備忘録として

タイトルのまま

武部本一郎

2008-10-28 22:42:24 | 他本

中1坊主の頭の中のヒロインは、武部本一郎が描いた火星のデジャー・ソリス(上)であり、金星のドゥーアーレー(下)だった。火星や金星のイメージは彼の挿絵そのままである。当時まだなじみのなかったヒロイック・ファンタジーのブームに火を点けたのは武部本一郎の挿絵だったと信じている。なぜなら、火星・金星シリーズに続けて、私が武部本一郎の挿絵のある本を選んで読んだように、多くの読者もそうしたに違いないと信じるからであり、それはコナン、ペルシダー、ゴル、ゾンガーなどのヒロイック・ファンタジーシリーズであったからである。

シリーズは、中学1年生(1967年)のとき、徳島駅前の小山助学館で、たまたま表紙の絵にひかれて第3巻の”火星の大元帥カーター”を手に取ったことに始まる。創元推理文庫から第1巻”火星のプリンセス”が刊行されたのが1965年であり、第7巻”火星の秘密兵器”が1967年で、次回作を今か今かと心待ちにして読んだ。火星や金星シリーズと並行して、創元推理文庫の新刊SF本に目を光らせ、面白そうなSFがあれば躊躇なく買って読んだ。
SFに始まり、ジェームズ・ヒルトンやデュマの冒険物も蔵書に加わり、中でも”紅はこべ”、”三銃士”、”黒いチューリップ”、”モンテクリスト伯”などフランス革命の頃の話に夢中になった。同じ頃に刊行された別の出版社のジュール・ベルヌシリーズにも手を出し、”海底2万マイル”、”2年間のバカンス”、”神秘の島シリーズ”、”80日間世界一周”、”地底旅行”などを読みふけった。”シナ人の苦悶”の苦悶の読み方がわからず長い間”クノウ”と読んでいたことを思い出す。
中学時代、なぜか推理小説には手を出さなかった。後年になって、”シャーロック・ホームズ”のファンになり、全作品を読んだあとは、オタク度の極めて低いシャーロッキアンを自称したが、友人たちが勧めるエラリー・クィーンやアガサ・クリスティなどの推理小説に、なぜか興味が湧かなかった。
先日のブログに書いたが、高校に入って級友の影響で、読書がSFから難解文学に移っていったが、本質は変わりようがなく、ファンタジー好きなのである。長くファンタジー小説は読まなくなったが、魔法と剣、ファンタジー映画は好んで観る。


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