しかし、落ち着いて考えて見ると、本当にヴァンパイアの様に、人のエネルギーを吸い取る能力なんて人には備わっている分けないよね?
と思った。
カチンと来る。イライラさせられる。見るだけで腹立たしくなる。
確かにそんな人間は存在する。
でもね?
カチンときて、イライラして、腹立たしくなっているのは自分なんである。
自分が、自分のエネルギーにマイナスかけて出力しているんじゃね?……と思い至った。
『そんなの』に未だ未練たらしく興味を向けている『自分にこそ原因』はあるのだと……。
じゃあ、その原因の正体って一体何なんだろうか?
少し間をおいてそれらしきワードがポツポツと脳の表面に浮かび上がって来た。
『寂しさ』、物事の運びが芳しくなくそのイライラから来る『焦り』、自分だけがクソ面白くもない仕事やテーマを抱え込み『人と違う単調な時間を過ごしている』という思い込み……等など。
自分が請け負っている様々の事柄とか方法って『自分の意思』でチョイスして演ってる筈なのに……?
何時しか、そういう環境の中で知らず知らず『被害者意識』を持ち込んでいたんだ?……と気が付いたのだった。
冷静な時、『そんなの』を観てると間違ってもそんな安易に自分は流されたくない!なぁ〜んて思っていたのに……?
のしかかって来る重圧の苦しさから『そんなの』のお気楽な立場に羨望を抱いていたのだった。
コイツら、何時も能天気に……悩みと言えば今日何処で呑む?位のもん……。
良いよなぁ?……なぁ〜んて嫉妬していたのである。
んじゃ?お前も彼らの様な生き方をするのか?
と自問自答して我に返るのである。
『冗談じゃねぇ!』……と。
ある経営学の先生の説によると……自分で自分のテーマに気付き自分の意志で取り組んだら効果は6。気付いていたが手を付けてなかった所、人に指摘されて行動すると効果は3。
気付かないまんまダラダラして挙句に強制的に演らされたら効果は何と1しかないのだと。
エネルギーヴァンパイアが気になり始めたら『自分自身の意志の状態』をチェックしなきゃならない。
折角、自分の意志でテーマ化して取り組んだのに何時しかやって来た不調やら何度かの障害のせいでその意志が心許ない状態に陥っている?ことを疑って見ることである。
意志が弱ると……他者の動向が気になり始める。
そんな時をエネルギーヴァンパイアは見逃さないのである。
無責任な挑発にエネルギーは必要ない。何度でもしつこくしつこくチャチャを入れて来る。
『そんなの』が出来る事はそれだけなのである。
その挑発に乗って負のエネルギーを出力しているのは『自分自身』なのである。
エネルギーヴァンパイアの呼び名を冠せられた人は『人の弱り具合』に恐ろしく鼻が利く。
一呼吸おいてから、全く興味のない返答一つで追い払う事が出来るのである。
自分をその場から切り離し物理的移動で『離れること』も彼等には極めて有効に作用する。
自分一人の状態を確保してから……ユックリ冷静に『自己分析』をやり直す事。
『何が原因で自分は弱っているのか?』を徹底的に自分に聞いて上げること……。
『そんなの』は『嫉妬心の虜』なのである。
陰湿な嫉妬心に対して自分の弱気を晒せば、藪の中で素肌を晒す様なもの。
好きなだけ蚊に生き血をプレゼントしている状態と心得たい。
あらゆる感情を閉じて(特に怒りの感情)……淡々と飄々と対すれば『そんなの』はトットと引いていくのである。
相手がエネルギーヴァンパイアなんじゃなく、自分がエネルギーをプレゼントしている構図に気が付けば…『そんなの』は人畜無害のエンプティ人間だと分かるはずである。