酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

DHM50箱

2015-01-15 15:36:12 | 音楽
ようやく概ね聴き終わった感じ。DHMは古楽専門とあって音質が良い。メジャーレーベルの古楽録音はフォルテ・ピアノあたりが聴けたものではない、と感じることが多いがDHMではニュアンスがしっかり捉えられていると感じる。だが、廉価で適当に制作されている所為か音割れがひどいものがある。プレガルディエンとシュタイアーによるハイネの詩による歌曲集がそれ。レンジが広いようなのでうちの再生環境の問題である可能性があるが、正直聴いていられないレベルだ。回収騒ぎになっていないということはうちだけの問題だろうか。他は概ね良い録音だ。

シュレーダーとインマゼールのベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全集。もう古典的名盤といっていいものであまり期待していなかったが予想以上に良かった。さわやか。80年台だが録音ももちろん良い。ベートーヴェンの室内楽は激しい表現があるのでモダン楽器仕様が好きなのだが、こういうものを聴くと古楽器もありだと思う。リストのベートーヴェン・カンタータはいかにもリストの管弦楽、といいたくなる剛球一直線、どんどんクレッシェンドし、加速していく曲想。フルトヴェングラーの録音がないかとか考えてしまった。前奏曲の録音のようにグロテスクで巨大なものになりそう。これも音質はとても良い。併録のベートーヴェンの幻想曲もピアノ、管弦楽、合唱のからみ合いが陶然とするほど美しい。ヴァイル指揮のオケも快調。ガット弦による20世紀音楽(メタモルフォーゼン、弦楽のためのアダージョ、弦楽セレナード)も期待通りの出来。モダンにはないきめ細かな美しさ。ただ、モダンにはモダンの良さがあるということも理解できる。マーラーのアダージェットとシェーンベルクの浄められた夜が削除されたのは痛恨。単品買いすべきだろうか。レザデューのモーツァルト弦楽五重奏、フルート四重奏も期待どおり。決別したゲーベルへのアンチテーゼなのか、解釈は割りとオーソドックス。プレガルディエンの歌曲は水車小屋の娘もハイネもいい演奏なのだけど、後者の録音が残念・・・。ビルスマによるセルヴェの想い出とカプリスがとてもおもしろい録音。当時はポップス的な感覚で聴かれた曲なのだろうが、大変扇情的で魅力たっぷり。こういう曲は歴史の闇に埋もれてしまうのだろうが発掘が進んでほしい。どんな時代でも真面目な曲ばかりのはずがない。歴史に残る、というがその時代の人が残すのはそういう曲になってしまうのだろうが・・・。他に記憶に残るのはカメラータ・ケルンのヘンデルの木管ソナタ集、センペやフォゲルのバッハ。ウェーバーの交響曲とアブ・ハッサンはモダンと聴き比べると面白い。

あまり感心しなかったのはヘンデルのメサイア。作曲当時のドイツ語版という着眼点は面白いが、正直、演奏が他の名盤と比較するレベルになかったと思う。

ブロックフレーテやガンバ、アリア集、中世の歌曲などはあまり聴いたことがないのでコメントできません。新しい録音なので十分楽しめましたが、他にもっといいものがあるのかもしれない。

持っていたけどベルニウスの聖母マリアの昨夜の祈りやシンフォニア・サクレ、アーノンクールのモーツァルト・レクイエムも含まれており、コスパは十分すぎるほど。これを買って損したと思うのはほとんどを持っている、という人だけでしょう。

アイスラー選集(10枚)の方はBerlin Classicのアイスラー録音がそのままの形で入っているものが多く、ちゃんとした分類になっていない感じで曲目を確認する作業が必須。Berlin Classic自身による選集(6枚)の方がきちんと分けられていて便利だった。ただし、そちらのほうは演奏家はばらばらという形になりますが。Berlin Classicから歌曲、歌入りの管弦楽曲、ソングの選集が出てくればまた買うでしょう。というのもこのブリリアントの選集、思ったよりソングが入っていないのです。特に労働歌や俗っぽい歌曲が。このへんはアイスラーの最も魅力的な部分であると思うので、真面目な歌曲やカンタータだけでは食い足りない。アイスラーは音楽オタク向けの曲と一般向けの曲が大きく変わる人だと思うのですね。シェーンベルクを大衆から遊離していると批判した御仁ですから。

東ドイツ時代の音楽は馬鹿明るいです。共産主義の未来は明るい(笑)。でも、ゲッペルスが作らせた宣伝歌の影響があるのは内緒。アイスラー自身の統一戦線の歌がナチスの宣伝歌にも影響したと思うので、どっちもどっちですが。そして、晩年になってからあの暗いドイツ交響曲の作曲を再開したのは共産主義、といかスターリン主義に絶望したからではないのか、と私は思ったりしています。

聴きものはもちろん暗くて長いドイツ交響曲。ドイツの深刻交響曲の系譜を引く交響曲です。バカ明るい統一戦線の歌、東ドイツの労働歌、カンタータとの落差がすごい。ブレヒトとのソングの収録は少なめですが映画音楽からの組曲は演奏家がバラバラながらほとんど入っています。コミカルで小回りの効いた音楽です。深刻癖や感傷性はあまりありません。深刻癖や実験臭のする無機的な音楽(いわゆる新ウィーン楽派っぽい曲)なら小交響曲と一部のピアノ曲(子供向き以外)、アイスラーの音楽はいろいろと取り揃えられております(笑)。ソプラノと管弦楽のための狂詩曲、冬の闘争のようにワーグナー色が濃厚な作品もございます。こちらも音楽に合わせて宣伝っぽく書いてみました(笑)。
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今年はデジアンでも買うかな

2015-01-15 14:34:48 | 日記
特に今のシステムに不満があるわけではないが、たまには違った音が聴きたい。まだまともなデジアンを一台も持ってないのでそろそろ買おうかな。価格もそう高くないし。中華が円安で高くなったので国産。買うとしたらよその資本が入って消滅の危機と聞くTEACかPioneerだろうか。Pioneerはカーステは儲かっているのでホーム・オーディオだけ切り離すんだっけ?SANSUIも潰れるときに記念に買ったし、今回もそうしよう。

ただ、デジアンになるとどうしてもDACがくっついてきてしまう。DACは作り付けのものでなくて単体でほしい。今のDACの音に不満があるわけではないし。それにただでさえ音をあまりいじれないデジタル・オーディオでは製品は組み合わせを変えられるようにセパレートであったほうが良いはずだ。今の時点で候補を絞るならTEACのAI-501やPioneerのA-70。セパレートの観点からはAX-501やA-50でもいいのだが、どう見てもこちらはAI-501やA-70のついでに開発された製品でメーカーの熱意に疑問がある(笑)。AX-501は実売5万以内でバランス接続とコスパがかなり良いのだが、ここまでコンパクトにする理由は私にはあまりないし・・・。コンパクトにしないならデジアンにする必要ない、と言われたらその通りなのだけど。個人的に廉価で物量投入型のデジアンが理想なのだ。いろいろと矛盾してるな。A-50の方はメーカー希望価格に10万近い差があるのを反映してA-70とは使用パーツにかなり差がありそうだ。DAC以外の心臓部には差がないのだから音に大きな違いはないはずなのだが・・・。A-70は価格が高いのに接続がバランスでないのも気になる。それでもDACが作り付けという点を除けばA-70は自分のいろいろと矛盾した理想に近いアンプではある。Pioneerがこんな状態でなければ夏頃には新製品が発売されるタイミングであり、その時にコスパで型落ちを選ぶか、バランス接続の新製品を選ぶか、ということになるはずだが、こんな状況では新製品は期待できない。A-70だとかなり予算オーバーなのでこれからの価格下落に期待しよう。どうせ買うのは夏から秋にかけてということになるだろうし。しばらくCDを買うのをやめれば買えるが、無理な相談。
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