備忘録として

タイトルのまま

A Princess of Mars

2012-03-11 22:12:41 | 映画

初日3月9日に観に行く予定が、日本から来客があったため、今日近所のシネコンで観てきた。封切後最初の日曜日だというのに空席が目立ち、いまひとつ人気はないようだ。”火星のプリンセス”(映画のタイトルは”John Carter")には、あまりに思い入れが強いため、まともな映画評ができない。とにかく中学生の時に読んだ創元推理文庫版火星シリーズの武部本一郎の挿絵のイメージが脳裏にこびりついているため、映画を観ながら比較ばかりしていた。

まずは、火星のプリンセスDejah Thorisの比較から。

写真はいつものようにIMDbより。

とにかくデジャー・ソリスには気品がなければならない。 映画のDejah Thorisは、Lynn Collinsという女優で、きりっとした目鼻立ちをしてるので合格である。先週シンガポールでテレビ放映した”Uruvarin:X-men Zero”にも出ていた。もう少し若い女優でも良かったような気もするが、気品が出てくるのはこのくらいの歳(1977年生)かなとも思う。並べて見ると武部本一郎のデジャーソリスは、こんなに東洋顔をしていたのかと改めて思うが、中学生のガキにとっては十分エキゾチックだった。

次はJohn Carterだが、写真と武部本一郎の挿絵は割愛する。演じたのはLynn Collinsといっしょに”X-men Zero”にも出ていたTaylor Kitschだが、こっちは逆に若すぎた(1981年生)ように思う。私のイメージのジョン・カーターは、同じX-menからなら、鬚のないヒュー・ジャックマンのほうが合っている。

武部の緑色人はもう少しがっちりしていたが大体合格で、愛犬ウーラは口が裂けて牙が並ぶ凶暴な風貌だったが、映画は少し愛嬌がありすぎた。馬のソートはサイのように太り過ぎである。話の筋はもう少し原作に忠実でも良かったと思うし、原作にないホーリー・サンの変身や不思議な蔦のパワーでなく、もっと神秘的でオカルト的な集団で良かったように思う。何よりも映画のタイトルが良くない。大体、人の名前を冠してヒットした映画をあまり知らない。どうして原作通り”A Princess of Mars"にしなかったのだろう。少なくとも”John Carter of Mars"だろう。映画が終わり、私以外の観客はEnd Rollも観ずにほとんどが退席した中、ひとりスクリーンを観ていると、”John Carter of Mars"というタイトルが画面に出てきた。このタイトル表示は、最初は地球人で最後は火星人になったという監督のこだわりのような気がする。それにポスターのロゴには、JohnのJとCarterのCとMarsのMがアレンジされている。

”John Carter”2012、監督:アンドリュー・スタントン、出演:テイラー・キッシュ、リン・コリンズ 昔の火星シリーズファンとしては、原作の火星の雰囲気をよく捉えているので原作のイメージがひどく壊されることもなく、原作と比較しながら十分楽しく鑑賞できた。生きてるうちに火星シリーズの映画が観れるなんて、よくぞ映画にしてくれたという感謝の気持ちが強い。続編が出たら当然観に行ってチェックするのだが、ネット上の評価を読むと初日の出足は悪く、Avatarなどの3Dと比較され評価も低いため、続編はないかもしれない。それはそれでさみしい気がする。何よりもリン・コリンズの気品を嘉して、★★★★☆

シンガポールの映画館に足を運んだのは、6年以上ぶりである。最後に観たのは何だったのかを思い出せない。最も古い映画は、有名な”2001年宇宙の旅”で、これは1979年にオーチャードシネマで観た。まだシネコンのない時代である。リバイバルのベンハー、封切ではスターウォーズ第1作、タイタニックなどの大作も観ている。もちろん日本語字幕はないので、中身が単純なアクションやSF物が中心である。今日の”John Carter"は、S$14(約900円)で3Dメガネは料金に含まれていた。 


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