( この原稿は、私が初めて描いたSF戦争物「 AIZU2145 」の一部である。描くのに最も苦労した
ロボットの大群が進むシーンである・・・このシーンだけを見るとすごそ~な漫画に見えるのだが・・
・・・・。《 2007年4月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その44
「 おめィ、だんだんあか抜けて来たじゃねェかよ・・・・ 」
J先生は、私の原稿を一読してそう言った。
「 このシーンなんかよく描けてるぜェ・・・・・ 」
J先生は、巨大なロボットが破壊されて倒れる所を示しながらほめてくれた・・・
・・・。 私がJプロい入っ以来、初めて漫画をほめてくれたのではないのだろう
か・・・・・・。 嬉しいというより薄気味が悪かった・・・・・・。
「 おめィがSF描くとはよォ・・・。このロボットの大群はよく描いたなァ・・
・・・大変だったか・・・? ・・・・・・ん・・・そうだろうなァ・・・ 」
ストーリーやキャラクター、内容についての細かい話は一切ありませんでした。も
っとシンプルに、ただ編集に持って行くだけの値打ちがある作品かどうか・・・・
ただその一点に注目しているような感じでしした。
「 どこ( 出版社 )へ持って行くか決めてるのか? 」
私がハッキリした出版社名を言わないでいると・・・・・・
「 K談社のY誌で副編やってる氷山( 仮名 )を紹介するからよ・・・。 持っ
て行ってみな! 」
漫画家アシスタントとしてJプロに入ってから( 1978年から8年目 )初めての持ち
込みに行く事になりました。 しかし、その話をする前に・・・・・・
SF漫画にしろストーリー漫画にしろ、ある日突然描きたくなったから描けるという
ものではありません。 描ける様になるまでに土台( 自分自身 )をしっかり作って
あるかどうかが重要です。
私の場合「 読書 」という事が日々の生活の中で土台をつくっていく大きな手段にな
りました。
ストーリー漫画なら世界文学を読み込んでいく事。そして、SF漫画なら世界SF文
学( もちろん日本のSFも含む )を読み込んでいく・・・。 そうした事が、漫画
を描けたベースになった様な気がします。
ちなみに・・・ ギャグ漫画を描く事に関しては・・・その土台になるのは文学より
も「 貧乏体験 」が重要かもしれません・・・・・・!
J先生から紹介されたK談社のY誌副編集長氷山氏はJ先生と同世代( 1986年当時
40歳代 )のガッシリした体格の人物。黒縁メガネの奥にあるその瞳には鋭い輝きがあ
りました。 ( 氏についての話は次回に・・・ )
J先生から初めて持ち込みを勧められ、副編集長まで紹介してもらえた・・・! 私は
自信満々・・・自分がこの漫画界にSF大問題作を引っさげて華々しくデビューするの
だ、日本の漫画界をオレが変えるんだ!・・・と、意気揚々K談社へ
・・・・・・
まだ高校生だった頃に行った事のあるS英社やS学館に比べると、やけに古びた( 小汚
い )ビル。 その薄暗い入り口を入る時に思ったのは・・・
『 オレの傑作漫画には、こんな所もったいないぜェ・・・・フッ・・・! 』
「 漫画家アシスタント 第4章 その45 」 へつづく・・・
★前の記事へ→ 「漫画家アシスタント第4章 その43」へ戻る 】
【 各章案内 】 「第1章 改訂版」 「第2章 改訂版」 「第3章 改訂版」
「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
ロボットの大群が進むシーンである・・・このシーンだけを見るとすごそ~な漫画に見えるのだが・・
・・・・。《 2007年4月、撮影 》 )
【 はじめての方は、どうぞ 「第1章 改訂版」 よりご覧ください。 】
その44
「 おめィ、だんだんあか抜けて来たじゃねェかよ・・・・ 」
J先生は、私の原稿を一読してそう言った。
「 このシーンなんかよく描けてるぜェ・・・・・ 」
J先生は、巨大なロボットが破壊されて倒れる所を示しながらほめてくれた・・・
・・・。 私がJプロい入っ以来、初めて漫画をほめてくれたのではないのだろう
か・・・・・・。 嬉しいというより薄気味が悪かった・・・・・・。
「 おめィがSF描くとはよォ・・・。このロボットの大群はよく描いたなァ・・
・・・大変だったか・・・? ・・・・・・ん・・・そうだろうなァ・・・ 」
ストーリーやキャラクター、内容についての細かい話は一切ありませんでした。も
っとシンプルに、ただ編集に持って行くだけの値打ちがある作品かどうか・・・・
ただその一点に注目しているような感じでしした。
「 どこ( 出版社 )へ持って行くか決めてるのか? 」
私がハッキリした出版社名を言わないでいると・・・・・・
「 K談社のY誌で副編やってる氷山( 仮名 )を紹介するからよ・・・。 持っ
て行ってみな! 」
漫画家アシスタントとしてJプロに入ってから( 1978年から8年目 )初めての持ち
込みに行く事になりました。 しかし、その話をする前に・・・・・・
SF漫画にしろストーリー漫画にしろ、ある日突然描きたくなったから描けるという
ものではありません。 描ける様になるまでに土台( 自分自身 )をしっかり作って
あるかどうかが重要です。
私の場合「 読書 」という事が日々の生活の中で土台をつくっていく大きな手段にな
りました。
ストーリー漫画なら世界文学を読み込んでいく事。そして、SF漫画なら世界SF文
学( もちろん日本のSFも含む )を読み込んでいく・・・。 そうした事が、漫画
を描けたベースになった様な気がします。
ちなみに・・・ ギャグ漫画を描く事に関しては・・・その土台になるのは文学より
も「 貧乏体験 」が重要かもしれません・・・・・・!
J先生から紹介されたK談社のY誌副編集長氷山氏はJ先生と同世代( 1986年当時
40歳代 )のガッシリした体格の人物。黒縁メガネの奥にあるその瞳には鋭い輝きがあ
りました。 ( 氏についての話は次回に・・・ )
J先生から初めて持ち込みを勧められ、副編集長まで紹介してもらえた・・・! 私は
自信満々・・・自分がこの漫画界にSF大問題作を引っさげて華々しくデビューするの
だ、日本の漫画界をオレが変えるんだ!・・・と、意気揚々K談社へ
・・・・・・
まだ高校生だった頃に行った事のあるS英社やS学館に比べると、やけに古びた( 小汚
い )ビル。 その薄暗い入り口を入る時に思ったのは・・・
『 オレの傑作漫画には、こんな所もったいないぜェ・・・・フッ・・・! 』
「 漫画家アシスタント 第4章 その45 」 へつづく・・・
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「第4章 その1」 「第5章 その1」 「第6章 その1」
「第7章 その1」 「第8章 その1」 「第9章 その1」
「諦めま章 その1」 「古い話で章 その1」
「もう終わりで章 その1」 「移住物語 こりゃタイ編 その1」
でも良いアイディアが浮かんだら、挑戦してみたいジャンルではあります。
だけでゾ~ッとします!(寿命が縮む思いです!)
どんなSF作家でも初めてSFを書く時は初体験だったはずなわけで
・・・ 描く気になれば、ゆうじさんだったら楽勝で描けると思います。
だいたいゆうじさんの絵柄は線がシャープで全体にクールですから
SFにはもってこいです!
ただし、SF文学を最低1年は読み込む必要があると思いますが・・・・
5年先、10年先の自分を作るつもりで挑戦してみてはいかがでしょう
か・・・・・・。
広い意味では、ファンタジーや近未来ホラーもSFだと思います。とて
も楽しい素敵な世界です! 考えてる時にこんなに愉快で楽しいジ
ャンルは他にありません!
有りませんよ!
でも嬉しいです!SFですか、前にエロ書くときに
その号の御代が「遠足」でしたから「どうせ皆山
とかに行くんだろうな」と宇宙に遠足に行かせた
事が有りましたが、SF(?)っぽいのはあれが
初めてで今の所最後です。
中学生の時は結構SF読んだんですが、なにぶん
知識が足りません。でも面白そうですね!
気がしますねー。ファンタジーとSFは結構
にたようなところにあるとおもいます。
ファンタジーといえども、結構、科学的な
要素を土台に作られてたりするのも多いので、
しかし、まだまだ、なんだかんだといってSFの
方がメジャーな気がしますねー。アニメだって
なんだかんだといって、SFの方が多いし、どうも
ファンタジーのほうがよりマニアックな気がします
漫画がちょっと好きでという人だと、SFなら
理解可能なようですが、ファンタジーだとちょっと
理解しにくいようです。まあ、まだ、ファンタジーが
流行ってから時がたってないので仕方ないかなー
とか・・SFは手塚治虫の時代からたくさん
ありましたからねー
ファンタジーもやっと、指輪物語とかが映画になって
ファンタジーのRPGゲームも浸透したって
感じです。
あか抜けないボンヤリとした絵ではシャープなSFの世界は描きにく
いと思います。 そこへいくと、ゆうじさんの絵柄は切れがあります
からクールなSFにはもってこいだと思うのです。
ショートストーリーの短編作品ならどうでしょうか・・・・・・? シナリ
オの形で何本か習作していくうちにガツンと鉱脈にぶつかるかもし
れませんよ。
>ラティさん へ・・・・
SFというとつい、「スターウォーズ」や「スーパーマン」「エイリアン」
となってしまいがちですが、意外と身近にある不思議な空想の世界
・・・「トワイライトゾーン」や「ウルトラQ」などの様な日常の生活の中
で起きる神秘的なストーリーが私は好きです。(ひょっとして、私の書
いている事がものすごく古くて分からないかも・・・ちょっと心配!)
SFやファンタジーこそまさに漫画表現には打って付けのジャンルで
はないでしょうか・・・!
ところで、ラティさんは最近漫画作品を沢山持ち込みに行っておられ
る様ですが・・・ どんなジャンルの作品が多いんですか・・・?
出来ないんです(涙)
キャラクター設定とかをいじるのが大好きな方が
居ますが、大変羨ましい!
僕はそういうの本当に苦手なものですから。
こないだ書き下ろした作品の主人公の髪型とかも
めんどくさいんで最後まで適当に描いていたら、
最後にホワイトであちこち直さないといけない事
になったりと、どうも駄目です。
考えているとめんどくさくなるんで僕は身体で
考えてネームを切っています。
具体的に言いますと「僕がその状況に居れば、
おそらくこういう行動を取る」と言う感じで
ネームを進めるんです。
昔はP数オーバーする事も有りましたが、今は
体が感覚を覚えたんでキッチリP数に収まります。
・・・・でもSF、面白そうですね!
読む分には楽しいんですが、書くとなると知識が
・・・。
「変な設定」を考えるのは得意なんで、SFの
面白いとかじゃなく「SF馬鹿漫画」とかなら
何とかなりそうなんですが。
ケーブルでみましたw。ちょっとホラーっぽい
ですよね。。
いわゆる、星新一とかのやつですよねー
藤子不二雄とかもかいてましたよね。
すこし不思議物語(SF)とか。。だったけな^^;;
ああいうのって、実はすごく難しいと思います。
なので、だからこそ、安易にそういうのに
走りがちなのかも・・・それか、ロボットものや
戦艦ものみたいな感じで、未来の話だけど、
内容は戦争とかがテーマという別にSFでなくても
できるという感じのやつですよね。
私もそういうの結構すきなのですが、、星新一とかは
家にあったので読んでましたwしかし、あんまり
本を読むのが好きじゃないので、そいういうジャンル
で面白いものとか知らないんですよねー。
ドラマでいえば、あなたの知らない世界だったけ?
タモリが出ている短編ドラマ、とかいうのですよね?
ホラーも入ってますが、あれも、それに近いですよね
ちなみに、私は、基本的にはファンタジー物
なんですが、、普通に最近は現代物かいてます^^;
いわゆる、敵(モンスターやお化けみたいな)のと
戦うファンタジー物が多いです。まあ、舞台は
なるべく現代とリンクできるようにしてますがー
「SF馬鹿漫画」・・・サイコーです! これこそまさに漫画表現に最
も適した世界だと思います!
例えば・・・ 「ドラえもん」もジャンルはSFですが・・・・・
このドラえもんが『もし・・・』「メス」だったら・・・ そしてそのお腹の
袋が「あそこ」だったら・・・・・
「あれェ・・・ この竹コプター・・・ 濡れてるよォ・・・・・・?」
ゆうじさんの『もし・・・』を是非! 時代劇を舞台に不思議な世界を
描いてもいいし、不思議な世界にエロチックな部分があってもいい
と思いますし・・・・・・
「SF馬鹿漫画」、「SF狂気漫画」、「SFシモネタ漫画」・・・・・・ 考えた
だけで・・・・・・(ムクムク!)
>ラティさん へ・・・・
ラティさんのコメントを読んでいたら、なんだかワクワクしてきまし
た・・・!
「現代とリンク」しているファンタジーもの・・・ 素敵じゃないです
か! ものすごく読んでみたいです!
とっておきの「面白い」やつで読者を驚かせて(喜ばせて)くださ
い・・・!!
もし「科学小説」の部分で勝負するのであれば、日本沈没、アウトブレイク、遊星からの物体X、みたいな科学的考証のしっかりしたストーリィを作らなくてはならないでしょう。これは、現代科学の基礎をすべて学んだ上で、自分なりの仮説を、ストーリィに盛り込むという、力業を要求されます。
後に
SpeculativeFiction「思索的な小説」にかわっていったように思います。
つまりもしAがBだったら、どうなるか…の世界。
これはドラえもんや童話や民話にも共通する、自由な発想の世界です。
SFマンガの大半は、こちらではないでしょうか。
これにはロボットや宇宙船、エイリアンも登場しなくいていいんです。
超現実的な世界を、思索的に楽しむ世界です。
ただ、その中にも、論理的整合性がないと、ストーリィが破綻してしまい、説得力がなくなります。
僕はSFが成功するかどうかは、絵の問題、というよりSF的発想の問題だと思っています。
人にネタ出しした時に「無重力状態で射精して
反動でクルクル回るって言うのどうですか?」
なんて話してウケを取りましたが、基本エロと
お笑いは相性が悪いんで止めました。
SF的発想と言うより単に馬鹿発想なんですが、
無責任に楽しむならいくらでも思いつくのですけど
「作品」に起こすにはある程度の労力と根気が
必要なんで、描いてる途中で「なんでこんなの描く
気になったのかなぁ。」なんて思い出さないように
、最後まで自分を騙し切るネームを切りたいもの
ですね。でも、今度から同人誌とか描きますし、
思い切り無責任な物を描いてみます!