くもり空の下で……

アルコールとギャンブル。依存症からの回復と成長を目指しながらの日々の雑感を発信。趣味の渓流釣りなども公開しています。

ARP復習⑥

2017-05-31 19:02:32 | 日記
第5章 アルコール依存症から回復するために (2)

前章では、アルコール依存症からの回復に効果が高い断酒の3本柱+断酒宣言を見てきました。断酒の3本柱+断酒宣言を行っていくことで回復の可能性が高くなります。
一方、退院後の家庭や職場、地域との付き合いなど日常生活の中にこそ誘惑はたくさんあり、ちょっとしたつまづきが「元の木阿弥」になってしまう危険性もあります。何事にもコツがあり、情報を集め、正しい攻略法を得て、実行し、継続することで問題解決することができます。
この章では、日常生活のなかでアルコール依存症から回復するために行えるコツと、再飲酒時の対応についてみていきたいと思います。




1】アルコールの無い生活を始めてから
①HALTに注意 再飲酒の強い誘引となる状態があり、自助グループのAAでよく口にされる警句。

1. 空腹時(Hungry)
2. 機嫌を損ねているとき(Angry)
3. 寂しいとき(Lonely)
4. 疲れているとき(Tired)


・頭文字をとってHALT。とくにいくつかが同時に重なったときが危険
・HALTのどれかが生じるだけで身体が条件反射にアルコールを呼び寄せてしまう。いったん起きた飲酒欲求は、直ぐには消えない。
・体調や感情をなるべくHALTの状態におかないことが必要。

②特に初期に注意すること
→家にアルコールを置かない
・飲酒欲求が起きたとき目の前にアルコールがあると条件反射に手を出してしまいやすい
間をもたせるだけで、飲酒欲求そのものは小さくなっていく
→酒席の機会を避ける
・自分は飲まないつもりでも、周囲から勧められると断りづらい。つい1杯だけなら、という気持ちになりやすい
・酔っている人の話そのものがストレスになりやすい
・どうしても断りにくいときには、参加前の抗酒剤服用など対策を立てる
→ストレスを避ける
・社会復帰後は、今までの遅れを取り戻そうと焦りやすく、知らないうちにストレスを溜め込んでしまいやすい
・1~2年は無理をせず、マイペースを心がける
→友達との付き合いを考える
・入院時の仲間や、お酒を飲まない友達との連絡をまめにとる
・以前の飲み友達とは、昼間会うなどの工夫を

③ドライ・ドランクに注意
・アルコールを止めてしばらくしてから起こるのがドライ・ドランク。まるで酔っていたときのように気分や感情が不安定になる状態
・ドライ・ドランク状態になると、再飲酒(スリップ)の危険が増すだけではなく、対人関係でトラブルが起きやすくなったり、強い鬱にとらわれて発作的に自殺をはかったりすることもある
・自助グループ参加が効果的: 仲間のイロイロな話を聞くことで、自分自身が客観的になれる

④クロスアディクションに注意
・アルコールを喪失した寂しさや虚しさから、他の依存に走ってしまいやすい
EX-ワーカホリック/ギャンブル依存/宗教活動にのめり込む/タバコの本数が増える

⑤地固め
・アルコールから自分自身を遠ざける行動を身につけ、自分自身を振り返る精神的余裕が出てくると、別の危機が訪れてくることがある。飲酒時に避けていたイロイロな問題がどっと押し寄せてくる。問題は人によって様々(家庭不和、人間関係のゆがみ、経済問題、自分自身の過去の傷など) であり、こうした問題を焦りにまかせ、一気に全てを解決しようとすることは危険
・飲まない生活を始めた初期は、今までの問題飲酒のために心身が疲弊しており、焦って全ての解決しようとすると結果が出ないことにイライラしやすい。結果、再飲酒(スリップ)する可能性が高くなる
・この時期に優先すべきことは、身体の回復とアルコールを飲まずに過ごすためのコツを継続すること。飲まずに1~2年を過ぎると生活も安定し、飲酒問題以外のことにも取り組める余裕が出てくる



2】 再飲酒時のメカニズム
・マーラットの研究 (1985) 再発という現象は2つの段階からなる

① 引き金の段階 断酒中にどうしても飲まざるを得ない危険な状況(例えば、行事などで飲酒を勧められる)にうっかり踏み込んでしまい、その状況をうまく対処できず、つい飲んでしまう。
こうした危険状況は自分でコントロールできないが、たとえ飲んでも再度断酒に戻れば問題ない。しかし次の段階に進んでしまうことが多い

② 自暴自棄の段階 1杯飲んでしまった絶望感から、大量飲酒に逆戻りしてしまう段階。1杯飲んだだけなのに、まるで何杯も飲んだように感じられ、数ヵ月頑張った断酒を台無しにしてしまう。「自分は断酒の決意を破ってしまい、また酒飲みに戻ってしまった」「1杯も10杯も同じであり、飲み過ぎてもかまわない」「私にはアルコールをやめる力がない」……と自暴自棄になってしまう


○ 引き金になりやすい状況を分析する
・アルコールを飲みたくなる引き金や状況について、できるだけ詳しく明らかにし、前もって対処法を考えておく

○ たとえ1、2回飲んでしまっても、全面的な失敗を犯したとは考えない

○ 失敗した経験から学び、今後そうならないように工夫する。適切に対処すれば、次回からは避けることができるようになる

早めの治療が効果的
・再飲酒してしまう可能性は誰にでもある
再飲酒したまま放っておくと、病気も悪化しやすい。完全にアルコールを切るのに時間がかかり、入院期間も長くなってしまう
・病院を受診する、自助グループに参加する、仲間と連絡をとるなど早めの対処が必要




3】 回復のためのコツ
🔵ハッキリとした目標を立てる
・短期間で達成できる目標を立てる: 現実的で、達成可能であり、自分自身のなかでハッキリした目標

🔵問題解決は1つずつ
・調子の良いときでも、いくつもの問題を解決しようとすれば失敗する可能性も高まる。遠回りのようでも、1つ1つ問題を解決していくほうが成功する可能性が高い

🔵断酒は綱渡りではなく、自転車の練習のようなもの
・失敗しても成功するまで続ければ必ず出来る




【私的感想】

今回はテキストを丸写しして記事にしてみました。


私的には、共感できる部分と、そうでない部分がありました。

このテキストはあくまでも断酒を心がけている🔰初心者向けに書かれている回復のためのテキストのように感じました。

特に「断酒の席は避ける」とか「飲酒をする友達との付き合いを考える」とかの部分は私的にはあまり共感できません。
なぜなら、一生そういう席を避けて行くわけにもいきませんし、友達との付き合いをわざわざ考えることなどしなくても、事情を話しても理解してもらえない友達ならば、きっと遅かれ早かれその友達は去っていくものだと私は考えています。

しかし、"マーラットの研究"とやらは参考になった気がします。
なぜなら、私はきっとスリップしてしまったならば、一気に自暴自棄に陥ってしまいそうな気がするからです。
これからまだまだ私には様々な困難や試練が待ち構えているはずです。
どうしようもない悲しみや、恐れが振りかぶってきたときに、自分自身を客観的に、冷静に、見つめる勇気と力がほしいと思いました。


今回でARP復習は最後です。


長い文章を読んでいただき、ありがとうございました。




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