をかけなかった理由は、乗り込もうとしていた車だった。
25年前と同じ車を乗っていた。
外見が錆びており、前のバンパーなどは穴があいていた。
昔の人気車種はあまりに無残な姿をさらしていた。
それでなくても25年間一度も会っていないのに、そこで25年ぶりに声を掛ける勇気は私は持ち合わせていなかった。
いろいろな思いが脳裏を横切った。
生きるということは戦場なんだと思った。