サンチョパンサの憂鬱

所感?・所信?……11

情報化社会なぁ~んて言われてから久しい。
日々降り注いでくる情報とやらは確かにウンザリするくらい膨大な量なんだけど……。

一方で『情報難民』なる言葉がある。
調べてみると……報難民とは、自然災害などの有事の際に、国や自治体から発信される情報を得ることが難しい状況にいる人々のこと……とある。

そういう特殊なシチュエーションじゃなく一般社会で普通に暮らしている人達って情報化社会の恩恵を本当に受けているのか?……とふと思う様になった。

切っ掛けは依頼を受けた新店開業のスタッフの研修をしていて……まさしく情報難民か?と思う位『当たり前に知っておかなきゃ生活に支障をきたす』だろうというレベルの知識・情報がその人に全く入ってない?事にショックを受けたのである。

普通に見える若者が……どうして?ここまで『一般常識』と無縁なまんま生きてるのだろうと驚いた。
スマホは器用に使いこなす。しかしそのアクセス先が恐ろしく偏っているのである。

一人の暮らしに一つか?二つしか無い?トンネルの中のみで暮らしているかのようである。
頻繁に出入りする閉ざされたアクセス先の一つ、二つのトンネルビジョンを見ながら暮らしている?と言っても過言ではない。

凄く素直で教えたら一生懸命に覚えようとするし上達振りは悪くないのである。
きっと彼女は『様々な情報の井戸』と彼女を繋いで呼び水となってくれる人に恵まれなかったのだろう……?

一人、『気の利いてる様に見えた二十歳の男子』は説明するとすごく反応が良い。こりゃ拾いものだぜぇと思ったらたった一日で『熱が出た』という理由でお休み。次の日は無断で欠席……。
件の女の子に聞けば『何時ものこと』だという。

人に恐ろしく注意を払いながら『演技する』のだが
疲れ切って一日、二日が限度なのである。
彼のメンタルは疲弊し切っているんだろうなあ?と思った。
『自分の本意が行方不明』になってる様な状態だと思った。

その会社の社長と面接して『演って見る……』とは言ったものの……自分の本音で決めずに社長の勢いに流されて来たのだと思う。
そもそもその面接の約束も一度『熱が出た……』という理由でドタキャンしていた『実績』があった。


格差とか二極化って嫌な言葉だけど……八割の人間は日銀のゼロ金利解除の意味も、やがてやって来るかも知れないインフレの怖さも知る由もない状態に放置されているのである。辛うじて賃金アップって言葉は身近に感じて知っているかもなぁ?

彼等は一つか二つの狭い閉ざされたジャンルの中で
『身の安全を守ること』に汲々として生きている。
まるで浅瀬の窪みに出来た水溜りの中で息を潜めてジッとしている小魚の様なイメージが浮かぶ。

やがて身体が大きく成長したその魚は早晩干上がるか?酸欠となる?そんな哀しいニュアンスを感じたのである。

大谷の通訳が賭博の借金の為に大谷の口座から横領していた?
そんな情報はどうでも良いが……『自分がどんなイメージで生きたいのか?』、何より『どんな事をしたいのか?』……そんな不安から逃れようとXやTikTokを覗いたってそこに答えはある訳もなく……。

彼の様に『人並みの状況が欲しくなって』、恐怖に流されて無理して外に出かけて働いてもエネルギーは出ない。
『自分は自分の情報が無い…』という『情報』はどうやれば彼等の体内に発生し心まで辿り着けるのだろう……?

余りにも痛々しいじゃないか?

何かの切っ掛けを持てた時……チョイと真剣に話して見るしか無いんだけど?
求めなくても勝手に与えられた?

そんな育て方が若い超情報難民を生産し続けているのである。
『求めること・欲しがること』は教えられなきゃ身に付かない時代になったんだね?

『求めよ!さらば与えられん』そんな聖書の言葉を人に教えられるほど僕はエラクはない。
研修生三人で二人は何とか自力で求め働き始めてる………それでよし!とは思えない。

僕は今、頭の中に濃い霧が立ち込めてる様な気分なのである。


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