武蔵國日記(むさしのくににっき)

土佐日記にあやかって、「女もすなる日記といふものを、中年男もしてみむとてするなり」

ロシアの論理と大東亜共栄圏

2022-06-01 10:08:45 | 人間観察
ロシアがウクライナ併合を企図し、侵攻開始して三ヶ月余り。
当初の目的である首都制圧と全土占領は不可能だとしても、
東部地域については着々と橋頭堡を確立しつつある。

獰猛な熊が自分のテリトリーを拡げようと襲いかかった感じ、との意見は以前書いた。
プーチン大統領としては、美味しい餌場を他の動物(西側)に盗られるくらいならば、
自分が取りにいって何が悪い、と考えているだろう。

一時期急降下したルーブルも元に戻し、
またここ数日、エネルギー関連で欧州を揺さぶり、食料問題で途上国を揺さぶって、
制裁措置も功をなさなくなっている。

それよりも、ロシア国民が大統領を支持していることが大きい意味合いを持つ。
筆者のような一市民は、あくまで日本のテレビ報道からしか分かり得ないが、
多くのロシア国民が武力侵攻を支持している理由の一つとして、
「ウクライナの地にいる、可哀想なロシア系住民の解放のため」と信じていることが挙げられている。
これは、その昔「日本がアジアを欧米の植民地状態から解放する。」との大義名分を立てて、
太平洋戦争に踏み切ったのと同じ構図である。

あの頃、日本国民は素直にこの大義を信じていた。

今回、西側の人間たちは、「ロシア人は見えていない。」と思っているのだろうが、
あの頃の日本人も全く見えていなかったのだろう。

民衆をある一方に誘導するなど、容易いことが分かる。
げに、プロパガンダは恐ろしい。

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