備忘録として

タイトルのまま

The Rewrite

2015-08-26 22:50:39 | 映画

「The Rewrite」2014、監督・脚本:マーク・ローレンス、出演:ヒュー・グラント、マリッサ・トメイ(「いとこのビニー」)、JKシモンズ(「Whiplash」)、かつてオスカーを取った脚本家キース(ヒュー・グラント)も最近では脚本が売れず落ち目となり、妻子と別れ、Binghamptonというニューヨーク郊外の小さな町の大学で仕方なく脚本を教えることになる。望まない職のため投げやりな授業を始めるが、生徒たちの書いた脚本は個性的で、キースは徐々に的確な評価とアドバイスをするようになり、授業はキース自身にとっても充実したものになってくる。生徒でシングルマザーのホリー(トメイ)や同僚との交流でキース自身の生き方も変化してくる。ホリーと訪れた町のメリーゴーランドは昔のテレビシリーズ「トワイライトゾーン」のエピソード「Walking Distance」1959の舞台になったところで、二人はドラマのことを語り合う。

Walking Distance」1959をネットで探して観た。36歳の主人公マーティンはふと立ち寄った故郷の街で25年前にタイムスリップし11歳の自分自身と両親に会う。現在の生活に疲れていたマーティンは、メリーゴーランドにのる11歳の自分を見て自分の人生でその頃が最も素晴らしかったことを思い出す。しかし、父親は”自分の住む場所に帰りなさい。ここにお前のいる場所はない。この夏は11歳の彼のものだ。You've been looking behind you, try looking ahead."と諭すのである。父親が過去を振り返らずに前を向いて生きるように息子を諭す話は、過去の栄光にとらわれるキースと重なる。「Walking Distance」の脚本家ロッド・サーリングは、Binghamptonで子供時代を過ごし、「トワイライトゾーン」の脚本家兼プロドューサーになり、「猿の惑星」の脚本も手掛けた。「The Rewrite」の監督で脚本家のマーク・ローレンスはBinghampton大学出身で、Binghamptonはこの映画にとって重要な土地なのである。下は、「The Rewrite」と「Walking Distance」のメリーゴーランド。

機中誌は「The Rewrite」を”脚本家とシングルマザーのラブロマンス”と紹介するが、それは映画のメインテーマではないと思う。シングルマザーのホリーはラブロマンスの相手としてよりもキースが人生を見直すヒントや勇気を与える役で、子供を育てながら複数の仕事をし大学の授業を受け人生を前向きに生きるホリーを演じるマリッサ・トメイは輝いていた。「いとこのビニー」1992の目を見張る演技でアカデミー助演女優賞をとったあと評判になるような映画に出ていなかったことが不思議である。「スターウォーズ」、「ダーティーダンシング」、黒澤ジェーン・オースティン、シェイクスピアなど映画や文学作品のエピソードが散りばめられた楽しい映画だった。★★★★☆

「Night at the Museum」2006、監督:ショーン・レビー、出演:ベン・スティラー(「The Secret Life of Walter Mitty」など)、ロビン・ウィリアムス、オーウェン・ウィルソン(「Midnight in Paris」など)、ディック・ヴァン・ダイク(「メリーポピンズ」)、ミッキー・ルーニー、ニューヨークの自然史博物館では夜ごと展示物が動き出し大騒動を繰り広げる。展示物は26代大統領セオドア・ルーズベルトや西部開拓時代のインディアン女性のサカジャウィアや冒険家ジェデダイア・スミスや南北戦争の兵士らアメリカの歴史上の人物に加え、エジプト王アクメンラー、ローマ帝国のオクタビアヌス、ローマ帝国を滅ぼした匈奴の王アッティラ、マヤ族、ネアンデルタール人、バイキング、コロンブス、アフリカの動物(猿、象、ライオン、シマウマなど)、T-レックス、イースター島のモアイ像らである。アクメンラーの石版が展示物に命を吹き込むのである。続編、続々編を先に観たが、案の定、シリーズ物は初編が一番面白い。シリーズの舞台となったニューヨーク自然史、スミソニアン、大英博物館に行くことが今のささやかな夢のひとつである。★★★☆☆

「The Cobbler」2015、監督: 出演:アダム・サンドラー(「50 First Dates」など)、ダスティン・ホフマン、不思議なミシンで修理した靴を履くと靴の持ち主に変身することに気付いたしがない靴の修繕屋(Cobbler)は、昔家を出て行った父の靴で変身し、老いて痴呆が始まった孤独な母親を慰める。近所の買占めを進める悪徳地上げ屋から街を守るため、地上げ屋の手先や街の住人に変身し地上げをやめさせようとするが、悪者につかまり窮地に陥る。危機一髪のところをある人に救われることは容易に想定できたが、無数の靴を収容する豪華な隠し部屋をみて、一人残され寂しく死んでいった母親が哀れで腹がたった。アダム・サンドラーが比較的真面目な役をする映画を初めて観た。★★☆☆☆

「Get Hard」2015、監督:イータン・コーヘン、出演:ウィル・ヘレル、ケヴィン・ハート、投資会社につとめる男が詐欺容疑で刑務所に入ることになり、彼の車磨きをしていた男に刑務所で生き抜くトレーニングを要請する。実は車磨きは刑務所に入った経験はないのだが、刑務所内を想定しためちゃくちゃな訓練を続けるというコメディー。下品だがそこそこ笑えて時間つぶしにはなる。★★☆☆☆

「Insurgent」2015、監督:ロバート・シュウェンケ、出演:シャイリーン・ウッドレイ、エンゼル・エルゴート、テオ・ジェイムス、ケイト・ウィンスレット、「Hunger Game」は生産別に社会を分割統治する世界だったが、こちらは能力別に人間を分割し統治する世界である。同じように統治者から自由を取り戻すために若い女闘士が立ち上がる。この手の映画で面白いのはめったにないが、SF好きなことと、たまに「In Time」のような掘り出し物があるのでどうしても鑑賞してしまい、観終わってがっかりすることを繰り返している。「The Fault in Our Stars」の二人が出ている。★★☆☆☆

「Focus」2015、監督:グレン・フィカラ、出演:ウィル・スミス、マーゴット・ロビー、有名な詐欺師が金持ちを罠にはめるが、それがばれて窮地に陥る。どんでん返しがあるが、想定内のありふれた設定だった。★☆☆☆☆

「ジヌよさらば~かむろば村へ」2015、監督:松尾スズキ、出演:松田龍平、阿部サダオ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行、田舎が舞台のハートウォーミング映画を期待していたのが裏切られたので星ゼロ。そんな予想をした自分が悪いのか?