15歳（中学生）の田村亮子が福岡での国際女子柔道選手権で最年少優勝を果たした

1990(平成2）年の今日（12月9日）、15歳（中学生）の田村亮子が福岡での国際女子柔道選手権で最年少優勝を果たした。
ニックネームは「ヤワラちゃん」。国際大会で優勝した翌日の新聞で、浦沢直樹の漫画『YAWARA!』の主人公と同じ髪型だったことから、同マンガンの主人公の名をとって“ヤワラちゃん”の愛称で報じられ、それからこの愛称で親しまれている。
田村亮子は、1975年9月6日生まれ、福岡県出身。身長146cm。小学校1年生から柔道を始め、小学校2年生のとき男の子を投げ飛ばして、けがを負わせこともあるとか。キレのある立ち技を特徴とし、得意技は背負い投げ。この、福岡での国際女子柔道選手権での優勝以降、1991年 、全日本女子選抜体重別選手権 （全日本）で優勝。
世界柔道選手権では1993年（ハミルトン）で初優勝し、1995年（幕張）で2連覇）、1997年（パリ）で3連勝、1999年（バーミンガム）で4連覇を達成するなど連勝を重ねてくるが、1992年（バルセロナ）、1996年（アトランタ）の両オリンピックでは、残念ながら銀メダルに終り、悔しい思いをする。そして、2000年 の シドニーで念願の金メダル（48kg級） を獲得。そして、2004年 （アテネ）でも金メダルを獲得（2連覇）し、日本の「柔ちゃん」ここにありを示した。その間、福岡国際11連覇、 全日本11連覇、 世界柔道選手権6連覇などの偉業を達成している。
田村亮子は、2003年12月、プロ野球オリックスの谷佳知選手と結婚し、現在は谷亮子。2005年9月、カイロで行われる世界選手権7連覇の期待がかかっていたのだが、残念ながら、出産のため欠場したが、今や、日本を代表する女子柔道選手であることには間違いない。
2000年のシドニーでの念願の金メダル獲得により、同年11月、当時の森内閣総理大臣より「内閣総理大臣顕彰」が授与された。 これは、「2000年シドニーオリンピッックで優勝したことや世界柔道選手権で四連覇を達成するなど、長年にわたって研鑚を重ね、国民の期待に応え数々の優秀な成績を収めるとともに、我が国のスポーツの振興に貢献した功績が顕著であることによるもの」として授与されたものである。 確かに、「柔ちゃん」の実力は大変なものである。しかし、このシドニーオリンピックでは、同じ柔道で、男子の野村忠宏選手（60kg級）が前回のバルセロナに続き2大会連続で金メダルを獲得していた。野村忠宏選手も、オリンピックで2年連続金メダル獲得の自分が選ばれなかったことに対しては、TVなどでも少々不満らしいことを述べていたが、私達が見ても、ちょっと、ふに落ちないに処遇であった。そういえば、このとき、「国民栄誉賞」を獲得したのは、女子マラソンで金メダルを獲得した「Qちゃん」こと、高橋尚子であった。「国民栄誉賞」と「内閣総理大臣顕彰」のどちらが値打ちなのかは知らないが、これらは、時の内閣総理大臣の判断に委ねられるところが大きいようであり、それも、結構、実力だけでなくその選手の人気度も影響しているように感じられ、どうも、後味の悪い思いがした。高橋尚子 は2年前の東京國際女子マラソンの不調から、2004年 のアテネオリンピックには出場できなかったが、今年の東京國際女子マラソンでは見事復活し優勝を果たした。今や日本の女子マラソンの女王はアテネオリンピックで優勝し、その後のベルリンマラソンでも優勝をした野口みずきであるが、次のオリンピックでは、この2人での金銀争いをしてもらいたいものである。柔道では、谷亮子は、現在30歳。出産の時、「3年後の北京五輪に、ママになって金メダルを実現させるためにこの子を授かったよう」と言っていたとのことであるが、是非その夢を実現して欲しいものである。
（画像は、漫画、「Yawara! (1)」小学館文庫浦沢 直樹 著）
参考：
財団法人全日本柔道連盟:::All Japan Judo Federation:::
http://www.judo.or.jp/