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サンチョパンサの憂鬱

サンチョパンサの食卓(179)誹謗・中傷・風説の流布を必要とする人間達(2)

前編でコミュニティクラッシャーの人間について書いた。

今朝……目覚めた時、とても嫌な夢の様な、しかしそれにしてはえらくハッキリとした状況が生々しさを以て脳裏に浮かび来たのだった。

未だ大学生だった頃の事。
このコミュニティクラッシャー君に頼まれてデパートのアルバイトを紹介した時の事だった。

週末の夕方……彼はエレベーター前で、特売の玩具を販売していた。その時の出来事である。
玩具と言ってもかなり高価なパーツで組み立てるモノだった。
新作が出るから?売り切りを狙っての取り組みだった。

今朝の今朝まで……その出来事は僕の意識下の奥深くに埋められ『秘匿されていた?』そんなイメージだった。ソレが突如として意識上に引っ張り出されたのは、最近この一連のコミュニティクラッシャー君の『出来事』を『検証する作業』を始めたからかも知れない……。

エレベーターの隣にはトイレ。
彼はトイレに一人で行った後……何故か手招きして僕を呼んだのだった。
何か?不穏当なニュアンスを孕んだ重々しい空気が流れた。

彼は便器に並んで立ち……ポケットから二万円のお札を引っ張り出して『コレ……お前の分』と手渡してきたのだった。
考えもしなかった『横領』である。
その時息がつかえてとても苦しかったのが今もその時の感覚そのままにリアリティをもって蘇るのである。

僕は即座に拒絶した。『そんなん……要らん!貰えないよ!』……と。ギャラはデパートから貰ってるもん……と。
その時の彼の視線にはハッキリとした僕に対する『敵意』が浮かんでいた。

ソレから都合、閉店まで三度に渡って彼は僕に現金を受け取らせようと試みた。
最後、僕は怒りを以てハッキリと拒絶した。『止めろ!』……と。

今、思い起こせばソレが彼と袂を分かった最後だった。彼は急にアルバイトを辞め僕の前から去っていった。

それからかなりの時間を経て、彼は再び僕の前に現れたけれど……『明らかな作為』をもって僕の事を嘘を交えて云々しだしたのだった。
ソレが身の毛もよだつ様な『嘘を弄して』僕への攻撃の始まりだった。
ソレを思い出した今朝……何やら彼の心理に関する謎が一気に氷解したのだった。

それ以前にもお好み焼き屋さんで彼はおでんを食べては隙を見て串を床に捨てて本数を誤魔化す事に…熱中していたことも併せて記憶が戻ってきた。

そういう一連の『誤魔化し』に加担しない僕を彼は『敵認定した』んだな?……と何十年振りかに謎が解けたのだった……。
人様のおカネに手を付けない?その僕の『綺麗振った態度』と彼は判断したんだろう。

僕に取って……彼は純粋に『恐怖の対象』となっていたのである。
今朝彼がカネを渡そうとしてきた時の蘇った記憶。
彼の視線は当時のまんま湿ったヌメリを持った冷たさを湛えていたのである。

そういう自分の『盗癖』をひた隠して生きる彼の辛さは想像に難くない。
『人を嘘によって貶めても』自分を正当化しなければ安心出来ない?……ソレはそれは十分過ぎるだけの『負の感情』なのである。
まさに……それは生き地獄そのものを生きている『難儀』だなぁ?……と。

何はともあれ……彼の尽きることの無いコミュニティ・クラッシャー活動の起承転結が見えてから僕はやっと『湿度高い彼の怨念から解放された』のだった……。

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