狗尾草(エノコログサ) 花言葉 遊び 無邪気
赤ちゃんは
母親が微笑みかけるのを真似て
笑顔を覚えて行く
その性質は大人になっても
残っているようだ
微笑みを持って話しかけていると
仏頂面だった人も
笑顔で話すようになる
無いものねだりは
今あるものたちを軽んじること
だから、欲しいものたちは逃げていく
そこに行っても軽んじられてしまうから
今あるものたちを愛おしんで過ごせば
欲しいものたちは自ずと集まって来る
そこにいけば大切にしてもらえるから
AさんはBさんが苦手である
BさんはCさんに頭が上がらない
それなら、Cさんはさぞかし
Aさんを見くだしているだろうと思いきや
CさんはAさんに一目置いていたりする
人間社会の力関係には
不思議なトライアングルが
存在する
明日に必ず在ると
約束されている人は
一人もいない
未来とは 今、
この瞬間に在るという
奇跡の積み重ねだ
ああ、今も
小鳥たちが
高らかに奇跡を
歌っている
他人に優しい人がいる
声の穏やかな人がいる
奏でる音の柔らかい人がいる
美しい庭を造る人がいる
でも ふと思う
もしそれが、その人にとって
泣きじゃくり癇癪を起こす
手に負えない自分への子守唄だとしたら..
それらが優しければ優しいほど
美しければ美しいほど
その人の内なる戦いは激しく
その人の切なる願いは深い
全身に痛点があるように
心にも痛点がある
何かの出来事が心の痛点に触れると
チクリと痛む
その痛みから目を反らさず
しっかり見詰めて
その正体を知れば
大抵の痛みは緩和へと向かう
厄介なのは
心の深みにある痛点
それは 幼い頃についた
古傷に通じているから
成すすべもない心の痛みを覚えたら
泣いている幼い自分のために
そっと.. 子守唄を唄おう
子供たちの小さい頃
私が怒ってしばらく口をきかないでいると
男の子は お母さんごめんなさい と言いに来る
女の子は お母さん仲直りしよう と言いに来る
喧嘩じゃないし..
女は現実的な生き物だ
男の方がよほど
ロマンチストだ
そして女は
男が夢を見ていてくれることに
安らいでいる
自分が見れない夢を
見せてくれるから
これを取り違えるから
揉め事になる
これが現実だ
黒い虫がカーテンに止まっていた
あ、クワガタだ と思い
いそいそ身を乗り出すように見に行った
近づいてみたその時
不気味に揺らめく長い触角が見えた
完全に無防備だった私は
一瞬で石にされてしまった