備忘録として

タイトルのまま

Garuda

2012-03-04 12:16:18 | 東南アジア

ジャカルタのスカルノハッタ空港で今にも飛翔しようとする大きなガルーダ像。先週のジャカルタ出張時に撮った。

ガルーダはインド神話に出てくる神鳥で、インドネシアやタイの国章に使われている。インドネシアの国営航空会社ガルーダ・インドネシアは社名だけでなくそのロゴ(下の写真)もガルーダをアレンジしている。インドネシアの民芸品店にはガルーダの置物が並んでいる。また、タイの空港から市内へ向かう高速道路沿いに金色のガルーダ(たぶん)が等間隔に並んでいて、以前訪問したときに車から写真を撮ったが、みんなピンボケで全滅だった。迦楼羅王(かるらおう)がガルーダだということは、以前訪れた京都の三十三間堂の回に書いた。インド神話が仏教に取り込まれたものだという。

ラーマーヤナ」では、ラーマ王子がシータ妃を救い出すためにランカ島の羅刹王ラーヴァナ(トッサカン)と闘ったとき、ラーヴァナの子インドラジットの攻撃によってラーマ王子と弟ラクシュマナ王子が矢傷を負って危機におちいると、ガルーダが助けにあらわれる。このあとラーマとラクシュマナは力を取り戻し、猿軍団の助けを借りてラーヴァナを倒し、シータ妃を助け出すことに成功する。 

傷ついたラーマとラクシュマナを助けるガルーダ http://www.indianetzone.com/46/arrival_garuda.htmより 右はガルーダ航空のロゴ

鳥つながりで、羽田~シンガポール便の機中で観た映画「The Big Year」を紹介する。

「The Big Year」2011、監督:デイヴィッド・フランケル、出演:ジャック・ブラック、オーウェン・ウィルソン、スティーブ・マーティン、1年間に北米でみた野鳥の種類の数を競う趣味の人たちの話で、「The Big Year」という実際にこの競技に参加した人から取材した原作本がある。映画では仕事をしながら参加する人、仕事も家庭も投げ出して参加する人、競争相手を出し抜く人、それぞれの姿を喜劇仕立てで描いている。観た鳥の数は自己申告で、競争相手を出し抜きはするが嘘の報告なしのフェアー・プレイなのである。野鳥を追って北米中を駆け巡り、アラスカ、フロリダ、ニューメキシコ、はては1週間に1本しか飛行機が飛ばないアリューシャン列島の最西端にあるアッツ島にまで足を延ばす。嵐は野鳥観察には絶好の機会であり、渡り鳥が一斉に避難してくるので、そのときはすべてを投げ捨てて鳥を追う。優勝者が1年間に観た745種類の鳥の中には、人が飼っているハチドリ、森のフクロウをはじめ多分希少な鳥がいっぱい出てきてバードウォッチングが趣味の人にはたまらないだろう。主演の3人はそれぞれ持ち味を発揮し、競技に参加した1年で何かを得た人失った人さまざまだったが、何かに全身全霊で熱中することの素晴らしさが伝わってきた。★★★★☆

 バードウォッチャーが行ったアリューシャン列島のアッツ島は、太平洋戦争の知られざる日米激戦地で、硫黄島同様、日本軍守備隊の2600人余りが1943年5月に玉砕している。アッツ島近くのキスカ島にはもうひとつの日本軍基地があり、玉砕後米軍に包囲されていたが、その2か月後、霧の中で行われた奇跡の救出と言われる作戦により守備隊5000人全員が無傷で救出されている。昨年の東北大震災後、日本に帰化したドナルド・キーンは、戦時中日本語通訳の情報士官として海軍に勤務し、そのときキスカ島に上陸している。というのを、以前彼の本(司馬遼太郎との対談集だったか、彼の回顧録のようなものだったか忘れた)で読んだ。


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