森友学園の国有地取引をめぐる財務省による決裁文書の改ざん問題。参院予算委員会で19日、安倍晋三首相麻生太郎財務相らが出席し、集中審議が開かれます。野党の追及に対し、両氏はどう答弁するのか。改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官証人喚問の実現は。論戦をタイムラインで追います。

 

与党内にくすぶる佐川氏喚問慎重論 きょう集中審議

 学校法人・森友学園大阪市)への国有地売却問題で、参院予算委員会は19日、安倍晋三首相麻生太郎財務相らが出席して集中審議を行う。野党各党は財務省の決裁文書改ざんの経緯や首相側の関与などについて追及する方針。佐川宣寿・前財務省理財局長の証人喚問について、同日中の議決を求める。

改ざん問題、政府説明にほころび 首相答弁にも疑いの目

決裁文書の改ざん問題で、政府の説明に次々とほころびが出ている。安倍晋三首相の答弁にも疑いのまなざしが向けられる事態になっている。

 財務省は、土地の大幅値引き問題が発覚した後の昨年2月下旬~4月に14件の決裁文書を書き換えたと説明。当時の理財局長だった佐川氏らが国会で否定してきた「価格交渉」や「学園の特別扱い」をうかがわせる記載が削除され、その中に首相の妻・昭恵氏の名前も含まれていた。

 安倍首相は昨年2月17日、「私や妻が関係していたということになれば首相も国会議員も辞める」と答弁した。理財局長の太田充氏は今月16日の参院予算委で、佐川氏が改ざんを「知っていた」とし、「首相や大臣の答弁もあった。政府全体の答弁を気にしていた」と述べ、首相答弁が影響した可能性に言及した。

 麻生財務相は首相答弁の影響を否定し、「最終責任者が理財局の局長である佐川氏だ」と強調している。しかし野党は「佐川氏に責任を押しつけている」(小池晃・共産党書記局長)として、追及する方針だ。

 また、佐川氏の証人喚問の必要性で野党は一致。民進党の大塚耕平代表は18日、記者団に「与野党一致して議決し、今週中にも行ってほしい」と述べた。与党内には喚問への慎重論がくすぶっており、19日中に議決できるかも焦点だ。

官僚の忖度、背景に内閣人事局 異を唱えれば「クビ…」

「私個人には理解できない」。当事者の理財局長すらこう答弁した、決裁文書の改ざんはなぜ行われたのか。その背景にあるのはいったい…。