とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『おかあさん』サトーハチロー  詩集 : 母を思い出す時、手にしたくなる詩集

2019年02月26日 13時37分24秒 | 

(旧宅の花) 

ついこのあいだの夕刻、小腹がすいてミルク紅茶を飲みたくなり、 台所に立った。

 

小鍋をとりだし、牛乳をそそぎ、テイパック2袋をいれて沸かしはじめた。

温まるにつれ、甘い牛乳紅茶の香りがたってきた。

 

私は突然、幼いころ母がいれてくれたミルク紅茶を思い出した。

甘くておいしくて 子供の私はびっくりして飲んだものだ。

 

私はなつかしくて思わず「おかあさん」とつぶやいた。

そして、台所の片隅で涙を流した。

 

私は反抗期が激しくて母に強く反抗した娘だった。

中学3年の2学期で親をふりきるように遠い学校へ進学するために家を出た。

それ以来、ホムシックにかかることは一度もなかった。

 

それなのに、最近やけに母のことを思い出す。母がしてくれたことをしみじみ思い出す。

そして泣く。

 

この年になり、はじめて、サトーハチローの詩集『おかあさん』の意味を理解しました。

 

アマゾンのレビューが過不足なく感想文を書いていますね。

まったくその通り。

 

あんなに子供のころなついていた子供が、中学生のころになり突然憎たらしい子に変わっても悲しまないで、世のおかあさん。

帰ってきますよ、あなたのもとに帰ってきますよ。しみじと思い出すのはあなたが亡くなってからですが。

 

おかあさんとは、それでいいのだと思います。わたしも、おかあさんだから、それでいいと思います。

 

詩集おかあさん全3巻 単行本 – 1998/10/1

OLD MAN

2013年2月16日

Amazonで購入
50年ほど前、TV番組(もちろん白黒でしたが)に同名の番組があり、母がこれを見ては泣いていたのを覚えております。この番組の冒頭でサトウ ハチローの詩が朗読され、その内容に沿ったストーリーが番組でドラマ仕立てで紹介される…という流れだったと思います。当時小学生だった私は、なぜいつもこの番組を見ながら母が泣くのかよくわからず、茶化していましたが、そんな母も数年前に他界し、私も母なしっ子になってしまいました。母のいない身の上になってこの詩集を読むと、母親の愛情、母を思う子供の気持ちがストレートに心に響きます。古来、孝行をしたいときには親は無しと言われてきました。ご両親がご健在の方は、今のうちにうんとご両親をいたわってあげてくださいね。

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