先輩たちのたたかい

東部労組大久保製壜支部出身
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「訴訟にたよるな、法律にたよるな、大衆行動によって解決せよ」のスローガンのもと随所で起きた小作争議 1927年の小作争議 (読書メモ)

2023年11月29日 07時00分00秒 | 1927年の労働運動


1927年頃の農村

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上・日本農民組合青年部第二回全国大会(1927年)

「訴訟にたよるな、法律にたよるな、大衆行動によって解決せよ」のスローガンのもと随所で起きた小作争議  1927年の小作争議 (読書メモ)
参照「日本労働年鑑第9集/1928年版」大原社研編

1927年の小作争議
 この年における小作争議の特徴は、春の未曾有の金融恐慌を背景に地主の小作への強硬なる攻勢が行われたことである。それは都市における資本家階級の労働者への態度と全く同じであった。地主は、小作争議に対しては地主団体を組織し、立入禁止、立毛差押、土地引揚等農民にとって致命的な強制執行が至るところで乱発され、農民側の訴訟敗北が相次いだ。そのため農民側は、地主の強制執行を阻止すべく「訴訟にたよるな、法律にたよるな、大衆行動によって解決せよ」等のスローガンによる大衆闘争が随所で起きた。一方で地主の強硬な態度により争議件数自体は前年比大幅減となった。

小作争議件数
1917年(大正6年)    85件
1918年(大正7年)  256件
1919年(大正8年)  326件
1920年(大正9年)  408件
1921年(大正10年)  1,680件
1922年(大正11年)  1,578件
1923年(大正12年)  1,917件
1924年(大正13年)  1,532件
1925年(大正14年)  2,206件
1926年(昭和元年)  2,751件
1927年(昭和2年)   1,665件(1928年1月10日報告迄)

1927年小作争議の分布
兵庫 152件
大阪 142件
岐阜 140件
奈良 133件
新潟 121件
福岡   66件
愛知   59件
等、ついで香川、島根、北海道、山梨、福井、京都、和歌山、愛媛、群馬、秋田、神奈川である。前年同様近畿地方が依然小作争議の代表的地域である。

1927年小作争議の要求内容
全要求の7割が小作料の一時減額、ついで2割が永久減額、約9割近くが小作料減免要求である。

1927年小作争議の手段
大衆的示威行動や小学児童同盟休校、消防組全員辞職、公租公課滞納申し入れ、小作料不納同盟、小作米共同保管、小作地不返還などの大衆闘争で世論に訴えた。また農民組合の顧問弁護士も熱心に訴訟対策を努めた。

小作争議の経過と結末
1926年(昭和元年)は、争議件数2,751件のうち解決数は2,169件。双方の直接交渉で解決した数884件、小作調停法により解決した数1,233件。

1927年の小作争議の結末
妥協847件、要求貫徹49件、要求撤回9件、耕地返還4件、自然消滅5件、未解決751件。未解決とは地主側の頑迷的攻勢に対して小作農民が年を越しても執拗頑強に闘いつづけていることを示している。

以上

次回予定
警察署長のだましに数百の農民、カマなどを武器に決起、鳥取箕蚊屋地方7ヵ村小作大争議 1927年の小作争議 (読書メモ)



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