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【解説】 日米の関税合意、アジアと世界にとって何を意味するのか 2025年7月24日   BBC

2025年07月25日 10時07分35秒 | アメリカ

【解説】 日米の関税合意、アジアと世界にとって何を意味するのか

スランジャナ・テワリ・アジア・ビジネス担当編集委員

アメリカのドナルド・トランプ大統領は、日本との間で22日に至った合意について、「史上最大の貿易取引」だと述べた。

こうした主張は時期尚早との見方もあるが、それでも、トランプ大統領が今年4月に発表した、いわゆる「解放の日」関税以降で、最も重要な取引であることは間違いない。この関税措置は株式市場を混乱させ、世界貿易に混乱をもたらした。

数カ月にわたる交渉の末、日本の石破茂首相は、今回の取引の合意が世界経済に貢献することを期待していると述べた。

これは大きな主張だ。BBCは、この合意が実際に世界経済に影響を与えるのか、またその場合どのような形で影響を及ぼすのかを検討した。

日本という大企業

日本は世界第4位の経済大国であり、世界の貿易と経済成長の大きな部分を占めている。

日本は、エネルギーや食料の多くを海外から輸入している。また、同国の経済は電子機器や機械、自動車などの輸出に依存している。

アメリカは日本にとって最大の輸出先だ。

一部の専門家は、トランプ大統領による関税措置が、日本の経済成長率を最大で1パーセントポイント奪い、同国をリセッション(景気後退)に陥れる可能性があると警告していた。

今回、関税が引き下げられたことで、輸出企業は、トランプ氏が以前に示唆していた高関税が実施された場合と比べ、アメリカ市場でより安価に取引を行うことが可能になる。

また、この合意によって先行きの見通しが立ち、企業が計画を立てやすくなるとされている。

この発表を受けて、円はドルに対して上昇。日本の製造業者が事業拡大に必要な原材料を購入する際の購買力が高まった。

今回の合意は、トヨタ、ホンダ、日産といった日本の自動車大手にとって特に望ましいとされている。これまでアメリカの輸入業者は、日本車を輸入する際に27.5%の関税を支払う必要があった。

この関税は現在15%に引き下げられており、中国などの競合国の車と比べて日本車が割安になる可能性がある。

一方で、アメリカの自動車メーカーは今回の合意に不満を示している。カナダやメキシコにある自社工場や部品供給元からの輸入に対しては、日本からの輸入より高率の25%の関税を支払わなければならないためだ。

雇用とさらなる協定

関税引き下げの見返りとして、日本はアメリカに5500億ドル(約80兆円)の投資を提案している。石破首相は、「半導体、医薬品(中略)など、経済安全保障上、重要な分野について、日米が共に利益を得られる強靱(きょうじん)なサプライチェーンを構築していくため」だと述べた。

日本はすでにアメリカへの主要な投資国だが、この規模の投資は雇用を創出し、高品質な製品を生み出し、イノベーションを促進するとされている。

この合意では、日本がアメリカ産のコメなどの農産物の購入を増やすことになると、トランプ前大統領は述べた。これは、日本国内のコメ不足の解消に寄与する可能性があるが、市場シェアの喪失を懸念する国内農家を動揺させるかもしれない。

トランプ大統領によると、日本はアメリカからコメを輸入することになるという

15%の関税率は、アメリカと独自に貿易交渉を進めている韓国や台湾などにとっても一つの基準となっている。

韓国の産業通商資源省の長官は、重要な貿易協議のためにワシントンへ向かうにあたり、日本がアメリカと合意した内容を精査する意向を示した。

日本と韓国は、鉄鋼や自動車などの産業分野で競合している。

より広い視点では、今回のアメリカと日本の合意は、他の国々、特にアジアの主要輸出国に対して、8月1日の期限までに、より有利な合意を確保するよう圧力を強めることになるとみられている。

すでにヴェトナム、インドネシア、フィリピンとの合意は発表されている。

しかし、アジアの一部の国々は打撃を受ける可能性がある。

カンボジアやラオス、スリランカなどの小規模経済国は製造業の輸出国だが、貿易や投資の面でアメリカに提供できるものが少ないとされている。

アメリカは欲しいものを得たのか

今回の合意に際しては、アメリカが日本に国防費の増額を求めたとの報道があった。

しかし、日本の交渉担当者は、この合意には防衛費に関する内容は含まれていないと明言した。

赤沢亮正経済再生担当相はまた、鉄鋼とアルミニウムに対する関税は引き続き50%に据え置かれると付け加えた。

これらはいずれも、日本にとっての「勝利」とみられている。日本はアメリカに対し、鉄鋼やアルミニウムよりも自動車を多く輸出しているためだ。

一方でアメリカ側も、8月の自国設定の関税期限までにできる限り多くの合意をまとめるよう圧力を受けている。

アメリカとの交渉と並行して、各国はより信頼できるパートナーを他に求め始める可能性もある。

日米が合意に至ったと発表した同じ日、欧州連合(EU)と日本は、「経済的な強制に対抗し、不公正な貿易慣行に対処するため、より緊密に協力していく」との方針を示した。これは、来日中のウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長による発言だ。

EUは、アメリカとの貿易合意にはまだ達していない。

フォン・デア・ライエン委員長はまた、「グローバルな競争力を信じており、それは全ての人に利益をもたらすものであるべきだ」と述べた。


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