この戦争の最大の勝者は中国だ ウクライナ危機

2022-05-10 15:05:32 | 日記
今回は、記事のご紹介です。
まず、前置です…。

 「米国はロシアを自分たちの側に置くことが重要なのです。」これは、トランプ大統領の戦略でもあったようで、世界大戦を避ける上で重要な戦略だったようです。しかし、残念ながら、不正選挙によってネオコンの傀儡と言っても過言ではないバイデンに代わってしまいました。そして今、世界は大戦に片足を突っ込んだような危機的状況になってしまいました。
 この秋の米中間選挙がひとつの山場とも言われているようです。

 記事文中から抜粋
 現在の国際社会においては米国、中国、ロシアという3つの極があります。このうちロシアにはかつてのソ連のような力はなく、中国に比べれば脅威ではありません。対して、中国は米国の5倍近い人口を擁し、今や世界2位のGDPを誇っています。しかも急速な軍拡をしており、軍事力を背景にした覇権主義も隠していません。ということは、米国はロシアを自分たちの側に置くことが重要なのです。

以下、記事です。
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「この戦争の最大の勝者は中国だ」ウクライナ危機で東アジアに異変…世界屈指の政治学者が指摘する“米国のミス”
文春オンライン
https://news.yahoo.co.jp/articles/ea169e07598319b28bcdc62caf54990497dc3407

 ロシアがウクライナに軍事侵攻してから2カ月以上が経った。ロシア軍による激しい攻撃が続くが、ウクライナは米国の軍事支援を受けて徹底抗戦の構えを崩さず、攻防は長期化している。
 そうしたなか、米中対立を早期から予言してきたシカゴ大学政治学部のジョン・ミアシャイマー教授(74)が「文藝春秋」のインタビューに応じ、「この戦争の最大の勝者は中国」と警鐘を鳴らした。
 ミアシャイマー教授は米陸軍士官学校(ウエストポイント)を卒業後、5年間の空軍勤務を経て、1982年からシカゴ大学で教鞭をとってきた。大国間のパワーバランスを徹底したリアリズムで分析する「攻撃的現実主義」の旗頭として知られ、世界で最も注目される国際政治学者の1人である。2001年に著した『大国政治の悲劇』では、中国の平和的な台頭はなく、米中は対立すると予想。近年それが現実となったことで、脚光を浴びた。
 ミアシャイマー教授が今回の戦争について日本メディアのインタビューに応じるのは初である。
西側がロシアを追い詰めた
 まずミアシャイマー教授は、ウクライナ戦争における西側諸国の責任を指摘する。
「米国をはじめとする西側の圧倒的な見方は、『全ての責任はプーチンにある』『プーチンは拡大主義者であり帝国主義者だ』というものです。ただ、この考えは完全に間違っているし、“西側の作り話”といってもいい。
 もっとも私はプーチンを擁護しているわけではありません。プーチンによる戦争遂行方法に責任があることは否定しません。
 しかしながら、『なぜこの戦争は起きたのか?』という問いに対する私の答えは、西側の対東欧政策が今日の危機を招いたというものです」
 ミアシャイマー教授によると、西側諸国がロシアを追い詰めた決定的な分岐点は、2008年4月、ルーマニアの首都ブカレストで開かれたNATO首脳会議だったという。
「ブッシュ米大統領が主導して、首脳宣言に『(ウクライナとジョージアが)将来的にNATOの一員になることに同意する』と記されました。一方で、ドイツのメルケル首相とフランスのサルコジ大統領はこの声明に慎重な姿勢を示していました。ウクライナとジョージアのNATO入りは、ロシアの国境線までNATOが押し寄せてくることを意味します。それがロシアを強く刺激することを、2人はよく分かっていたのです」
 しかし、ブッシュは2人の反対を押し切り、首脳宣言でNATO拡大を宣言した。その背後には、ブッシュ政権の中枢にいたネオコン(新保守主義者)たちの甘い見立てがあったという。
「西側諸国、とくに米国のネオコン(新保守主義者)たちは『過去2回のNATO拡大でも問題はなかった。3回目の拡大でも逃げ切れる』と思ったに違いありません。
 だが、不安は的中しました。プーチンらロシア首脳はすぐに『この宣言は我々にとって完全に受け入れられないものだ』と強く反発し、『NATOのウクライナへの進出は自国存亡の危機だ。もう、これ以上(NATOの拡大は)許されない』といった明確なメッセージを発信。そして、『NATO入りした場合はミサイルの照準を向ける』とまで警告したのです。
 それにもかかわらず、米国は東方拡大に深く関与していきました。いわば、米国は熊(ロシア=プーチン)の目を棒でついたのです。怒った熊はどうしたか。当然、反撃に出ました」
中国への“軸足移動”ができない米国
 戦線が泥沼化する中、「いったい誰のための戦争なのか?」という根源的な問いが浮かび上がる。
 そうした状況を見て、ミアシャイマー教授は「この戦争の最大の勝者は中国」だと指摘する。
「なぜ、中国が勝者だと考えるのか。第1の理由は、ウクライナのために米国は東アジアへの『軸足移動』(ピボット)ができなくなっているからです。この戦争の前、米中対立が深まる中、米国は中国の封じ込めに全力を挙げていました。バイデン大統領が昨年9月までにアフガニスタンからの撤退を決断したのも、中国を睨んで東アジアに軍事力を集中させるという観点から見れば、全く正しい決断でした。
 しかし今、米国はウクライナに深く足をとられ、欧州から東アジアに軸足移動できない状況にあります。これは戦略的に大きな間違いです」
ロシアを中国側に追いやってしまった
 さらにミアシャイマー教授は、「ロシアを米国側に置くこと」の重要性を指摘する。
「第2の理由は、この戦争によって、ロシアを中国の側に追いやってしまっているからです。現在の国際社会においては米国、中国、ロシアという3つの極があります。このうちロシアにはかつてのソ連のような力はなく、中国に比べれば脅威ではありません。対して、中国は米国の5倍近い人口を擁し、今や世界2位のGDPを誇っています。しかも急速な軍拡をしており、軍事力を背景にした覇権主義も隠していません。ということは、米国はロシアを自分たちの側に置くことが重要なのです。
 ところが今、何が起こっているのかといえば、ロシアは米国ではなく中国を味方にしているのです。中国の観点から見れば、ウクライナでの戦争が長引けば長引くほど、東アジア地域の領土拡大に向けた準備を進められ、都合が良いことになる。これは日本にとっても由々しき事態といえます」

 では、日本はこの事態にどのように対処すべきなのか?――日米両国のあるべき姿を鋭く洞察したミアシャイマー教授のインタビュー「 この戦争の最大の勝者は中国だ 」は、5月10日発売の「文藝春秋」6月号に全12ページにわたって掲載されている。

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日本の安全を守る会