ゑんぢんぶろぐANOTHER!

環境の激変に当の本人が一番馴染んでいない現状…まぁぶろぐは二つとも変わらずまったりどうでもいい事をつらつら書くだけだが。

シリーズ「読了」

2020-10-17 23:25:03 | 読書
「一番線に謎が到着します 若き鉄道員・夏目壮太の日常」
著者:二宮敦人

「亜矢子の忘れ物」「清江と、化けて出たダーリン」「俊平と、立派な髭の駅長」の短編三作と5本の掌編からなる短編集。

冒頭の描写から「お、コレもごはん系か?」と思わせるがところがどっこい(死語)…いや折に触れて美味しそうな料理の描写が出て来るモノの(それどころか重要な伏線の一つでもある)、本筋はソッチではなく…。

ローカル路線の小さな駅の「駅員」を中心に置いて…形としては日常の謎系のミステリーではあるが、様々なジャンルを股に掛けた…何とも形容しがたい一冊になっている。

「忘れ物」を題材に「鉄道会社」の仕事と「亜矢子」の複雑に揺れる感情を描き出す「亜矢子の忘れ物」。
実際オレが亜矢子の立場なら同じ事をやりそうな気はする←

「俊平と、立派な髭の駅長」では、桁外れの大雪に見舞われたローカル路線の奮闘と人生の岐路に悩む「俊平」の交錯を絶妙な筆で綴る。募る不安と緊張、そして熱意と熱量が伝わるクライマックスは熱い。
…またオチ?としてついに姿を現す「駅長」(いや実は最初っから出てはいるんだがw)の描き方が実に上手いw思わず最初の方を読み返してしまったw

そして「白眉の一本」とも言える「清江と、化けて出たダーリン」。
タイトルが軽めなのでそんなに気負わずに読んでいたが…小さな謎やさり気ない伏線を緻密に積み重ねた果てに浮かび上がる「真相」。

コレはお見事としか言いようが無い。

正直、泣けた。

更に、幕間の掌編「俊平の憂鬱」をプロローグからエピローグまで余さず見ていくと…巻末で明らかになる驚愕のエンディングwwいやこれは言葉に偽り無しだわ。

素晴らしい一冊。


続編も出てる…レビューを待て!←


蛇足…どうにも表紙(の絵柄)が内容に見合っていないような気がする…。

「満足度:◎」
◎:オススメ
◯:まずまず
△:好きな人もいるかも
×:読まない方が…
※:絶版キボンヌ

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