5/13(土)、シネ・ウインド「バクシーシ山下の社会科見学in新潟14」を見に行ってきました。
バクシーシ山下監督が普通に生きていたら見られない個性的なAVを紹介していく企画、今回は梁井一監督がゲスト。
まずはバクシーシ山下監督作品「マジギレの女 真木いずみ」(1998年)。
1998年、飯島愛さんに憧れてAV女優になった真木いずみさんの「めちゃくちゃなことがしたい」という願望を叶えるために、アクの強い監督が次々登場するが、最終的に過激なSM撮影の中ついに真木いずみさんの感情が爆発!
続いて、梁井一監督作品「True Love 3」(2019年)。
今まで恋愛でたった一度の浮気さえも許せなかった男と、今まで付き合った男と一度もセックスをしたことがないのに知らない男とばかりはセックスしてきた女のカップルが、ネトラレセックスに挑戦するという内容で、色々な感情が入り乱れた果てに交わる2人に謎の感動が…
最後は、AV女優さんがカレーを作るという、梁井一さんの短い作品も上映。
10分くらいある時間の中でひたすらカレーを作っていて、エロシーンは10秒くらいしかないのですが、これはあくまでエロはおまけでこれから配信していくそうです。
上映後には、山下監督、梁井監督のトークも開催。
今回の2作品を上映して見えてきたのは、2人がAVを撮ってきた時代の違いと、その間のAVの歴史。
山下監督が活躍したのは1990年代。
当時は、AVが盛んに作られた時代で、キワモノAVも多く作られたそう。
そんな時代に山下監督は、まさにキワモノな男女をある種、見世物的に撮るという、他の追随を許さないAVを撮ってきた。
梁井監督はそんな山下監督に憧れつつ、当時の表現は今では許されない、最近では見世物的なAVではなく被写体に寄り添ったAVが増えていると語っていました。
その結果、今回の梁井監督の上映作品も、あの独特なカップルに寄り添ったからこそ撮れたもの。
そして、最後に上映されたAV女優さんが料理を作る映像作品も、配信用に撮ったそうで、VHS→DVD→配信という時代の変化も感じられて興味深かったです。
そして話題は、2022年に成立したAV新法に。
撮影に制限が増えたことに対する賛否がありつつも、過去に逮捕された監督が残した「猥褻で何が悪い。またやります」という言葉も紹介。
さらに今では、法の網の目を抜けるような非合法な自主制作AVの存在。
しかし、そこにある情熱は時代の変化の中でAV業界が失ったものなのか?
まさにAVは時代を映す鏡。
そんな社会の変化とともにある「バクシーシ山下の社会科見学」、この先の時代も定点観測していきたいイベントだ。