いつもと変わらない朝に思えた
いつものように、車で職場に向かい
いつもと同じように
無事に駐車場に到着した
しかし、明らかにいつもと違う光景に
一瞬目を疑ったのだ
道路に面した駐車場の
道路側にあるゴミ捨て場の手前の
砂利道の端に
老婆がうつ伏せに倒れ、もがいていたのだ
周囲の状況から、ゴミ捨てに来て
両手を塞がれ転んだまま
起き上がれなくなったようで
時折、手足を力なくバタつかせていた
助けなきゃ、と思い
車を停めようとバックしていると
ちょうどゴミ捨てに来た男性が
老婆に気づくなり
手に持ったゴミを投げ捨て
慌てて走り寄った
老婆は抱き起こされて
言葉もなくぼう然と立ちすくんだまま
男性は穏やかに声をかけながら
周囲に散乱した空き缶などを
手早く拾い集めていた
私はホッと安心して
声もかけずに、そっとその傍らを
通り過ぎて職場に向かったのだった
職場に着いてから
大丈夫ですか?と一声かけるべきだったと
少し悔やまれたが
その時は全く声など出る状態ではなかった
不意の出来事に
少なからず動揺していたのだろう
普段から、予期せぬ事態にも
いつでも困っている人に
声をかける心づもりをしておくことが
大切なのだと痛感した..
そんな、今朝の出来事であった