最近CDの話と訃報ばかり書いているような気がしてきて嫌になる。そういえば、今年は本当に沢山の演奏家が亡くなった。クラシックもロックも。よく調べてないけどジャズ畑の人もたくさん亡くなったのかもしれない。不覚ながらブリュッヘンとホグウッドは気が付かなかった。新聞に載ってなかったような・・・。アーノンクールやブーレーズも確か引退だし、マゼールもアバドも亡くなっちゃったし、上の世代が一気に抜けてしまった。ロックもブルース・ロックの世代、カンタベリー派の面々がかなり亡くなってしまった。まだ健在な人たちの長寿と健康を祈るばかりである。Twitterを丹念に見ていればすぐに気づいたのだろうが、話す人も特にいないので最近は見ることすらしていない(苦笑)。マゼールはろくに追悼箱さえ出ないが、そんなに音源が売れてなかったのだろうか。あまり人気がなさそうなサヴァリッシュですら出たというのに・・・。ブリュッヘンやホグウッドはこれから出るだろう。そういえば、ショルティも高価な韓国盤か、オペラしか箱は出てないな。まあ、ショルティは日本じゃワーグナー以外売れないかもしれない(笑)。オケノジハツセイ?ナニ・ソレ・クエンノカ?何故かヴァントは売れるのだ(苦笑)。
DHM50枚組に曲目の変更。スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズのガット弦による20世紀作品集のうち、浄められた夜、マーラーのアダージェット他の方が削られてしまった。もう一つ削られたのはラ・プティット・バンドのモーツアルト フルート協奏曲集。こちらは古典的名盤だから構わないが、スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズのほうは個人的にこの箱の目玉だったので大ショックである。まあ、目玉がひとつぐらい消えても素晴らしいマスト・アイテムであることに変わりはないが。また、その代わりに入ったのが曲目バラバラの企画盤というのが泣ける。ヘンデル~愛のオペラ・アリア集とか、18世紀ナポリのオペラ・アリア集とか、一番いらんやつやん・・・。特定の女性歌手が好きな人向けだよね。これ。好きな声の歌手であることを祈ろう。オペラ抜粋やアリア集はいずれ全曲を買えば重複する運命。できれば穴埋めでも入れてほしくない。
New Trollsのコンチェルト・グロッソの音の悪さに辟易。一応ステレオではあるんだろうが、モノラルっぽいガチガチの硬さである。安箱だからリマスターされてないのだろうが、これを良くするのは至難であろうと思われるレベル。ワーナー移籍後の作品(Aldebaran以降)の音はふつうに良い。それに対して、Osannaの方は古いのにかなり良い録音。混沌としたインプロヴィゼーションも売りのバンドなので音質が良いのはかなり助かる。2in1なので期待してなかったが、いい感じにリマスターされているようだ。音が気にならない人はともかく、気になる人はコンチェルト・グロッソNo.1よりMilano Calibro 9を買ったほうが楽しめるかもしれない。同じようなロックバンドとオーケストラの融合を目指した作品でオケ部分の監修者も同じであるから。Osannaはリード・ヴォーカルがまた上手い。絶品。New Trollsもヴォーカルは上手いのだろうが、メジャー移籍で音が良くなったAldebaran、FS以外はつらい。New Trollsはメジャー移籍後はプログレッシブ・ロック路線というよりは売れ線の産業ロック路線である。ただ、上手いのは確かだし、その上、イタリアン・ラブ・ロック的な滑らかさも持ち合わせる。
Briliantのアイスラー選集。どうもブックレットの編集ミスで回収されたものがHMVで安く出回っているようだ。CD1から3の曲目が抜け落ちている。ただし、ブックレットも曲目が載っているだけだし紙ジャケに同じぐらいの情報は載っているから気にしない。気にする人はHMVで買わずにAmazonやTowerで約2倍の値段で買って下さい。もうひとつの問題は最大の目玉であったドイツ交響曲の演奏家が通販サイトの表記と違う・・・。グール/ライプツィヒ放送響のはずが新しいポンマー/ベルリン放送響だった。ポンマーはザンデルリンクを別格とすればレーグナー、ヘルビッヒらと並ぶ東ドイツの名指揮者。録音も新しい(1987)となれば文句をいうわけにもいくまい。ただし、作曲者と同時代を東ドイツで生きたグールを欲しかったのも事実。ポンマーは簡単に単品買いもできるだろうから。もしかしたら、他にも違う演奏家があるかもしれないので注意深く調べよう。
Brand X。この手の音楽はいつも分類に困る。分類なんて演ってる連中には関係がなく、純粋に聴き手の問題だと言われるとそれまでであるが。ジャンルってのは確立すると力を持って表現者を縛る鎖にもなりかねない。ただ、聴き手としては好みの音楽を探す手がかりとしてジャンルによる分類ほど便利なものはないのである。縛られるのを嫌う表現者と利便を求める聴き手の溝は永遠に埋まらないだろう。主に分類を仕事にする批評家が表現者に嫌われる所以でもあろう。なんて前置きはどうでもよく、私にはフュージョンとジャズ・ロックの違いと境目が皆目わからないのである。昔は単純にいわゆるスムースな音楽(アール・クルーとか、クルセイダーズとか)をフュージョン、と思っていた。そうであれば、ジャズ・ロックとの境目はわかりやすいのだ。しかし、フュージョンの代表格と言われるブレッカー兄弟なんかにはスムースさなんて薬にしたくともない。アメリカではジャズが廃れてきた時により先鋭的にフリーに向かった連中と聴き手にわかりやすい音楽に生活の糧を求めた連中に分かれた。その後者がフュージョンと呼ばれるようになった。だから共通項はそれほどない。だが、欧州にはジャズで食ってる人はそれほど多くなく、プログレッシブ・ロック(名前は後付ではあるが)が廃れた時によりジャズに向かっていき、ジャズ・ロックというジャンルが出来たようなのだ。アメリカでは一部を除きプログレッシブ・ロックは不毛であったから両者は出自からして全く別物である。ヘンリー・カウだとかファウストとかはアメリカでフリーが流行する以前からインプロヴィゼーションを中心とした表現をやっていたみたいで、それなりに歴史もあるのだからアメリカの影響、とも言い切れない。やってることが近いので両者をごっちゃにしてしまいそうになるのだが。ただ、マイルスやリターン・トゥ・フォーエヴァーの影響はさすがに拭い切れないようだ。一番近いのはヨーロッパの人脈が多いマハヴィシュヌ・オーケストラだろうけど。Brand Xは人脈的にはカンタベリーに近くてもおかしくないのだが、あんなに湿って陰気ではなく、乾いた、素晴らしいキレで痛快な音楽になっている。ソフト・マシーンやヘンリー・カウ、ハットフィールド、ナショナル・ヘルスとは同じようにジャズ・ロックと括られても違いすぎるのだ。それでいて、ドラムがフィル・コリンズだったりするわけだから、私には訳がわからない。欧州の音楽家の懐の深さだろうか。ブレッカー兄弟やマハヴィシュヌほど緊張感を聴き手に強いないがスカッとすることは確実である。音楽によるクールミント・ガム。
DHM50枚組に曲目の変更。スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズのガット弦による20世紀作品集のうち、浄められた夜、マーラーのアダージェット他の方が削られてしまった。もう一つ削られたのはラ・プティット・バンドのモーツアルト フルート協奏曲集。こちらは古典的名盤だから構わないが、スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズのほうは個人的にこの箱の目玉だったので大ショックである。まあ、目玉がひとつぐらい消えても素晴らしいマスト・アイテムであることに変わりはないが。また、その代わりに入ったのが曲目バラバラの企画盤というのが泣ける。ヘンデル~愛のオペラ・アリア集とか、18世紀ナポリのオペラ・アリア集とか、一番いらんやつやん・・・。特定の女性歌手が好きな人向けだよね。これ。好きな声の歌手であることを祈ろう。オペラ抜粋やアリア集はいずれ全曲を買えば重複する運命。できれば穴埋めでも入れてほしくない。
New Trollsのコンチェルト・グロッソの音の悪さに辟易。一応ステレオではあるんだろうが、モノラルっぽいガチガチの硬さである。安箱だからリマスターされてないのだろうが、これを良くするのは至難であろうと思われるレベル。ワーナー移籍後の作品(Aldebaran以降)の音はふつうに良い。それに対して、Osannaの方は古いのにかなり良い録音。混沌としたインプロヴィゼーションも売りのバンドなので音質が良いのはかなり助かる。2in1なので期待してなかったが、いい感じにリマスターされているようだ。音が気にならない人はともかく、気になる人はコンチェルト・グロッソNo.1よりMilano Calibro 9を買ったほうが楽しめるかもしれない。同じようなロックバンドとオーケストラの融合を目指した作品でオケ部分の監修者も同じであるから。Osannaはリード・ヴォーカルがまた上手い。絶品。New Trollsもヴォーカルは上手いのだろうが、メジャー移籍で音が良くなったAldebaran、FS以外はつらい。New Trollsはメジャー移籍後はプログレッシブ・ロック路線というよりは売れ線の産業ロック路線である。ただ、上手いのは確かだし、その上、イタリアン・ラブ・ロック的な滑らかさも持ち合わせる。
Briliantのアイスラー選集。どうもブックレットの編集ミスで回収されたものがHMVで安く出回っているようだ。CD1から3の曲目が抜け落ちている。ただし、ブックレットも曲目が載っているだけだし紙ジャケに同じぐらいの情報は載っているから気にしない。気にする人はHMVで買わずにAmazonやTowerで約2倍の値段で買って下さい。もうひとつの問題は最大の目玉であったドイツ交響曲の演奏家が通販サイトの表記と違う・・・。グール/ライプツィヒ放送響のはずが新しいポンマー/ベルリン放送響だった。ポンマーはザンデルリンクを別格とすればレーグナー、ヘルビッヒらと並ぶ東ドイツの名指揮者。録音も新しい(1987)となれば文句をいうわけにもいくまい。ただし、作曲者と同時代を東ドイツで生きたグールを欲しかったのも事実。ポンマーは簡単に単品買いもできるだろうから。もしかしたら、他にも違う演奏家があるかもしれないので注意深く調べよう。
Brand X。この手の音楽はいつも分類に困る。分類なんて演ってる連中には関係がなく、純粋に聴き手の問題だと言われるとそれまでであるが。ジャンルってのは確立すると力を持って表現者を縛る鎖にもなりかねない。ただ、聴き手としては好みの音楽を探す手がかりとしてジャンルによる分類ほど便利なものはないのである。縛られるのを嫌う表現者と利便を求める聴き手の溝は永遠に埋まらないだろう。主に分類を仕事にする批評家が表現者に嫌われる所以でもあろう。なんて前置きはどうでもよく、私にはフュージョンとジャズ・ロックの違いと境目が皆目わからないのである。昔は単純にいわゆるスムースな音楽(アール・クルーとか、クルセイダーズとか)をフュージョン、と思っていた。そうであれば、ジャズ・ロックとの境目はわかりやすいのだ。しかし、フュージョンの代表格と言われるブレッカー兄弟なんかにはスムースさなんて薬にしたくともない。アメリカではジャズが廃れてきた時により先鋭的にフリーに向かった連中と聴き手にわかりやすい音楽に生活の糧を求めた連中に分かれた。その後者がフュージョンと呼ばれるようになった。だから共通項はそれほどない。だが、欧州にはジャズで食ってる人はそれほど多くなく、プログレッシブ・ロック(名前は後付ではあるが)が廃れた時によりジャズに向かっていき、ジャズ・ロックというジャンルが出来たようなのだ。アメリカでは一部を除きプログレッシブ・ロックは不毛であったから両者は出自からして全く別物である。ヘンリー・カウだとかファウストとかはアメリカでフリーが流行する以前からインプロヴィゼーションを中心とした表現をやっていたみたいで、それなりに歴史もあるのだからアメリカの影響、とも言い切れない。やってることが近いので両者をごっちゃにしてしまいそうになるのだが。ただ、マイルスやリターン・トゥ・フォーエヴァーの影響はさすがに拭い切れないようだ。一番近いのはヨーロッパの人脈が多いマハヴィシュヌ・オーケストラだろうけど。Brand Xは人脈的にはカンタベリーに近くてもおかしくないのだが、あんなに湿って陰気ではなく、乾いた、素晴らしいキレで痛快な音楽になっている。ソフト・マシーンやヘンリー・カウ、ハットフィールド、ナショナル・ヘルスとは同じようにジャズ・ロックと括られても違いすぎるのだ。それでいて、ドラムがフィル・コリンズだったりするわけだから、私には訳がわからない。欧州の音楽家の懐の深さだろうか。ブレッカー兄弟やマハヴィシュヌほど緊張感を聴き手に強いないがスカッとすることは確実である。音楽によるクールミント・ガム。