ソレを口にして現実の『既成事実とする』のはとても勇気を必要とする。
過信に次ぐ過信を繰り返した今のトランプは徒手空拳となり使える武器は殆どない。
日本との交渉の席に……居ても立ってもいられなくなった彼はイレギュラーに闖入し苛立ちを隠さない。
どうせ、防衛費負担の増額と、古くなった自国の軍需産業の在庫を押し付けるだろうことはみんな知っている。
使い勝手の悪いアメ車の規制も全て撤廃してやれば良いのかも知れない。
日本の安全規制を『攻撃の材料』にしているけれどOK!分かったよ、規制は全て撤廃して上げるから演りたい様にしてごらん!
というスタンスを打ち出せば良いんだと思う。
そこからは『アメリカの自己責任』なのだから日本に八つ当たり攻撃するには当たらない。
欧州車はその規制の中で結構な実績を示しているのだから尚更である。
『効率の良い』新自由主義の金融ビジネスはリーマンショックで終焉を迎え、IT関連機器の心臓部分を握り、ハードの製造工程の基礎的な部分は人件費の安いアジアなどにアウトソースするやり方で、アメリカのブルーワーカー層に与えられる仕事は喪失の一途を辿った。
いつの間にかエリート層の代弁者となった民主党に代わってラスト地帯の労働者達の支持を集めたけれど?
彼等を安定雇用するにはどうしても『製造業』を再興する必要がある。
だから?高い関税を設定し、アメリカに製造業への投資をさせる。観念的に考えれば上手く行きそうかも知れない。
しかし?アメリカのブルーワーカーの人件費は高過ぎること。そして彼等の労働の熟練度は非常に稚拙であること……。
iPhone製造を中国からアメリカにシフトさせればコストは50%は高くなるという。
無理なんじゃね?……ソレが冷静に考えた時の大勢の判断なのである。
何かの度に批判を集めて来たトヨタだけれど……モノづくりニッポンの昔からの力を『コレカラにも』応用する為の『不断の努力』はお題目だけの見せ掛けじゃなかったのである。
だから結局『強い』のである。
究極のエコカー、水素エンジンも本気で追求してきた。内燃機関を使える事で、今までの中小下請けのラインも活かして使えるという戦略は本気の本物なんだと思う。
データの虚偽報告とか様々の不正問題も起こしてきたけれど?
製造業を守ること……即ちソレはボリュームの雇用を守り続けることとイコールなのである。
時代はAIとなった。
しかし『大勢の雇用を守ること』は『コツコツとモノづくり』に日々の努力を重ねるという『ニッポンの昔からのお仕事の基本』を守りながら不断の努力を重ねるしか無いのである。
世界に対して脅し、恫喝だけで国民の雇用を守れるか?
『華々しくアメリカンビジネス』を立ち上げ
『カネの正義』のみを標榜して来たアメリカ。
裸の王様、トランプに極めて建設的なアドバイスを送りたいと思う。
『真面目に生き……お仕事は真剣に演りなさい!』……と。