夢幻に遊ぶYujin Koyamaの絵画と小説の世界を紹介します!

意外な人間の姿、風景に、きっと出会えるでしょう。フランスを中心に活躍する小山右人の世界を、とくとご堪能下さい!

イタリアの美術館長へのお土産

2015-08-27 12:52:58 | カルチャー
イタリアの美術館長へのお土産

京都の新進気鋭の日本画家、岡田小百合さんが、特別に扇子絵を描いて下さいました!NHKの大河ドラマ・平清盛、江〜姫たちの戦国や、映画・大奥、また祇園祭りでの展示などで皆様きっと目にしたことのある扇子絵を描いた若手のホープです。

私のイタリア個展に向け、才能あふれる方々に次々ご協力いただいて、嬉しい限りです。

岡田小百合さんのホームページ
https://sayuri0208.amebaownd.com/

国際読書会

2015-08-16 21:01:45 | カルチャー
 今日の国際読書会は面白かった。主催のJさんありがとう。
お盆で出席者が少なかった分、たくさん語り合えて、密度の濃い会合でした。

 Jさんご紹介のイギリスの無名の作家、カフカのようでもある幻想作家、Aickmanの作品を是非読んでみたいと思いました。

スティーブンキングの作品が好きな参加者がいて、話題は「シャイニング」のことに。実はキング自身もアルコールに耽溺する人で、創作には酒が欠かせないとの事。どうやらシャイニングは、幻想的というよりキング自身の現実に近い姿だったのかもしれない。

 純粋なscientific fictionよりも、純文学により近い作品が好きという話も出て、カルヴィーノとか阿部公房のことも話題に。

 新潟県の十日町や松之山を舞台にした、民家を光の空間に変え、夢の世界に導こうという芸術家の本を紹介した人がいた。どうやら十日町を中心にしたトリエンナーレの一環でもあるらしい。
 木造家屋の内部を満たす青、赤、黄の淡い光の美しさに打たれた。

トリエンナーレの話から発展して、ぼくの小説の翻訳者スタン・アンダーソンさんのことを、Jさんが知っているのにびっくりした。世界は、もう本当に狭い。

外国人の友人に、しばしば、小坊主はなぜ金閣寺を焼かなければならなかったのか、とか、美は滅びなければならないならないのかとか問われることもあったので、ぼくは、三島由紀夫の金閣寺の英語版を取り上げた。
 結局、侍の心にも通じる滅びの美学とは何なのか、一行で言ってみろということになって、 「精神界の美しい存在に生まれ変わりたいという潜在的な願望を内包しているのではないでしょうか…? 」と、とっさにありきたりの答え。
 が、思った以上にこの話は、外国人の関心を引く手応えがあった。
 
 Jさんが取り上げた、ジャクソン・ポロックと同時代に生きながら、有名になれなかった画家の話。彼は、生活のためにニューヨークから離れたところに移り住み、その後画風が平凡になっていった。一連の変化を克明に表した画集の解説が興味深かった。


新しい絵の構想

2015-08-10 22:46:01 | カルチャー
《新しい絵の構想》
世界が光のリフレクションによって多面の表情に分画され、それだけ多様化、活性化される。その際最も気を付けなければならないのは境界で、冷たい光のカットであってはならず、物語が始まる生命感溢れる種子でなければならない。今回、私の独創性はそこに宿る。

" initiative of the new picture"
The world is fractionated into multifaceted look by reflection of light,and with that effect, more diversified and activated. Then,I must be most careful at the boundary, it must not be only the cold line which cut the surface.It must be sufficiently alive,and must be the great seed from which the story begins. This time, my originality dwells there.

"Initiative de la nouvelle image"
Le monde est fractionné en regard de multiples facettes par réflexion de la lumière, et avec cet effet, plus diversifiée et activé. Ensuite, je dois être plus attentif à la limite, il ne doit pas être seulement la ligne froide qui coupe la surface.Il doit être suffisamment vivant, et doit être la grande semence d où l' histoire commence. Cette fois, mon originalité y habite.

女神の前髪

2015-08-02 23:30:49 | カルチャー
ブルームーンを、両親と夕食の後、心地よい川風に吹かれて眺め遣った。ちょうど話題の人工衛星が天空を過るのも見え、図らずも天体ショーとなる。 月の絵はもっと描きたい。海上の月を見遣る女神像の小品は、アトリエの隅に描きかけのまま放ったらかしだ。

イタリアの絵画・ビデオ個展用のビデオに添える音楽が素晴らしい。フランスの友人が、偶々ラジオで聴いて、ぼくのビデオに相応しいと直感し、ラジオ局にまで問い合わせて、全てを調整してくれた曲だ。世界中探したって、ぼくのためにそこまでやってくれる友人が他にいるか? どうやったら、そんな夢のようなフランス人の友人を見つけられるか、近頃しばしば尋ねられる。やっぱり米俵の中の一粒と出会うような偶然だったし、若いときに洗いざらい本音まで打ち明け合った信頼感は大きいと思う。

引っ込み思案では幸運はこない。ぼくは恥も外聞もなく、足を棒に歩き回る方だ。
近頃はディフェンスの世の中とも言われ、防御第一だが、パーティーに出席してさえ口を閉ざしたままで、チャンスを潰している人も多い。

この前出会ったヨーロッパのミュージシャンが、素敵な音楽を送ってきてくれた。珍しく惚れ惚れする曲だったので、方々に売り込みたいと意気込んだ。彼に了承を求めようとしたが、なしのつぶてだった。若さの奢りとか、ちょっとした気まぐれで、運命の女神の前髪を掴み損ねることもあるものだ。年月が経って、取り返しのつかない後悔が膨らむのと同時に甦ってくる、苦い思い出を残す類のすれ違い。Ah!

 明けて日曜日、いつものようにフランス語のレッスンの後、あまりに暑いので、都心のカフェに入る。あれ、マスターはイタリア人かな? 訊いたら、そうだという。Piacereだけ言って席に着く。他の外人が来て、マスターとフランス語で話し始めた。俄然、興味が湧く。
10月のイタリアでの個展のことを話したら、当然のこと関心を示してくれる。偶々フランスの友人がイタリア語に訳してくれた小説「珠」の要旨を持っていたので、マスターに見せた。さっそく音読し始めたマスターは感動を露わにし、これはもう近頃では滅多に見られなくなったイタリア語だと言った。もしこれを女性に捧げたら、心を捉えられるような言葉だよ、とも言ってくれた。
 もう行くところ何が待ち構えているか分からなくなってきた。