イスラエル空爆でガザ内務省トップ死亡か 死者330人に
【3月18日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマス筋によると、イスラエル軍による夜間の大規模攻撃により、ハマスが運営するガザの内務省トップ、マフムード・アブワトファ将軍が死亡した。ハマス関係者2人が18日、AFPに語った。
ガザ市への空爆で死亡したアブワトファ将軍は、ハマスの警察とガザ地区の治安維持機関を統括していた。
ガザ保健省によると、今回の攻撃は1月の停戦発効後で最も激しいものとなり、死者数は「少なくとも330人」に達した。
保健省のモハメド・ザクト長官はAFPに対し、「330人以上の死者が記録されている。大半はパレスチナ人の女性と子どもだ。負傷者は数百人に上り、うち数十人が危険な状態にある」と述べた。(c)AFP
イスラエルがガザを爆撃:『この休戦が脆弱であることは分かっていたが、昨夜粉々になった』
Israël a intensément bombardé la bande de Gaza dans la nuit de lundi à mardi, faisant au moins 326 morts, selon les services de santé palestiniens. L'Etat hébreu a promis de recourir à la force pour libérer ses derniers otages au risque de provoquer l'effondrement total du cessez-le-feu en vigueur depuis janvier. Les précisions de Claire Duhamel, correspondante de France 24 en Israël. #Israël #Gaza #trêve
パレスチナの保健サービスによると、イスラエルは月曜日から火曜日にかけてガザ地区を激しく砲撃し、少なくとも326人が死亡しました。ユダヤ国家は、1月から続いている停戦の完全崩壊を引き起こすリスクを冒して、最後の人質を解放するために武力を行使することを約束しています。フランス24のイスラエル特派員クレール・デュアメルが説明します。

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イスラエル軍は18日未明、パレスチナ・ガザ地区で、イスラム組織ハマスに関係する「テロ目標」に対して「大規模な攻撃」を行っていると発表した。ハマスが運営するガザ地区の保健省は、この攻撃により、一晩で「少なくとも330人」のパレスチナ人が殺されたと述べた。
報道では、ハマス治安当局の最高幹部で、ガザ地区の内務次官を務めるマフムード・アブ・ワファ氏が攻撃で死亡したとされる。
今回の攻撃は、1月19日に停戦が始まって以降で最大規模。ガザをめぐっては、停戦の第1段階を延長する交渉が進んでいたが、合意には至っていない。
目撃者によると、イスラム教のラマダン(断食月)の最中のため、多くの人が夜明け前に食事をとっていたところ、ガザ地区で爆発が起こった。
20機以上のイスラエル軍戦闘機が上空を飛び、ガザ市、ラファ、ハンユニスの標的を攻撃し始めたという。
AFP通信は、ガザ保健省の責任者モハメド・ザクート氏の発言を引用し、死者のほとんどが女性と子供だと報じた。
ザクート氏によると、さらに数百人が負傷しており、「そのうち数十人が重篤な状態にある」という。
イスラエル首相府は声明で、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とイスラエル・カッツ国防相が18日朝に攻撃を命じたと発表。攻撃について、「ハマスが我々の人質を解放することを繰り返し拒否し、スティーヴ・ウィトコフ米特使や仲介者から受け取ったすべての提案を拒否したことによる」と説明した。
また、「イスラエルは今後、ハマスに対して軍事力を強化して行動する」とした。
攻撃計画は「週末にIDFによって提示され、政治指導部によって承認された」という。
カッツ国防相は、「人質が解放されず、我々の戦争目的がすべて達成されない限り」、ガザ地区での戦闘を続けると述べた。
ネタニヤフ首相は以前、ガザでの戦争の目的は人質の解放と、ハマスの軍事力の「破壊」だと述べていた。
イスラエルのダニー・ダノン国連大使は、ハマスに対しすべての人質を解放するよう警告し、「我々は敵に対して一切の慈悲を示さない」と述べた。
米ホワイトハウスの報道官は米FOXニュースに対し、イスラエルが攻撃前にドナルド・トランプ米政権に相談したと語った。BBCがアメリカで提携しているCBSも、イスラエル当局者の話として、イスラエル政府が攻撃前にホワイトハウスに通知したと伝えた。
一方、ハマスは攻撃に激しく反発し、停戦合意を覆したイスラエルによる裏切りだと非難した。さらに、ガザ地区で依然として拘束しているイスラエル人の人質を「未知の運命」にさらしているとも述べた。
ただ、ハマスはまだ戦争を再開するとは宣言しておらず、仲介者や国連に介入を呼びかけている。

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エジプトのカイロから取材しているBBCのラシュディ・アブアルーフ・ガザ特派員によると、ガザ当局は地区内の五つの病院から情報を集めようとしている。
当局によると、攻撃は複数の標的を対象にしたもので、死者には50人以上の子供と28人の女性が含まれているという。
アブアルーフ特派員はまた、ガザの病院の医師らの話として、病院では250人以上の負傷者が受け入れられていると報じた。一部の負傷者は非常に重篤な状態にあり、病院側は設備や医療機器が足りない状況で、被害者を手当てしようとしているという。

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3月1日に停戦の第1段階が終了して以降、交渉の仲介者らは停戦合意を前進させる方法を模索している。
アメリカは先に、第1段階を4月中旬まで延長するよう提案している。この案には、ハマスが拘束している人質と、イスラエルが拘束しているパレスチナ人の交換を続けることが含まれている。
交渉に詳しいパレスチナ当局者はBBCに対し、ウィトコフ特使が間接交渉で提示した合意の重要な側面について、イスラエルとハマスで意見が対立していると述べた。
イスラエルはアメリカの支持を受け、長期的な停戦と、ガザへの援助物資の運び入れ再開を推進している。
一方、ハマスは戦争の恒久的な終結と、1月に発行した元の停戦合意の第2段階、第3段階の条件に沿った、ガザからのイスラエル軍の完全撤退についての交渉を求めている。
ハマスは2023年10月7日にイスラエルを急襲し、1200人以上を殺害、251人を人質として連れ去った。犠牲者の多くは民間人だった。
この攻撃を受けてイスラエルはガザに軍事作戦を展開。ハマスが運営するガザ保健省によると、これまでに4万8520人以上が殺された。その大半が民間人だという。この人数は国連やその他の機関でも使用されている。
ガザでは人口210万人のほとんどが何度も避難を余儀なくされている。また、建物の約70%が損傷または破壊され、医療、給水、衛生システムが崩壊し、食料、燃料、薬品、シェルターが不足している。