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n増しを求められたとき

経験的にばらつきが無いモノを測るときはn=1で済ますときもあるし、大体この程度のn数でいいという目星を付けてデータを出すことが多い。

例えば開発時点で思いつきレベルのモノであればn=1*。期待した値が出たらnを増やし、ばらつきを見たりする。nというのは目的やばらつきによって必要数は変わるのだ。

 

どうもこのことが分からない人が多い。n=10でデータを出すと「nが少ない、最低30だ」と怒られる。nを3倍に増やしてさらに急がせる、訳が分からない。
断り、やり方を彼の部下に教えて帰る。すると時間が無いため、ばらつきを抑えるノウハウを省いて「使えないデータ」を出してきてドヤ顔。「(σがばらついているため)このデータ使えない」と指摘するとキレる。もう馬鹿と付き合っておれん。とかやってたら飛ばされたけど。多分今現在もn至上主義の彼らは統計学を知らないのであろう。

 

上記のやり取りは会議の席でのやり取りだが、通常は仕事を受けて「データを捏造する」。その方法を伝授しよう。喧嘩や説得するのも疲れるし。また顧客の場合は受け入れざるを得ないし。

 

1)n=10で元となるデータを測定する。

2)エクセルで平均とσをもとに乱数を30ヶ作成する。エクセルの場合小数点の桁がデータと合っていない場合が多いので、乱数で作成したデータをきちんと丸めて平均・σ・MinMaxを再計算する。

3)元のσ等と再計算したσ等に乖離が無いか確認する。

 

この捏造したデータのミソは、生データの開示を求められても困らない点だ。

飛ばされた先の本社の上司が顧客にデータを舐めて提出したら「生データを寄越せ」と言われてあたふたしてた。結果は乗り切ったらしくすごいパズルを解き明かしたようだ。本当は舐めている時点で注意すべきであったのだが、データの捏造方法を伝授するとそれまでの僕の仕事を疑われかねないので黙っていた。すると案の定というわけ。

 

データの精度や再現性は現場の研究員が一番よく知っている。そこに自信があれば下らない部外者や上司の要求を呑む必要は無い。しかしそのケアは必要だという事。僕の周り(現在は別の会社の研究所勤務)は真面目な方ばかりで、サボればいいのにと思う。直属の後輩ですら真面目は美徳だと思っているのか手を抜かない。

このサボらないという兆候は「自分で責任を取らない。言われたことだけはやった。」ということに繋がりかねないわけで。さらにコストや時間がかかる、協力会社(資材メーカー等)に無理を言う事もある。非常に良くない現象だと思う、と自分を正当化してみる。

 

そういえばn30の人が思い付きの実験を僕に命じた。アイデアは面白そうだったがn=1で駄目だったのが残念。それを報告したらn=1で駄目とはどういうことだと始まった。nを増やして残りの9が良かったら良いとでも言うのか?と反論したら「まぁいい」と矛を収めた。だから馬鹿にされる。
 

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