
要約 (”は引用)
(がちょうの)”ペチュニアは、まきばのはずれの川でおよぐのがすきでした。川は、おおきな岩や、モミの木のしたを、ゆっくりながれていきました。”
ある日、ペチュニアは、川のそこにもぐっていくと、しんちゅうの金具がついた、おおきな箱をみつけます。
”「これは、たからのはこよ」と、ペチュニアはおもいました。”
かいぞくが、おいていった「たからのはこ」だとおもいました。
”ペチュニアは、きしにあがって、よく かんがえてみました。”
「わたしは、おかねもちに なったんだわ。たいした がちょうになったんだわ」
ペチュニアは、えらそうに むねをはり 農場へかえっていきます。いばりくさって歩くペチュニアを見て、
”「どうしたのかい、ペチュニア?と、ねこのコットンがききました。”
めうしの カナリーは、ペチュニアが正気をうしなったのかと心配します。ほかの動物たちも心配します。
ペチュニアは、自分がおかねもちになり、金貨をいっぱい持つことになったと、説明します。そして、 ”とくいそうに、むねをはって、あるいていってしまいました。”
”「おかねもちになると、どんなことをするの?」と、こぶたがきくと、「ともだちにプレゼントするのさ」うまのストローがこたえました。”
プレゼント!! ペチュニアがプレゼントをくれる!!
うまのストローが、かんがえた ほしいプレゼントは、ペガサスみたいな つばさでした。
オンドリのキングは、めざまし時計。しちめんちょうは、くじゃくのような羽。
ひつじのローズは、”おそろしい とらのあたま”。 それをかぶれば、もう だれにも よわむし・まぬけだとバカにされない。
ぶたが ほしいのは、銀のおさらとフォーク。ぶただって、おぎょうぎよく食べられることが示される。
めうしのカナリーが ほしいのは かがみ。じぶんが どんなに うつくしい めうしか 見たいから。
やぎは、つなわたりのつな。きょくげいのうまさを見せたいから。
いぬのノイジーは、メガフォン。ばんけんやくに くたびれたから。
「わたしは」と、メンドリのアイダは、”「ひよこたちさえいれば、それだけでしあわせだわ」”
”その夜、パンプンキン農場の動物たちは、ねがいどおりのプレゼントをもらうゆめをみました。
ペチュニアは、かえるたちが、じぶんの金貨をまきちらしているゆめです。”
ペチュニアは、ゆめのなかで、かえるたちを さんざんおっかけたので、あさは、ねどこのわらが ”からだじゅうにくっついて、やまあらしのようになっていました。”
あさ、やまあらしのようになったペチュニアが こやからでてくると 動物たちがまっていて おかねもちのともだちに あいさつし それとなく プレゼントをねだりました。
ほしがるプレゼントは、さらにふえつづけました。
ろばは、うまのようなしっぽを ほしがりました。
めうしのクローバーも うまのしっぽがほしくなり、ついでに たてがみも ほしくなりました。
こぶたは ふうせん。
メンドリのコケットとリリとニナは、リボンとネックレス。
かわいそうなペチュニアは、夜はカエルに、昼は ともだちに なやまされることになりました。
つかれきったペチュニアは、リンゴの木のしたで すわりこみました。
”「ああ、おかねもちって たいへんだわ。川のそこにたからものがあると、こんなに あれこれ かんがえなくちゃならないのね」”
ペチュニアは その夜 ゆめをみました。たからもののはこをあけると 金貨をぜんぶ食べてしまったワニがでてきて、
「しんぱいするなよペチュニア、おまえもたべてやるから おまえの金貨のところに いけるぜ」
ペチュニアは うんよく ワニにたべられるまえに めをさましました。
翌朝、動物たちが やつれたペチュニアに あいさつしに まっていました。
”「おはよう、すてきなペチュニア」””「みんな、きみにかんしんしているよ。おかねもちって くろうがおおいらしいもの」”
けれど、みんな プレゼントをまちくたびれて いつくれるの!と、さいそくします。
”「なんだい、みんな」ねこのコットンが、おこっていいました。「あれをくれ、これをくれって、じぶんのことばかりいって」”
それからが、たいへん。いろいろな意見がでて、動物たちは、みんなでおおげんかになり、かみつきあったり、けとばしたりして、パンプキン農場のなかにわは、おおそうどうになりました。”
”ペチュニアはかなしくなって、川へにげだしました。”
”「あああ、ほんもののわにが、たからものを、たべてしまってくれたほうがよかったわ。おかねがあれば、みんなからたいせつにされて、しあわせになれるとおもうなんて、わたし、ほんとうに、おばかさんだったのね。おかねもちになったら、しんぱいごとはあるし、友だちはけんかするし、いいことなんてなにもないわ」”
ペチュニアは、それでも川ぞこにもぐっていきました。すると、たからのはこがあいていて、なかは からっぽで カエルが1ひき はいっていました。
”「きみの たからのはこ ほんとうは、ただのふるいトランクだったんだよ」”
ペチュニアは、ほっとして、うたをうたいながら、農場へかえりました。
”動物たちは、おどるような足どりで かえってきたペチュニアをみて、かんだりけとばしたりするのをやめました。”
こんども、また たからものをみつけたの?と、ねこのコットンがきくと、ペチュニアは、
「こんど みつけたのは、わたしが ぜんぜん おかねもちじゃないってこと。”これは 一ばんすばらしいたからものよ。だって、そのおかげで、また、みんな なかよしになれるんですもの」”
このへんで完にします。
(私注:私は、ただいま、古今亭ん生5代目のS30年ごろのラジオ放送を収録した古典落語に挑戦し、あまりものCDの多さに挫折中でありますが、亭ん生の落語は極貧な なめくじ長屋からくりだされる人情話が真髄だと思っております。著作に『貧乏は正しい』(未読・汗)があります。(追記訂正:『貧乏は正しい』は橋本治さんの著書でした。古今亭志ん生5代目は『びんぼう自慢』でした。汗)が、パンプキン農場でも同じことがおきているのには、驚いております。まあ、世の中には正しいお金持ちも必要だとも思っております。たとえば、貧しい絵描きのパトロンになってくれるような裕福層の存在の役割の重要さとでもいいましょうか。が、反面、デモクラシーもええもんなので、むずかしい課題だと最近つくづく思っております。)
(がちょうの)”ペチュニアは、まきばのはずれの川でおよぐのがすきでした。川は、おおきな岩や、モミの木のしたを、ゆっくりながれていきました。”
ある日、ペチュニアは、川のそこにもぐっていくと、しんちゅうの金具がついた、おおきな箱をみつけます。
”「これは、たからのはこよ」と、ペチュニアはおもいました。”
かいぞくが、おいていった「たからのはこ」だとおもいました。
”ペチュニアは、きしにあがって、よく かんがえてみました。”
「わたしは、おかねもちに なったんだわ。たいした がちょうになったんだわ」
ペチュニアは、えらそうに むねをはり 農場へかえっていきます。いばりくさって歩くペチュニアを見て、
”「どうしたのかい、ペチュニア?と、ねこのコットンがききました。”
めうしの カナリーは、ペチュニアが正気をうしなったのかと心配します。ほかの動物たちも心配します。
ペチュニアは、自分がおかねもちになり、金貨をいっぱい持つことになったと、説明します。そして、 ”とくいそうに、むねをはって、あるいていってしまいました。”
”「おかねもちになると、どんなことをするの?」と、こぶたがきくと、「ともだちにプレゼントするのさ」うまのストローがこたえました。”
プレゼント!! ペチュニアがプレゼントをくれる!!
うまのストローが、かんがえた ほしいプレゼントは、ペガサスみたいな つばさでした。
オンドリのキングは、めざまし時計。しちめんちょうは、くじゃくのような羽。
ひつじのローズは、”おそろしい とらのあたま”。 それをかぶれば、もう だれにも よわむし・まぬけだとバカにされない。
ぶたが ほしいのは、銀のおさらとフォーク。ぶただって、おぎょうぎよく食べられることが示される。
めうしのカナリーが ほしいのは かがみ。じぶんが どんなに うつくしい めうしか 見たいから。
やぎは、つなわたりのつな。きょくげいのうまさを見せたいから。
いぬのノイジーは、メガフォン。ばんけんやくに くたびれたから。
「わたしは」と、メンドリのアイダは、”「ひよこたちさえいれば、それだけでしあわせだわ」”
”その夜、パンプンキン農場の動物たちは、ねがいどおりのプレゼントをもらうゆめをみました。
ペチュニアは、かえるたちが、じぶんの金貨をまきちらしているゆめです。”
ペチュニアは、ゆめのなかで、かえるたちを さんざんおっかけたので、あさは、ねどこのわらが ”からだじゅうにくっついて、やまあらしのようになっていました。”
あさ、やまあらしのようになったペチュニアが こやからでてくると 動物たちがまっていて おかねもちのともだちに あいさつし それとなく プレゼントをねだりました。
ほしがるプレゼントは、さらにふえつづけました。
ろばは、うまのようなしっぽを ほしがりました。
めうしのクローバーも うまのしっぽがほしくなり、ついでに たてがみも ほしくなりました。
こぶたは ふうせん。
メンドリのコケットとリリとニナは、リボンとネックレス。
かわいそうなペチュニアは、夜はカエルに、昼は ともだちに なやまされることになりました。
つかれきったペチュニアは、リンゴの木のしたで すわりこみました。
”「ああ、おかねもちって たいへんだわ。川のそこにたからものがあると、こんなに あれこれ かんがえなくちゃならないのね」”
ペチュニアは その夜 ゆめをみました。たからもののはこをあけると 金貨をぜんぶ食べてしまったワニがでてきて、
「しんぱいするなよペチュニア、おまえもたべてやるから おまえの金貨のところに いけるぜ」
ペチュニアは うんよく ワニにたべられるまえに めをさましました。
翌朝、動物たちが やつれたペチュニアに あいさつしに まっていました。
”「おはよう、すてきなペチュニア」””「みんな、きみにかんしんしているよ。おかねもちって くろうがおおいらしいもの」”
けれど、みんな プレゼントをまちくたびれて いつくれるの!と、さいそくします。
”「なんだい、みんな」ねこのコットンが、おこっていいました。「あれをくれ、これをくれって、じぶんのことばかりいって」”
それからが、たいへん。いろいろな意見がでて、動物たちは、みんなでおおげんかになり、かみつきあったり、けとばしたりして、パンプキン農場のなかにわは、おおそうどうになりました。”
”ペチュニアはかなしくなって、川へにげだしました。”
”「あああ、ほんもののわにが、たからものを、たべてしまってくれたほうがよかったわ。おかねがあれば、みんなからたいせつにされて、しあわせになれるとおもうなんて、わたし、ほんとうに、おばかさんだったのね。おかねもちになったら、しんぱいごとはあるし、友だちはけんかするし、いいことなんてなにもないわ」”
ペチュニアは、それでも川ぞこにもぐっていきました。すると、たからのはこがあいていて、なかは からっぽで カエルが1ひき はいっていました。
”「きみの たからのはこ ほんとうは、ただのふるいトランクだったんだよ」”
ペチュニアは、ほっとして、うたをうたいながら、農場へかえりました。
”動物たちは、おどるような足どりで かえってきたペチュニアをみて、かんだりけとばしたりするのをやめました。”
こんども、また たからものをみつけたの?と、ねこのコットンがきくと、ペチュニアは、
「こんど みつけたのは、わたしが ぜんぜん おかねもちじゃないってこと。”これは 一ばんすばらしいたからものよ。だって、そのおかげで、また、みんな なかよしになれるんですもの」”
このへんで完にします。
(私注:私は、ただいま、古今亭ん生5代目のS30年ごろのラジオ放送を収録した古典落語に挑戦し、あまりものCDの多さに挫折中でありますが、亭ん生の落語は極貧な なめくじ長屋からくりだされる人情話が真髄だと思っております。著作に『貧乏は正しい』(未読・汗)があります。(追記訂正:『貧乏は正しい』は橋本治さんの著書でした。古今亭志ん生5代目は『びんぼう自慢』でした。汗)が、パンプキン農場でも同じことがおきているのには、驚いております。まあ、世の中には正しいお金持ちも必要だとも思っております。たとえば、貧しい絵描きのパトロンになってくれるような裕福層の存在の役割の重要さとでもいいましょうか。が、反面、デモクラシーもええもんなので、むずかしい課題だと最近つくづく思っております。)