韓国軍合同参謀本部は4日、北朝鮮が3日午後11時28分ごろ、韓国との軍事境界線に近い江原道金剛郡(クムガングン)周辺から日本海に向けて約80発の砲撃を行ったのを確認したと発表した。韓国軍は北朝鮮側に対し「こうした挑発は朝鮮半島や国際社会の平和と安定を害する行為であり、すぐに中止するよう求める」と警告した。

 北朝鮮は3日、日本海に向けて大陸間弾道ミサイル(ICBM)とみられるミサイルを含む計6発の弾道ミサイルを発射。ICBMとみられるミサイルは2段目を分離した後に失速して墜落し、実験は失敗したと韓国側はみている。北朝鮮がミサイルなどの発射を続けるのは、10月31日から行われている朝鮮半島付近での米韓両空軍の大規模な訓練に反発した動きとみられる。

 米韓両軍は3日、北朝鮮のミサイル発射を受け、4日までの予定だった訓練の期間延長を決定した。これに対し、北朝鮮は3日夜、朴正天(パクジョンチョン)・朝鮮労働党書記の談話として「取り返しのつかない大きな過ちを犯したことを知ることになるだろう」と警告。米韓両軍は、北朝鮮が同日深夜の砲撃に続き、さらなる挑発行動に出る可能性が高いとみて警戒している。(ソウル=鈴木拓也)