九州豪雨、死者66人に
被災地で清掃活動本格化
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九州に甚大な被害をもたらした豪雨で熊本県は12日、新たに八代市で1人の死亡を確認したと発表した。豪雨による熊本県内の死者は62人、九州の死者は計66人になった。九州の行方不明は計12人となっている。
土砂崩れや浸水被害が相次いだ被災地では12日、清掃活動が本格化し、行方不明者が出た現場では警察や消防、自衛隊が捜索を続けた。気象庁によると、九州を含む西日本、東日本では同日も局地的に雷を伴う非常に激しい雨が降るとみられる。これまでの大雨で土砂災害の危険度が高まっており、引き続き厳重な警戒が必要だ。
豪雨で高齢者向け99施設被災
9割で浸水・停電続く、九州など
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梅雨前線による記録的な豪雨で福岡、熊本両県を中心に特別養護老人ホーム(特養)やグループホームなど、高齢者向けの99施設が被災し、うち9割に当たる89施設が現在も浸水や停電、断水といった状況が続いていることが11日、厚生労働省のまとめで分かった。
高齢者施設には自力歩行が難しかったり認知症だったりする人も多いが、地価の安さなどから、川沿いや山間部など災害による危険性が高い所に立地する施設も少なくない。今回は職員が手薄になる深夜や未明に災害が起きており、要介護者や障害者ら「災害弱者」の避難の課題が改めて突き付けられた形だ
【LIVE】 最新地震・気象情報 ウェザーニュースLiVE 2020年7月12日(日)
長野県南部で11日夜、激しい雨が降り、複数の土砂崩れが発生した。土砂に巻き込まれて1人がけがをしたほか、孤立している集落もある。
豊丘村神稲では同日午後9時半ごろ、山の斜面が崩れ、土砂が村道とその下を流れる牛草川に流出した。県警飯田署や村などによると、様子を見に出ていた近くに住む自営業竹内敬二さん(58)が巻き込まれ、12日午前0時50分ごろ、川の中で動けなくなっているところを家族が発見、119番通報した。右足骨折の重傷という。
喬木村加々須地区でも11日午後11時10分ごろ、土砂崩れが発生したと村に連絡があった。県飯田建設事務所や村によると、山の斜面が高さ60メートル、幅80メートル崩れ、同村大島地区へとつながる県道をふさいだ。同地区の36世帯64人が孤立状態という。巻き込まれた人はいなかった。県が迂回(うかい)路をつくる作業を始めているが、数日かかる見込みという。
長野地方気象台によると、県南部では3日から断続的に雨が降り続き、土砂崩れが発生しやすい状況が続いている。11日夜にも激しい雨が降り、県南部には土砂災害警戒情報が出されていた。13日にも雨が降る見込みで、注意を呼びかけている。(田中奏子)