中途半端な貧乏人は焦れる。焦れて蛮勇を奮う。
ナメンナヨ!ってな心理で容赦なく突き進む。突き進むけれど暖簾に腕押しってな具合で、手応えなんぞ何もない。
余計に苛つく。
集まってくるのは、不幸の見学者ばかりになる。
餓鬼のプライドに火がつく。制御を失ったメンタルは怒気のやり場を探してはぶち当たる。
救い難い自己嫌悪がやって来て、もう自分は何をやってるのか?さえ分からない。こんな事がよくあった。
アホである。
事態は悪化するばかり。なのに有効な打つ手は見当たらない。そんな時は本能に逆らわなければ解決しない。
ここは一つ、どんだけ悪くなるか?見物してやろう!と覚悟を決め込む事が肝要だ。
コツは自分を焦らしている状況よりもっと長いスパンで思考と行動を組むのである。慌て苛ついてる時の状況は意地悪く……こっちが荒れるのを待ってるみたいである。
勿論、そんな事はなく僻んだ自分がその様な地獄絵を書いてるだけなのだが……。
兎に角、何時動くか?それを自分が明確に知っている事がポイントである。
自分は起きた事に反応する!のだと決めておく。するとポツンポツンと何かが動く。頗る丹念にそれに反応して片付けるのである。それ以外一切放置する。
自分にとって外に向けて為すべき事が見つからないなら『何もするな!』との天からの御託宣が下っているのである。
自分一人でなら何かを決めて何か行動出来るではないか?……それはとても大きな発見だった。
売れない芸者見たいに誰かからお呼びが掛かるのを拗ねて待ってるだけなんて……止~めた~となった……。
恐らくそれが、イレギュラーな時間の一人ドライブの始まりだったと思う。
イケ好かない連中を待つ時間があるならと始まった一人旅。
結論は……そんな状況、人間達に構ってる場合じゃない!だった。
ドキドキは至る所にあった。ワクワクに次々と出会った。
これを中途半端な状況でやったら俺は何てサボリ人間だ!なんて自己嫌悪にも見舞われたかも知れない。
しかし、退屈の極致まで進んだ人間は強かった。これは大発見だった。
『今、出来る事をする!』は簡単な事なのに中途半端な時点では見失う。
そのプチ一人旅は、勇気を生んだ。
どんな状況であれ、自分は目一杯で生きられるのだ!という確信だった。
一人暗い壺の中に閉じ込められた?そんな手も足も出ない状況はあるものだ。
世の中は用があるなら呼びに来るのである。用がないなら自分の用を作って楽しむ方が良い。
僕は……呼ばれもしないのに誰にでも良いから呼んで欲しかったのだ。そう理解した時、冒険は始まった。
それが……メンズのオーダースーツのキャッチコピーが『冒険は続いてる!』になった経緯である。
まさに退屈は冒険の為の助走だった……。
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