「日本赤軍」重信房子元幹部 刑期20年満了で出所(2022年5月28日)
重信房子・元幹部「生きて出てきたなあと」 出所、被害者に「おわび」
2022/5/28 毎日新聞
1974年にオランダ・ハーグの仏大使館を占拠した「ハーグ事件」で殺人未遂などの罪に問われ、懲役20年の判決を受けて服役していた重信房子・元日本赤軍最高幹部(76)が28日朝、東京都昭島市の東日本成人矯正医療センターから刑期を終えて出所し、10分弱にわたって報道各社の取材に応じた。
服役中に4回の手術を受け、体調は現在も思わしくないという。「生きて出てきたなあという感じが強くある」とした上で、今後については「新しい道で、好奇心を持ってもっともっと生きていきたい」「治療と学習。すぐ病院を選んで入院しながら、リハビリをしたい。体力を回復できれば、また皆さんに会えると思う」などと話した。
一方、日本赤軍による一連の事件について「半世紀前にはなったが、人質を取るなど、自分たちの戦闘を第一にしたことによって見ず知らずの人に被害を与えたことがあった。古い時代とはいえ、この機会におわびする。そのことを自分の出発点として据えていきたい」と述べ、頭を下げた。
重信元幹部は逮捕後の2001年に日本赤軍の解散を表明しているが、警察当局は「テロ組織」として存続している可能性があるとみている。重信元幹部はこの日、「警察情報だけをうのみにしないでほしい。テロリストと言われる人がいれば、なぜその人がテロリストと言われるのか、(警察などの)言っている人の意図をよく読み取っていただきたい」と主張した。【斎藤文太郎】