夢幻に遊ぶYujin Koyamaの絵画と小説の世界を紹介します!

意外な人間の姿、風景に、きっと出会えるでしょう。フランスを中心に活躍する小山右人の世界を、とくとご堪能下さい!

「熱帯植物館」小山右人/新潮新人賞/ついに出版!

2019-09-26 13:50:05 | カルチャー
静かに読み手の間で語り合われ輪が広がり、映画監督とも映画化を目指しひと夜語り合われた待望の佳作、小説「熱帯植物館」ついに出版!
威圧的で厳格な医師の父に反抗し、医学部を中退してしまった、謎かけで無限に自己を追い詰めていくスフィンクス兄貴。熱帯植物の樹液の匂いに充たされた「ネペンテスの領域」で行われた無限の探究の果てに見えてきた世界とは・・・?

読者評
『不思議な夢を見ているような気がした。僕は☆歳の頃、映画学校に通っていて、同じく地方から出てきた友人の部屋でビルエヴァンスの「オフィーリア」を聞いていた。部屋には未来への僅かな希望と鬱がアンビバレントな状態で垂れ込めていたと思う。物語の中の月代さんが蓮の池に浮かぶ姿。当時、死に至る病への憧れが無かったと言えば嘘になる。先が見える哀しさ。ネペンテスへの衝動。熱帯の植物が繁茂する姿を見て、こんな自分でもよいのかなと思う。僕の父がルソーのような油彩を描く人だった。絵画のような美しい純文学。懐かしさが込み上げた』