どうしても訳せない言葉、それはフランスの絵本の中にでてくる言葉。まだ乳母車に乗っている赤ちゃんが一言ことばを話しはじめるはなしだ。
赤ちゃんは一言ことばで大人に意思表示をはじめる。たいがいは、拒絶の言葉だ。
絵本の赤ちゃんは、拒絶しまくる。
おふろへはいろう。「PAS」(パ)
歯磨きも 「PAS」(パ)
犬に会ったら、「PAS」(パ)
おばあさんがたずねてきも、「PAS」(パ)
この調子ですべて拒絶する。
さいごのページに落ちがある。
パン屋さんへ行ったら乳母車のなかの赤ちゃんは、パン屋さんからパンを1個もらう。ぺろりとたいらげ、はじめて別の言葉を言う。「ENCORE](アンコール)(もっと)
赤ちゃんがこのように一言ことば、あるいはつたないものまねで二言、三言ことばで話し始めることばを「なん‐ご」【喃語】という。参考:〔心〕嬰児(えいじ)の、まだ言葉にならない段階の声。(by広辞苑)
フランス語の否定形(では、ないということ)はne....pas (ヌ......パ)であらわすが、口語体ではne(ヌ)がしばしば省略される。それを聴いている赤ちゃんが「PAS」(パ)といえば拒絶できると考えるのは分かる。
けれど、問題はその先だ。日本人の赤ちゃんの拒絶の「なん‐ご」【喃語】はいったい何だろうか?
3人も子供を育てたのに、夢中だったので、記憶にない。
「やだ」「いや」「ううん」「ないない」........どれも面白みがない。いったい、どう訳せばいいのか?「PAS」(パ)にはお手上げだ!「NON」(ノン)でないところがミソだから。
PS:わが子で少しだけ覚えているステキな「喃語」がある。ヘリコプターの音を聞いて「あっ、ひこーきぶただ!」といった。かわいいね。