大滝詠一(ロングバケーション)、松本隆に作詞を依頼したけれど、妹さんの心臓病の悪化、出来る限りの看病をしたいとの松本隆の願いを最優先し大滝詠一が『待ち続けた話』などなど……。
松本隆の作詞家人生の集大成として制作されたトリビュートアルバムに川崎鷹也が参加し『君は天然色』を唄っている。
♫想い出はモノクローム……色をつけてくれ♫
この1節に込められた妹さんへの想い。妹さんが亡くなった直後、街を彷徨い歩いた松本隆が見たモノクロームの町並みがモチーフとなっている…そんなエピソード……。
いい歳をしたオッサン二人が『君は天然色』の川崎鷹也バージョンと大滝詠一バージョンを聞き比べて……それぞれイイね?なんて演ってるの図は少々コメディタッチ?……話は結構シリアスな時代の分岐点なんぞを話したんだけど……。
要するに…ボカロから生産される新しさと軽さの限界とかである。
関ジャニ∞の音楽番組で武部氏が語った、日本の音楽界の危機的状況。
トレンド最中の外国のメロディで『それらしい曲調を作り』後から言葉『歌詞をそのメロディに当てはめていく』制作方法……その限界である。
瞬間売れるけれど…すぐ飽きて忘れてしまう曲の儚さはその制作方法論の安易さに原因がある。 何と楽曲依頼の95%がその手法とか。
そうか!!?だから耳に残らないのか?と友人は大きな謎が解けた、そんな風情で…呟いた。
日本人のアイデンティティから生まれる言葉に『だからこのメロディが!』という表現の原点に帰らなきゃ……日本の音楽は時間と共に比較級数的に世界から置いて行かれてしまう……という武部氏が語った話。
そうか?!!だから川崎鷹也とか優里の音楽はボカロ制作の曲とは違う『染み込んで来る』んだね?……と納得。
結局近道・抜け道して促成栽培の作品はその分比例して短命なのだと……。
それは今の、教育世界での『効率的・受験マニュアル』的なパーツ切り貼り式の人材育成方法論と共通する病理だと……そんな話になった。
出来上がった作品(人材)は若い肉体以外にホントに見るべきものが無い人が多い。
君達(教育関係者)は大学に出掛けて行って彼等とディベートしたら分かると思う……と僕は言った。
大学出て訪ねてくれる卒業生と何時も話しているから(彼は高校の数学教師)それは何時も感じていると彼は言った……。
言葉は…悪いけど苦労して『おバカになる』のは刹那的効率主義を止めない以上続く…そんな話を延々と……。
教育だけは時代が変わっても、景気が落ちても、地震が起こっても何一つ失う事が無い財産なのだ!そんな財産は教育しかない!……ソレが死んだ親父の口癖だった。
確かに!!……しかしまた間違った浅はかな教育を施してしまえば、その人材の中にその間違いはずっと残存し続ける?という事でもある。
一人ずつでも良い。接点が出来たら超お節介オヤジを演っていくしかないね?
結局、何時も話はソコに行き着く……。
僕達もまた『演ってみなはれ!』と天から急かされているのである……。