100-8081 CINEMA

感想はあくまで参考ってことで。

下妻物語

2005-08-30 03:43:06 | 青春
[あらすじ]
ここは茨城県の下妻。見渡す限りの田んぼ(牛付き)というロケーションの中、桃子(深田恭子)はレースのパラソルにフリフリのロリータファッションで歩いていく。どこか冷めていて現実的な彼女も、好きなファッションにはどんな努力も厭わない!下妻から2時間半もかけて、某ロリータファッションブランドの本店・代官山のショップに通う桃子。しかし、買い物には先立つもの(お金!)が必要。そこで桃子は、父親がかつて商売していたブランド品のバッタ物に目を付けた。自宅に眠る大量のバッタ物を売りさばこうというキケンな賭けに出た桃子の前に、ひとりの買い手が現われる。それは桃子と同級生でバリバリのヤンキー・イチゴ(土屋アンナ)だった…。





すでに世間の口コミさえ無くなってきた今日この頃。ようやくDVDで見た。確かに面白いって話しは聞いてたし、中島哲也と言えば「私立探偵 濱マイク」。監督も監督なので見たくないと言えば嘘になる。とは思ってたけど、やっぱり深田恭子が微妙な気がして、どうにも手が出なかったこの一本。

見てみた。「普通に」と言ったら語弊があるけど、普通におもしろかった。これを面白く無いって言う人はあんま居ないと思う。正直に言うと、人にオススメしてしまうくらいおもしろかったです。(それを「すごく面白かった」と言う) 今までどうしても深田恭子の演技は上手いとは思えなかったんだけど、それを逆に地に近い形で役にはまらせてるというか、演技下手だなぁーと思うことが無かった。ロリロリな見た目にクールで淡々としたしゃべり口。土屋アンナも「茶の味」よりも数十倍濃いキャラだったし。設定が藪嶽野ばらっぽい(読んだこと無いけどイメージ)中で、ある意味王道に近い展開ではあるんだけど、後味さっぱりに元気までもらえるような映画です。「自分らしく生きるって?」てなテーマに、ポリシーやスタイルを貫き通す姿勢。そこに、あの笑いのセンス。コメディとしての笑いが押し付けがましくないっつーか、そこが良かった!脇役の濃いキャラが生きてるなぁ。荒川良々も生瀬も阿部サダヲも、個人的に好きな役者だし。篠原涼子も演技よかったなぁwww そしてアメリに近い空想世界へのトリップっぷりと、POPな画面の展開。
総合して見てみても、かなりの良作な邦画です。
この原作に対して思い入れのある人が見たら感想は違うかも。ついでに少女漫画がどうにも受けつけられない人が見てもおもしろくないかも。まあ、所詮人それぞれだとは思うけど、ロリータ文化もヤンキー文化もおもしろいと思ってる自分なので、ストーリーもベタベタにおもしろかったです。これで感情移入出来たらなお面白かったんだけど、キャラが濃すぎるので無理。矢沢心の演技が唯一心残りかなぁ。
何でか機会が多すぎたので、2週間のうちに3回も見てしまった(汗
まあテンポの良い映画なので、見始めると最後まで見ちゃうんだな。





受賞:ブルーリボン賞/新人賞(2004)

監督:中島哲也
出演者:深田恭子 、土屋アンナ 、宮迫博之 、
   篠原涼子 、樹木希林 、阿部サダヲ 、岡田義徳 、
   荒川良々 、小池栄子 、矢沢心 、生瀬勝久 、本田博太郎

2004年日本

OLDBOY [オールド・ボーイ]

2005-08-24 02:08:03 | サスペンス・ミステリー
[あらすじ]
妻と一人娘を持つ平凡なサラリーマン、オ・デス。彼はある日突然何者かに誘拐され、小さな部屋に監禁されてしまう。理由は決して明かされないまま15年間監禁され続けた後、突然解放されたデス。いったい誰が、何の目的で? デスはふとしたことから知り合った若い女性ミドの助けを借りて、監禁した相手の正体を探り始める。そしていつしかミドはデスに愛情を抱くようになる。そんな2人の前に現われた謎の男ウジンは、“5日以内に謎を解き明かせ”と、互いの命を賭けた“ゲーム”を提案するのだった。

カンヌでグランプリだし、公開当時から見たかったけど結局レンタルで見た。まあ、15年監禁→解放の謎解き展開自体は意外とシンプルなので、見終わった後は意外とあっさり感がありました。そのアイデアの斬新さと奇抜さはすごいおもしろかった。まあ、しかしあれだ。結構見慣れてるけど、エログロいね。エロっつーか卑猥かも。セクシャルとは違うんだな。でもって、この手のストーリーにしては「殺し屋1」ばりとまではいかないけど、近いグロさwww あー、舌がーーー。しかもバールで歯を抜いちゃったよ。痛てぇ!!けど、このエログロさが主人公のカオティックな状態と精神的ショックな感情に上手くかみ合ってたので、個人的にはありです。そして、主人公の演技が良かったと思います。
けどこんだけショッキングな内容を扱ってるわりに、感情移入がいまいちできなくて、で、オチへの流れで…結論、そんなに印象には残りませんでした。おもしろいんだけど。個人的には、復讐復讐ってよりはもっと違う人間性が見たかったかな。
これがグランプリとったのはタランティーノの影響ありそうだ。


カンヌ国際映画祭グランプリ 

韓国

監督: パク・チャヌク
プロデューサー: キム・ドンジュ
原作: 土屋ガロン  (作)/『オールド・ボーイ』(双葉社・アクションコミックス刊)
嶺岸信明  (画)
撮影: チョン・ジョンフン
音楽プロデューサー: チョ・ヨンウク
 
出演: チェ・ミンシク Choi Min-sik オ・デス
ユ・ジテ Yu Gee-Tae イ・ウジン
カン・ヘジョン ミド
チ・デハン
キム・ビョンオク
オ・ダルス
ユン・ジンソ

茶の味

2005-08-23 05:26:21 | ヒューマンドラマ
[あらすじ]
春野家の家族は皆、春霞のようなモヤモヤを心に抱えている。冒頭でナレーションがのほほんと語るのは、惚れっぽいくせに内気な長男、春野ハジメの恋の悩み。一方、小学校に入学したばかりの妹、春野幸子の小さな葛藤は、ときどき巨大な分身が勝手に出現し、自分をじっと見下ろしていることだった。子育てが一段落した専業主婦の母親、美子は、アニメーターに現役復帰するため奮闘中。父ノブオはそんな妻に取り残された感じの片田舎の催眠治療士。 振られた恋人への未練で、橋の上を行ったり来たりの叔父さんアヤノ。自分への誕生日プレゼントとして自主制作CDを作ることで現実逃避するノブオの弟、漫画家の轟木。春から夏へゆるやかに時は流れ、それぞれのモヤモヤが穏やかに収束していく。そして家族に残された半ボケの変人オジイ、アキラが描いた4冊の画帳。
その「家族の風景」には溢れんばかりの愛が"仕掛け"られ、その愛はみなで眺める神々しい夕焼けにひろがり、バラバラでモヤモヤだった春野家を共通の想いでつないでゆく。


好きか嫌いか分かれるとして、とりあえず私は結構気に入りました。石井克人の作品は、3つ(鮫肌~とPARTY7)しか見てないけどこれが一番現実的だなぁ。複数の人のいろんな行動や思惑が少しずつリンクする、メインのストーリーがあるようで無くて、笑えたりしらけたり。まあ監督らしい作品。まあ、時折行き過ぎてしらけるのはそれも味としよう。
一番好きなくだりは、オジイがヨシコと雨の日に出かけた時にたんぼ道で先に走っては振り返って、、、ってのがラストでああいう風に繋がってたとこかなぁ。これと言って、すごい感動するわけでもないんだけど、ボーっと見て、ほのぼのして、見終わった後に「何か変だったけど良い話しだったよね」と思える作品でした。とりあえず、あの「山よ山よ」の歌が一回しか聞いてないのに耳から離れない。さすが元CMディレクター。


原作者:石井克人
監督:石井克人
脚本:石井克人
出演者:坂野真弥 、佐藤貴広 、浅野忠信 、手塚理美 、
我修院達也 、土屋アンナ 、中嶋朋子 、三浦友和


http://www.chanoaji.jp/


2004年日本

マレフィク -呪われた監獄-

2005-08-05 03:22:06 | オカルト・サイコ
[あらすじ]
詐欺の罪で捕まり、古い牢獄の監房に収容されたカレル。その監房には、女装癖のある一方で夜ごと筋肉トレーニングに励み、脱走の機会を付け狙うマルキュスや、図書係のラサール、そして自傷癖のあるパケレットと、いずれもくせ者揃いの犯罪者たちが収容されていた。そんなある日、彼らは、部屋の壁の奥深くに隠されていた古い囚人の日記を発見。そこには、黒魔術のものと思しき、何やら曰くありげな呪文と絵文字が記されていた。脱獄のヒントがそこに記されているとみた彼らは、必死にその解読を試みるが、かえってそれが地獄への扉を開くこととなって、彼らはとんだ恐怖を味わうハメとなり…。


まあ、密室は密室だけどさ。で、まあ古い黒魔術を示した日記が…ってのは、あくまでストーリーを見せるためのアイテムなだけで、本質には実は違うものがあるんじゃないかなぁと勝手に思ってます。それは個性の強すぎる4人の人間性と「心の闇」。それがフランスらしい感じで描かれてるかなぁ。キャラが立ってるので上手くいってると思います。なので、見終わった後にあんまりホラーとかオカルトくささ全開の印象がなかったです。確かに表面的に見れば、超B級なオカルトなんだけど。あらすじもどう説明してもそうなるし。違うんだってば!!とちょっと言いたい。(ちょっとだけでいいけど)痛いシーンとグロいとこがちょっとあります。何でも食べてしまう青年(妹を食べて収容されてる)がゴキを食べてしまうとこでは、オエってなるけどwww でも直後にもっとひどい似た系統の動画を見てしまったので、一匹くらいたいしたことないね、とか今になって思う。ラストも「ああ、あんなとこに行ってしまうのか!!」とちょっとおもしろかったです。この微妙な腑に落ちなさっぷりもフランスかなぁ。


監督:エリック・ヴァレット
出演者:ジェラール・ラロシュ



MALEFIQUE
2003年フランス

コンクリュージョン

2005-08-05 02:57:29 | クライム
[あらすじ]
FBI捜査官マイクは、ハンガリーに拠点を置くロシア・マフィアに潜入し、ボスのダリウスに近づく。だが、潜入捜査の情報が漏れ、なかなか近づけない。そして味方の捜査官ロブからは敵に寝返ったと問い詰められる始末。そんな中、ロシアの核弾頭が盗まれた。ダリウスがテロリストに売り渡す前に奪還しなければならない。それを阻止するため、マイクはダリウスの娘カティアに急接近するが…。


まあ、意外と先は読めたり。一箇所騙されたけど。アクションという程、すごいアクションがあるわけでも無くて、どっちかと言えば、UKっぽいスタイリッシュさとマフィアを前面に出してあるかなぁ。ほんとにFBIとマフィアの板ばさみっぷりが演じられてて、個人的にはおもしろかったです。大盛り上がりはすることなく、淡々としてるのでスカッと爽快なアクションを期待するとイマイチかも。でも、ビリヤードのキューで殺しちゃったりするんだよ。ベルトに仕込んだ盗聴機のシーンもちょっとハラハラしてみたりして。若干あっさりした顔に甘さと色気もあるStephen Dorff はかっこいいぞ、おい。


DEN OF LIONS
2003年アメリカ


監督:ジェームズ・ブルース
製作総指揮:アヴィ ラーナー
出演者:スティーヴン・ドーフ 、ボブ・ホスキンズ 、ローラ・フレイザー 、イアン・ハート

ドッグヴィル

2005-08-04 01:51:27 | サスペンス・ミステリー
[あらすじ]
山あいの小さな村ドッグヴィルにひとりの女・グレース(ニコール・キッドマン)が逃げ込んでくる。どうやらギャングに追われているらしい。村一番のインテリを自負し、人々を正しく導くことに情熱を燃やすトム(ポール・ベタニー)は、素性の知れない彼女をかくまうことを住民たちに提案する。グレースを受け入れる条件は、2週間で彼女が村人全員から気に入られること。閉鎖的な人々と打ち解けようと、グレースは肉体労働を申し出て必死に尽し始める…。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のラース・フォン・トリアー監督が描き出した作品「美しく残酷な寓話」


全くもって前情報無しに見始めた作品。2003年カンヌ映画祭でかなり話題になったらしいです。どんな撮り方をしてるのかさえ知らなかったので、舞台劇をそのまま映画にしたような作品が出てきてびっくりした。(正直、プロローグだけかと思ってた)時間が177分と長めなんですけど、これがまた飽きることなく見れてしまいます。
人間の本質とか、そういうものが題材だとやっぱ面白いです。撮り方もラストのインパクトもエンドロールの現実さもかなり大きい作品で、こんなのが作れてしまうとか素晴らしい。愛情(無償も偽善も)・不信・努力・許容・いたわり・憎しみ・裏切り・迷い・堕落・残酷さ、、、あますとこなく全部見れる気がします。ということで、楽しい映画では無いけど興味深い映画です。疲れるけど、眠気も覚めるおぞましさ。これ一つで文学作品になりえるぐらいの秀作だと思う。これが私の感想です。
最後は犬達に無償の愛で許してきた神が裁きを下したのかもね。とか言ってみたりして。



DOGVILLE
2003年

監督・脚本 : ラース・フォン・トリアー

出演 : ニコール・キッドマン
ポール・ベタニー
クロエ・セヴィニー
ローレン・バコール
ジェームズ・カーン



http://www.gaga.ne.jp/dogville/top.html

MAY - メイ -

2005-08-04 01:23:37 | オカルト・サイコ
[あらすじ]
内気でコンプレックスいっぱいの女の子メイ(アンジェラ・ベティス)。子供の頃から周りに馴染めず、唯一の友だちは母親がくれた人形のスージーだけ。そんな彼女が、初めて恋人を手に入れた。優しくて大きな手を持つアダム(ジェレミー・シスト)。メイはアダムとの関係にどんどんのめり込んで行く。ところが、メイの強い想いは次第に常軌を逸し始めた。メイの奇行を面白がっていたアダムも、唇を噛み切るほどのキスに怖じ気づき、彼女を避けるようになる。また、独りぼっちに戻ったメイ。寂しさに心を蝕まれていくうちに、少女はふと思いついた。「友だちができないなら、完璧な友だちを造ればいい…」職場の動物病院からメスや切断器具を持ち出したメイは、最高の材料を求め、大好きなアダムの手や、女友達の首、素敵なタトゥが入った腕など、それぞれお気に入りの美しいパーツを集め始めるのだが…。


あ、あらすじのまんまです。これだけ見るとサイコな印象だけど、若干オカルトあり(人形とか)、グロあり、ホラーの要素ありで、時間も短めの94分なんでさらりと見れてしまいます。この女優さんと、人形がかなり良い味を出してたので、個人的には久しぶりに「内面の狂気」が十分描かれた作品で、見てておもしろかったです。何でしょうかね、こんだけ頭おかしくて気持ち悪い要素満載なのに、どこか切なくて美しくて寂しい映画。人付き合いの難しさは形やレベルは違えど誰にでもあるものだし、その点特殊なメイの性格のため自分なりの努力が報われないさびしさ。「友達がいなければ作ればいい」。やっぱりこの言葉につきますねwww 最後に作った友達のシーンの幸せそうな顔と、作ったはずの友達が自分を見てくれない悲しさ。あー、そしてそこで最初のあれにリンクするのか!てか、スージーはどんだけ会話をしてくれてたんだろう。悲しいなぁ。普通の猟奇系や化け物系を望む人には物足りなさはあるだろうけど、ちょっとばかりオススメです。グロが見れるなら。

監督・脚本:ラッキー・マッキー
出演者:アンジェラ・ベティス /ジェレミー・シスト/
アンナ・ファリス/ジェームズ・デュバル

http://www.maythemovie.jp/

2002年アメリカ

MAY - メイ -