ポーチュラカ 花言葉 いつも元気
通勤の朝、ふと空を見上げた
晴れているのに
空と雲とが溶け合い
境目がわからなくなっている
ついこの間まで
青い空と白い雲の輪郭は
くっきり分かれ
そのコントラストを
際立たせていた
もしかしたら 季節の神様が
秋色の絵の具を使う前に
余分な絵の具を落とそうと
絵筆を空にこすりつけた
跡なのかも知れない
第一次反抗期に入った幼児は
盛んに反対言葉を使って
大人を困らせる
何でもかんでも
「イヤイヤ」「キライ」「バカ」
なんとも可愛いものだ
でも 厄介なことに、
反抗期をとっくに抜けたいい大人も
時には反対言葉を使うのだ
なぜ厄介かと言うと
大人の反対言葉は
ひねりが入って複雑で
翻訳が難しいからだ
大人の反対言葉の毒気に惑わされず
目を閉じて子供のそれを聞くように
じっと心の耳を澄ませば
反対言葉のからくりが解け
その真意が見えて
泣けて来たりする
切った爪のような
細く細く欠けた月を見た
うっかり触れたら
指が切れそうな尖った月
でも、本当は月は欠けたりしない
欠けて見えるだけで
ずっと変わらぬ丸い丸い月だ
人間だって 時には尖って
人を傷付けることもあるが
本当は丸い丸い月なのだ
完全無欠な人間が、
実は存在しないように
100%欠点だけの人間も
決して存在しない
人間は役割を分担し合うために
群れている
群れから外れるべき人間など
一人もいない
我々は 完全無欠な群れである
玉虫を見た
えも言われぬ煌びやかな姿で
駐車場のアスファルトの上を
のそのそ歩いていた
弱っているのか
何度も羽を広げて震わすが
飛び立てない
広げた羽の下の背中は
黒みがかった赤色で
それがまた何とも美しかった
玉虫は何故あれほどまでに
豪華絢爛なのだろう
例えば今生での行いが悪く
来世は虫からやり直す定めだとしたら
閻魔大王様に
せめて玉虫にしてもらえないかと
懇願してみようか
ダメもとで..
雨の日が続いて
あちこちの木陰や草むらに
見慣れないキノコが生えている
タマゴタケはいかにも
猛毒がありそうで
実は 旨味の強いキノコだそうだ
キノコも人も、
見かけによらない
(あ、今だ..)
辺りがだんだん夕闇に包まれる前の
ほんの数分間
現実と幻の境目がなくなる
幻想の中にすっぽり入り込んだような
不思議な感覚になる
子供の頃にタイムスリップしたような
夢の中に浸れるほんの数分間..
黄昏時に こんな感覚を覚えるのは
私だけだろうか