酒と音楽とPC

血は酒で出来ている(某声優談)。他の趣味はPC組み立てるのと音楽聴くのしかない。

CDの感想とか その2

2012-03-09 22:00:36 | 音楽

忘れる前に感想を書き留めておかないと、後でどういう感想を最初に聴いた時に持ったのか、忘れてしまう。備忘録としては書かない訳にはいかない。

・ビクトリアの宗教作品集 ヌーン指揮 アンサンブル・プルス・ウルトラ

多くの曲が初録音に近く、聴き比べができない。ヌーンやアンサンブル・プルス・ウルトラを聴くのも初めてである。華美に走らず、小編成の透明度を生かした演奏だが、ポリフォニックであるデュファイやオケゲムと違ってトレント公会議の決定(過度なポリフォニーの禁止)の影響を最も被る厳格なカトリック国家スペインの作曲家であって、ホモフォニックな部分の多いビクトリアには小編成、透明度の高いアンサンブル、というのはどうなのであろう?法王直下で自由な気風のイタリアにいればこそ、パレストリーナはポリフォニックな部分の残る曲を作ってもお咎めなしだったのだが。当時のスペインは強盛を誇った国でもあり透明度の高い侘しい演奏というのはちょっとイメージから外れている気もする。シックスティーンやヒリアード・アンサンブルのビクトリアをもっと聴いてから結論を出したい。ビクトリアの曲自体は言うまでもなく素晴らしいもの揃いである。数少ないオルガン・ソロのある曲などは感動的だ。王室、教会の祝祭の際に作曲された声部の多い曲も含まれている。宗教的でありながら、華美、という演奏があっても良いと思う。

・チェリビダッケ・エディション

結局、4つ全部買った。しかし、結論は自分には合わない、であった。もともと苦手なヴェルディのレクイエムはとても長くて拷問に近かった。もちろん、素晴らしい演奏もある。しかし、多くの場合無理矢理なスローテンポに聴き疲れがした。オーケストラの美しさは伝わっては来たものの、当然ながら録音絶対拒否の指揮者である以上、本格的なライヴ録音ではないのでそれも減殺されている。コンサート会場にいればきっと感動できるだろう。モーツァルトのレクイエムなど、ベームよりは好感が持てた。一番苦手な指揮者と比較するというのも何だが(笑)。ブルックナーの緩徐楽章はさすがという表現が多い。チャイコフスキーもこういう演奏に適性があると思う。ハイドン、プロコフィエフ、ショスタコーヴィチは辛かった。バルトークはドライでスタンダードな演奏と違った演奏のあり方を示していたようにも思う。ルーセル、オネゲルの交響曲あたりを聴いてみたかった。

・ヒンデミット 室内協奏曲集 アバド ベルリンPo

グラモフォンとCBSが多いアバドだが、何故かEMI録音。安く買える分、録音はイマイチである。ただし、ラトルのように激怒するほどはひどくない。鑑賞に不満はない程度はキープされている。ドライでサバサバな音楽をアバドとベルリンPoはやすやすとドライブしていく。ただし、ちょっと肉厚すぎる感じがする。というのも、超ドライなケーゲルのヒンデミット、ストラヴィンスキーに触れてしまっているからだ。シャイーとコンセルトヘボウはどうであろうか?マーキュリー時代のドラティが録音していたらケーゲルに勝るとも劣らないドライっぷりを見せつけてくれただろうか。それともスクロヴァチェフスキーはどうか。ヒンデミットは今後も集めていきたい。

・メシアン・エディション(ERATO)

後にメシアンは他社の録音に協力するようになったが、本来はこの会社と仏EMIがメシアンの本拠地であり、最もオーセンティックな録音といえる。ピアノと歌曲の充実に対し、管弦楽とオルガンは枚数が少ない。Y.ロリオのピアノはスタンダードといっていいもの。入門にはベストなものだったかも知れない。ナガノ・ベルリンPoのトゥーランガリラは細身でドライ。官能性を取り除いた演奏で、これはこれで一つの方向性であると言えるが、個人的には好きではない。小澤征爾、シャイー、サロネンが懐かしくなった。オルガンはアラン。これが予想外にいい。もしかすると、より新しい録音群よりいいのかも知れない。それなのにたったの1枚。これは残念だ。世の終わりのための四重奏曲は悪くはないが、タッシのほうが親しみが持てた。聴き慣れているせいもあるのかも知れないが。歌曲とピアノ曲、ピアノを含む管弦楽曲の評価は比較する演奏を入手してからにしたい。

・モンポウ・プレイズ・モンポウ(Briliant)

エンサーヨ時代から欲しかったもの。ドビュッシーとサティに影響を受けていることは間違いない。この作曲家の演奏はいかに余韻を響かせるか、というのがポイントになるのだろう。いうまでもなく、ピアノの技術自体はラローチャ、マソとは比較するものではない。ただ、余韻の響かせ方はこれを参考にすることになるのだろう。ストラヴィンスキー、ミヨーのように作曲者がそれなりのレベルでステレオ録音を残した意義は大きい。ただし、全曲が名曲ではないことは指摘しなければならない。ショパンの主題による変奏曲は長いだけに辛かった。



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CDの感想とか

2012-03-09 21:37:35 | 音楽

・マーラー交響曲全集 ラトル ベルリンPo、バーミンガム市立響

・ロシア管弦楽曲集 ラトル バーミンガム市立響、ベルリンpo他

・イギリス管弦楽曲集 ラトル バーミンガム市立響、ベルリンPo

サイモン・ラトルの録音はその多くが廉価盤で箱になっている。現役演奏家を聴かなくなると本当にオタクの世界にどっぷり浸かっているような気がして情けなくなるので意図的に現役演奏家のCDを増やしている・・・のだが、EMIの録音には泣かされる。全く立体感のないノペーっとした音。音像、音場が全く出てこない。ステージが遠い。楽器が定位しない、分離が悪い。鮮明なモノラルのぶっとい音の方がずっとよい。遠くでか細く鳴くナイジェル・ケネディのヴァイオリン。このエルガーのヴァイオリン協奏曲は定評のあるものらしいが、演奏の内容以前に音の悪さで聴きたくなくなってしまう。ケネディのヴァイオリン自体もあまり魅力的ではない。イギリスではミリオンセラー連発だの、ギネスに載っているだの、超大物扱いだが、日本のレコード・カタログからその多くが消えている、というのは正しい評価なのではないだろうか。クレーメルはおろか、レーピンやテツラフあたりと比べるような人とは思えなかった。併録の揚げひばりは何故か録音もよく、ケネディのヴァイオリンもまずまず。

マーラーがまたひどい。演奏どうこう以前の問題だ。ベルリンPoとのライヴはどこをどうすれば最新録音でここまでひどい音になるのだろう?と感心してしまうぐらいである。1枚100円のDocumentのロイヤルPoの方が音が遥かに鮮明なのはどういうことであろう。ロイヤルPoの廉価盤は元々ロイヤルPoの自主制作盤で制作費も削られている録音であるだろうに。ラトルの解釈は興味深い部分もあるのだが、音が気になって全く楽しめない。バーミンガムのオケとの録音はまだ聴ける。

かろうじて録音がまともなレベルなのはホルストの「惑星」、ムソルグスキー=ラヴェルの「展覧会の絵」、ボロディンの交響曲第2番、ショスタコーヴィチの第4番といったあたりか。惑星は小賢しさを感じる火星のテンポ設定にイラッとしたが、後半はインテンポで緻密・丁寧な演奏。迫力不足、と取る人もいるだろうが、ラトルはこの曲を大スペクタクル、とは考えていないのだろう。こういうやり方はありだと思う。他の演奏は定評のあるものだから特にいうこともない。ラトルはまだ完成した演奏家ではない。私にはどういう解釈をしたいのか、その意図が伝わらないことが多い。これからどういう方向に向かうのか楽しみではある。レコード会社は変えて欲しいが(笑)。

・ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全集 ブッフビンダー

・モーツァルト ピアノ協奏曲集 ツァハリアス ジンマン、ヴァント他

ウィーンのピアニストではブッフビンダーとツァハリアスが円熟期を迎えているということで二人のCDを買ってみた。ブッフビンダーのベートーヴェン、ピアノ・ソナタ全集(RCAの新盤)は予想とかなりかけ離れていた。保守的でオーソドックスなピアニスト、というイメージに反して曲想の強調、激しいテンポが続出する。粗い部分も散見される。これはライヴ録音だからだろうか。ブッフビンダーをよく知る人は楽しめるだろうが、ファーストチョイスにはあまりいいCDではなさそうである。この人はライヴ録音よりセッション録音で真価を発揮するタイプなのかも知れない。さて、ツァハリアスのモーツァルトピアノ協奏曲集であるが、問題児の噂通り、装飾を付け足す、カデンツァでドン・ジョヴァンニのSPを掛けるなど、やりたい放題。しかし、音は抑制の効いた美しいもの。真面目な人なら血管が切れそうだが、これはこれで面白いと思った。伴奏がヴァント、ジンマン、マリナーなど多彩な顔ぶれ、悪く言えば統一感皆無(笑)。しかし、ジンマンがドレスデン、バイエルン放送響を振るのは興味深かった。やっぱりジンマンはジンマンだったが(笑)。問題児同士、相性もよさそうだ。あのお固いヴァントがよく伴奏を引き受けたものだ。これはこれでミスマッチの妙。2000円程度でコスパも文句なし。EMIなのに録音もまずまずだ。ラトルもこれぐらいなら我慢できるのだが・・・。

・ディーリアス生誕150周年記念ボックス(EMI) ビーチャム、バルビローリ他

EMIだから音はよくない、と言いたいのだが、時代を考えると今よりずっと良い。ビーチャム、バルビローリの録音もちゃんと聴ける。サウンド・ステージがラトルのデジタル録音のように遠くないのだ。新しい管弦楽の演奏ではヒコックス、フェンビーのものが優れている。ハンドリーは当たり外れがあるようだ。M.デイヴィスのオペラ、大規模声楽は録音、演奏ともに冴えない。急逝したビーチャムの代役だから仕方あるまい。でも、バルビローリとは行かなくてもせめてグローヴズ、サージェントだったらなぁ、と思ってしまう。「ハッサン」はハンドリー、「コアンガ」はグローヴズなのでまだ聴ける。ヴァイオリン曲はメニューインで録音、技術共にお察しである。イギリス音楽、と言われたら当時は知名度からメニューインが出てきてしまうのだろうが、正直、辛い。いまだと多分ケネディだから似たようなものか(笑)。オペラはマッケラス中心のユニヴァーサル箱で補完するよりなさそうだ。マッケラスならば管弦楽もビーチャム、バルビローリとは違った方向性を見せてくれそうだ。



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CD注文し直し

2012-03-05 19:30:47 | 音楽

発売日が遅れると待たずに遅れた分をキャンセルして改めて注文し直すことにした。そのほうが面倒がなくていい(店からすると面倒な客だろうがw)。ポイント20倍セールも折りよく行われていたし。

・ストコフスキーRCAステレオ・コレクション(14枚)

一度買うのを取りやめたが結局、なくなりそうなので注文することに。売れ行きが良いので遠からず消えるだろう。ペライア、ヤノフスキの指輪も欲しい人はお早めに、というところ。

・バロック管弦楽と協奏曲集 ラモン / ターフェルムジーク・バロック管(6枚)

再注文しないでおこうかと思ったが、パーセルが聴きたくて残した。いわゆる名曲集だが、Vivarteは録音も良いし、買って後悔することはないだろう。

・レオンハルト・ジュビリー・エディション(15枚)

消えるかと思ったらまだ数があったようだ。取り敢えず確保。テレマンが楽しみ。

・フライブルク・バロック管25周年記念エディション(10枚)

消えそうな雰囲気になってきたので確保。ターフェルムジークと同じく、バロック名曲選集なのだが、こちらは知らない曲も多いので楽しみ。

・ブラック・サバス Classic Album Selection(5枚)

既に4ヶ月以上遅れている。このままどこまで記録が伸びるか、逆に楽しみになってきた(笑)。予約してないと買うのは難しそうなので延期するたびに再注文。

・ドビュッシー主要作品集 CBS(18枚)

ユニヴァーサルの選集が枚数が少ない上に高いと気付いたら早速枚数を減らし、DVDを削ってきた。せこい。ハープの編曲やアップショウの歌曲があるので回避できない。

・ドビュッシーエディション ユニヴァーサル(18枚)

CBSの倍近い値段だが、ピアニストが超一流でそこそこ新しく、管弦楽もブーレーズの新録、アバドのペレアスとお得感は低くない。メシアン管弦楽の箱と迷ったが、あっちは限定盤ではないようなので、取り敢えずドビュッシーを二組買うことに。

消えたのはRoxy Musicのボックス。メシアンの箱と同じく限定盤とは書いていないのでそれに賭けたが、買えなくても仕方が無いだろう。欲しいAvalonとSirenを既に持っているのでドビュッシーを優先させた。



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